もううんざり!気まぐれな生理とどう付き合っていけばいいの?
1ヶ月のうちに生理が2回も来ることがある、そうかと思えば1ヶ月半経ってもなかなか生理がこない…。
それは、もしかしたら生理周期の乱れによる生理不順かも!?
ストレス社会とも言われる世相を反映してか、現代の多くの女性がこうした生理不順に悩んでいると言われています。
そんな自分ではどうにもならない生理周期の乱れや体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか?
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。
今回は「不規則な生理」をテーマに、薬剤師の竹田由子先生にお話を伺ってみました。
目次
予測がつかないほど生理周期がバラバラ…これって年のせい?
優希さん(38歳女性)、主婦の方からご質問をいただきました。
36歳のときに第二子を出産してからというもの、生理周期がすっかり不規則になってしまいました。以前は27日周期できちんと生理が来ていたのですが、今は1ヶ月に2回も生理がくる月があるかと思えば、気づいたら前回の生理から50日以上経っていた、なんていうこともあるほどです。
母からは「もう四十路だし、更年期かしら? 思いのほか早く生理上がっちゃうんじゃないの?」なんて言われ、まだまだ気持ちは若いつもりなので、なんだかショックで…。
このまま生理も心も安定しないと、女として終わってしまっている気がしてつらいです。
二人の子どもの育児でストレスも溜まりまくっていますが、食べることで発散してしまっているせいか、体重だけは雪だるま式に増える一方。栄養が足りていないわけではないと思うのですが、どうして生理周期がこんなに乱れているのでしょうか?
毎月予定通りにくるはずの生理がいつ来るかわからないのはかなり不安です。
一体どうしたらこの生理不順を解消できるでしょうか?
ご質問ありがとうございます。
以前は予定通りに来ていた生理が不規則になると、原因が気になってなんだか不安な気持ちになってしまいますよね。
今回は、生理が不規則になる原因や改善方法について詳しくお伝えしていきましょう。
ストレスによるホルモン分泌の乱れが月経不順の要因
月経が不規則になるのは、卵巣の発達不全や卵巣や子宮のトラブル、また過度なダイエットなども原因としてあげられますが、圧倒的に多いのが精神的ストレスによるものです。
長期にわたるストレスはもちろんのこと、一時的なものでさえ、ストレスはホルモンの分泌に影響を与え、月経周期が乱れる原因となってしまうのです。
また東洋医学では、人の体は「気・血・水(生命エネルギー・血液・水分)」の3つで構成され、これらがバランスよく循環することが大切だと考えられています。
ところが、「気」や「血」の不足や滞りによって卵巣や子宮に十分行き届かなければ、卵子の発達やスムーズな排卵の妨げとなり、月経不順を招きやすくなるのです。
次の章では、こうした不規則な月経周期を改善するための具体的な解決方法をお伝えしていきたいと思います。
月経周期を整えるための3つの習慣&対策
1.無理なダイエットをしない
美容目的で過度なダイエットをするのは、月経不順を招く大きな原因となります。
体重が大幅に減ると、生命が危機的状況にあると脳が判断し、妊娠するための仕組みを妨げようとするのです。
また、一食抜きや糖質制限など、体に負担の大きいダイエットの継続によっても血液が不足したりホルモンの分泌が減り、月経が不規則になります。
栄養バランスのとれた食事を三食しっかり摂るようにしましょう。
2.太り過ぎにも要注意!
ダイエットのしすぎによる月経不順もありますが、逆に、太り過ぎていても月経が不規則になることがあります。これは、脂肪細胞から作られるレプチンというホルモン物質が過剰に分泌されてしまうことで女性ホルモンのバランスに異常をきたすためです。
BMI指数で適正値を大幅に上回る肥満の場合は、適正範囲に近づけられるよう、適度な運動や食事制限などを試してみましょう。
BMI指数の出し方:BMI値=体重(kg)÷(身長m×身長m)
※BMI(Body Mass Index)はボディマス指数と呼ばれ、体重と身長から算出される肥満度を表す体格指数のこと。BMI指数22が適正値、25以上で肥満と判定されます。
3.ストレスを溜め込まない
精神的ストレスを受けることで脳の視床下部に影響を与えてしまい、月経を起こすのに必要なホルモンの分泌が不安定になることがあります。
日頃からストレスを溜めないようにするのはもちろんですが、もしストレスを感じたとしても、うまく発散できるような自分なりのストレス解消法を見つけておくことが大事です。
根本的な体質改善には漢方薬が効果的!
月経不順を改善するために、ホルモン療法などの選択肢に加えて、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。
特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)です。
精神不安が強く、めまいや冷えのぼせの症状がある方の「気」と「血」の巡りを良くして、「血の道症」によるホルモン変動からの影響を受けづらくする効果があります。
また、貧血気味で冷えが強い方や、産前産後に月経周期の乱れがある方には、「血」を巡らせて栄養を全身に行き渡らせてくれる効果のある当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)もオススメです。一方、イライラや不眠などの精神的な症状が伴う場合は、加味逍遙散(カミショウヨウサン)がよいでしょう。
過度に気にしすぎず、基礎体温チェックを継続しましょう
今回は、不規則な月経に悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
月経の周期が多少ずれていても、基礎体温をつけて排卵がおきていることが確認できればそれほど心配しなくても大丈夫です。
また月経周期の乱れの改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。
セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。