何をやっても治らない! 赤く炎症したニキビ顔での接客がつらい…
赤くブツブツと腫れたニキビが出来てかゆくて仕方がない。炎症を起こした赤くなったニキビに触れると飛び上がるほど痛い……。30代の大人女性の中には、こうした「赤く炎症したニキビ」に悩んでいる方も少なくないのではないでしょうか。
こ自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか? 「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を、医師がお答えしていきます。
今回は「赤ニキビ」をテーマに、青木先生にお話を伺ってみました。
目次
熱を帯びた赤ニキビ…塗り薬もピーリングも効かないのはなぜ?
響子さん(35歳女性)、百貨店勤務の方からご質問をいただきました。
もともと脂性肌で、中学・高校とニキビには散々悩まされてきたのですが、このところまたニキビがたくさんできるようになってしまい困っています。
百貨店の案内係をしており、赤くブツブツと腫れたニキビは接客などで人目につくことも多いことを考えると、余計に早く治さなくてはと焦っているのですが……。
皮膚科にも行きましたし、市販のニキビ薬も有名なものはほぼ試しましたが、どうしたわけか一向に治りません。
思い余って、先日美容皮膚科でピーリングを受けてきたのですが、体質に合わなかったのか、かえって赤みがひどくなってしまい、メイクで隠すのも一苦労です。
特に一日中冷房の中で立っていると、足腰がガチガチに冷えてしまうわりには顔がのぼせたように真っ赤になると、ニキビが熱を持ったようになるんです。
赤ら顔と炎症を起こしたニキビが重なってしまいすごい顔をしていたのか、同僚にも「熱でもあるんじゃない? 顔真っ赤だよ!」と心配されてしまうほど。
このどうやっても治らないニキビを抱えて、私はこれから一体どうすればいいのでしょう。
何か良い解決策を教えて頂きたいです。
ご質問ありがとうございます。
赤いニキビは、すでに毛穴の中で細菌が増殖してしまっている状態にあり、短期間での改善は難しいかもしれません。生活習慣や体質を改善しながらゆっくり治していきましょう。
それでは今回は、赤ニキビが出来る原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきます。
細菌の増殖と体内にこもった熱が赤ニキビの原因
赤ニキビは、毛穴がつまって白っぽくブツブツした状態の白ニキビが悪化し、炎症を起こしたもので、目立ちやすく治りにくいのが特徴です。
つまった毛穴の中では、皮脂の産生が過剰に増えて溜まっていき、それを餌とするアクネ菌が増殖することで赤く炎症を起こしてしまうのです。
東洋医学では「肌は内臓の鏡」と言われ、身体の状態が皮膚に反映されると考えられています。
特に赤ニキビは、体内にこもった「熱」や「気(生命エネルギー)」が原因と考えられており、腸内に熱がこもる便秘の状態や、黄体ホルモンが活発に働く月経前の高温期には、「熱」や「気」が特にこもりやすくなるとされています。
次の章ではこうした赤ニキビを改善するための具体的な方法をお伝えしていきましょう。
赤ニキビを改善するための3つのセルフケア
1.便秘を改善して腸に熱をこもらせない
東洋医学では、便秘により腸内に余分な熱がこもることでも炎症性の赤いニキビができやすくなると考えられています。
便秘にならないためには、食物繊維の豊富な食材を積極的に取り入れ、規則正しく三食きちんと食べることや、睡眠不足にならないようにすることが大切です。また、ストレスにより気が滞り、熱の発散がうまくいかない場合もありますので、ストレスを溜め込まず、上手に発散するようにしましょう。
2.刺激物やジャンクフードを避けましょう
甘いものや油物、スナック菓子や高脂質のジャンクフードは、アルコール類は、体内に余分な熱を発生させやすく、ニキビが赤く炎症を起こす原因となるといわれます。
また、こうした食物により皮脂の分泌が過剰になったり、代謝しきれなかった脂肪や糖質が老廃物として毛穴に蓄積することもあります。こうした皮脂や老廃物はアクネ菌などの格好の餌になりますので、細菌の繁殖を防ぐためにも、食生活を改善することが大事です。
3.足を温めてのぼせを防ぐこと
足の冷えが強く、のぼせて顔に赤みがあるタイプの方は、体内に余分な熱がこもっており、ニキビが赤く炎症しやすいと考えられています。
これは、足の冷えにより下半身の血流が悪くなって血流量が減る分、体の上部にある顔や肩に血や熱が集まりやすくなり、のぼせやすくなるためです。
ニキビの症状の改善をするには体を温め、冷やさないようにすることが大切です。体温が1℃低くなっただけでも免疫力が下がるとも言われているため、夏場でも足を冷やさないように心がけ、下半身浴や足浴などを取り入れて冷えを貯めないようにしましょう。
根本的な体質改善には漢方薬が効果的!
赤ニキビを改善するために、抗菌剤やビタミン剤の服用、外用薬の塗布などの選択肢に加えて、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。
特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、清上防風湯(セイジョウボウフウトウ)です。脂性肌でニキビが赤く化膿した方の体内に過剰にこもった熱を除き、炎症を鎮める効果があります。
また、体力があり、顔面の赤みやかゆみの強いニキビのある方には、菌の繁殖を抑制し、炎症を鎮める効果のある黄連解毒等(オウレンゲドクトウ)も良いでしょう。
自分の症状や体質にぴったりマッチした漢方薬を選ぶのは難しいと感じがちですが、「オンラインAI漢方」では、お悩みの症状を元にAIがあなたにぴったりな漢方薬をご案内しています。
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体内に余分な熱をこもらせないようにしましょう
今回は、赤ニキビに悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
ニキビを赤く炎症させないためには、原因となる体内の熱をうまく発散し、こもらせないようにすることが大切です。そのためには、食生活や睡眠の改善を心がけ、体を冷やさないようにしましょう。
また、こうした気になるニキビの改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。