• HOME
  • 記事
  • 体験談
  • 寒気と体の痛みでこんなにつらいのに…発熱しない風邪ってあるの?

寒気と体の痛みでこんなにつらいのに…発熱しない風邪ってあるの?

体験談

熱が出ているわけではないけれど、ぞくっとするような寒気がする。だるい感じと寒気が続いているのに熱が出る様子がない……。
女性のなかには、こうした「熱はないけれど寒気がする」という症状に悩んでいる方も少なくないのではないでしょうか。

このような自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか? 
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。

今回は「熱の出ない寒気」をテーマに、薬剤師の竹田由子先生にお話を伺ってみました。

寒気に震えながら仕事も休めず…熱も上がらず一向にスッキリしません

和美さん(45歳女性)、会社員の方からご質問をいただきました。

ここ数ヶ月ほど仕事が思いのほか忙しくなってしまい、睡眠不足と疲れが溜まっていたせいか、体がだるくて仕方がありません。
季節の変わり目でまだ夜が寒い日がありますが、そのせいか夜になるといや〜な寒気を感じるんです。とはいえ熱があるわけでもなく、なんだかゾクゾクして首のあたりが強張るような……。凝っているような痛みがあるだけなので、それくらいのことで仕事を休むわけにもいきません。
会社に行っても頭はぼーっとするし首や肩は痛むし、まったくといっていいほど仕事に集中できていないんです。それどころか、ガタガタ震えそうになるのを我慢して働き続けているせいか、だるさと疲労感は増すばかりです。
いっそのことカーッと熱が出てくれたらかえってスッキリするような気がするのですが、寒気が襲って、「あ、熱が出そうかな」と思ってもなぜか微熱止まり。このままで生殺しのような状態が続くのであれば、つらくて仕方がありません。
どうにかしてこの寒気と関節の痛みを解消する方法はないものでしょうか?

ご質問ありがとうございます。
寒気がするのに一向に発熱症状がないとなると、何による寒気なのかわからず病院にいくきっかけもつかめないため、不安になってしまいますよね。
今回は、熱がないのに寒気が起こる原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。

寒気だけの症状は発熱のためのエネルギー不足が原因

寒気がして発熱が起こるのは、身体の中で免疫細胞がウイルスと戦っている証拠であり、体温を上げることで免疫を活性化させ、ウイルスへの攻撃力を高めているからです。
ところが、疲れやストレスによって体力が低下していると、発熱するためのエネルギーが足りずに免疫機能が正常に働かず、寒気やだるさがあっても発熱せず、つらい症状だけが続くことがあるのです。

東洋医学では、風邪のひき始めに寒気は感じるものの熱が上がらない病態を冷えによる「寒証(かんしょう)」によるものと捉えます。
原因としては、「気(生命エネルギー)」の不足による「気虚(ききょ)」、熱を運ぶ「血(血液)」の不足による「血虚(けっきょ)」、体内の水分の停滞による起こる「水毒(すいどく)」などにより起こると考えられています。

次の章では、このような「熱の出ない寒気」を改善するための具体的な方法をお伝えしていきましょう。

熱がなくても寒気がするときの3つの対処法

1.季節の変わり目は特に体を冷やさないこと

季節の変わり目は、寒暖差が激しくなり空気も乾燥することから、雑菌やウイルスが繁殖しやすくなります。
こうした季節の変わり目に風邪をひかないためには、部屋を加湿し、体をしっかり温めて、免疫バリアを強化することが大切です。
寒気を感じたら、まずは保温性の高い肌着や洋服で体を冷やさないようにすることが大切です。
そして、体を内側からじんわりと温めてくれる生姜湯や生姜紅茶、シナモンティーなどの温かい飲み物を飲んでしっかり休養しましょう。

2.ストレスや疲労を解消して睡眠をとりましょう

ストレスや疲労の溜まった状態が続くことで自律神経のバランスが崩れると、体温調節がうまくいかなくなり、発熱や発汗がうまくできず、風邪を追い払うことができなくなってしまいます。
日頃から不摂生な生活をしないように心がけ、疲労やストレスを溜め込まないようにすることが大切です。また、落ちてしまった体力を回復させるためには、栄養バランスのとれた食事と良質な睡眠が必要不可欠です。
寒気を感じたら、消化の良い温かいものを食べ、早めに就寝して体力を回復させるようにしましょう。

3.体を温める「大椎」のツボを押しましょう

東洋医学では、寒気をともなう風邪は、疲労やストレスで免疫力が下がり、抵抗力が弱まったところに冷えやウイルスなどの「寒邪(かんじゃ)」が入って起こると考えられています。
寒気を感じたら、まずは体を温めるのに効果的なツボ「大椎(だいつい)」を刺激して発汗を促し、免疫力を高めて「邪」を追い払ってしまいましょう。

◎大椎(だいつい)
場所:首を前に曲げたときに、一番飛び出ている首の骨のすぐ下のへこんだ部分にあります。
寒気や震え、微熱症状はもちろん、冷えによる肩こりなどにも効果的なツボです。
指で5秒ほど押し揉むように刺激したり、熱いシャワーをかけるのも効果的です。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

熱が出なくても感じる寒気の症状を改善するために、市販薬や処方薬の服用などの選択肢に加えて、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、葛根湯(カッコントウ)です。体がゾクゾクして寒気がする方の体を温め、首筋の痛みや関節痛をやわらげて風邪を初期のうちに改善する効果があります。
また、冷えが強く、ひどい寒気や全身の倦怠感のある方には、発汗を促して体内にこもった熱を発散し、症状を緩和する効果のある麻黄附子細辛湯(マオウブシサイシントウ)も良いでしょう。
一方、今回のような症状があっても、心疾患や甲状腺疾患など麻黄が含む漢方薬を使用しにくい方は、麻黄を含まない桂枝湯(ケイシトウ)も体力がない方から使用できる漢方薬でおすすめです。

熱を生み出せる体質に改善し、寒気を解消しましょう

今回は、熱が出ないのに寒気がする症状に悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
長引く寒気を解消するためには、免疫力を高め、風邪を追い出す熱のエネルギーを生み出せる体に整えることが大切です。
そのためにも、疲労やストレスを解消し体を冷やさないように、体の内と外からしっかり温めるようにしましょう。
また、こうした気になる寒気の症状の改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。


関連記事