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腰から下が水に浸かっているような寒さ…手強い冷えに我慢の限界!

下半身の冷え アイキャッチ
体験談

暖房の効いた部屋でも足や腰は寒くて震えているのに、顔はのぼせて真っ赤になる。
冷えるとお尻やふくらはぎが張るように痛い…。
こうした症状が起こるのは、30代〜50代のミドルエイジ世代の女性が悩まされがちな「下半身の冷え」に原因があるのかもしれません。

このような自分ではどうにもならない体の不調やつらい症状の緩和、体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか? 
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を漢方の専門家がお答えしていきます。

今回は「下半身の冷え」をテーマに、薬剤師の中田早苗先生にお話を伺ってみました。

大好きな習い事が冷えとの戦いの場に…下半身の冷えはどう防ぐ?

フラワーアレンジメント教室

美香さん(42歳女性)、主婦の方からご質問をいただきました。

半年ほど前からフラワーアレンジメントの教室に通い始めたのですが、肌寒い部屋で立ちっぱなしでお花を触っているせいか、冷え性が悪化してしまい困っています。
集中してお花を生けていると、冷たいフローリングの床からシンシンと冷気が上がってくるようで、足から腰にかけて、まるで冷たい水の中で作業しているように感じるほど!
もちろん生花を扱っていることもあるので、肌寒いくらいの室温の方がいいのでしょうが、高い場所に設置されている暖房のせいか、上半身ばかり暑くて下半身には温かい空気が全然届かないんです。
最近はお稽古が終わると腰が痛くて歩くのもつらいし、足もむくんで靴もきつくなってしまい、帰宅するだけでも疲れ果ててしまうほどです。
お花を生けるのは大好きなので教室を辞めたくはないのですが、このひどい下半身の冷えをどうにかしたくて…。なにか良い改善方法はないでしょうか?

ご質問ありがとうございます。
長時間立ちっぱなしで作業することによって血流が悪化することは、下半身の冷えを招くきっかけとなってしまうことがあります。
今回は、下半身の冷えの原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。

下半身の冷えは骨盤の歪みによる血行不良が原因

「冷え」とは、自律神経の乱れによって血液の流れが悪くなったり、血管が収縮することによって体が冷えてしまう状態のことです。
腰から下の下半身が冷えるのは、お尻やふくらはぎの筋肉のコリによる血行不良によるものが多く、「冷えのぼせ」などの症状をともなうことも多いようです。
また、加齢や姿勢の悪さから来る骨盤の歪みにより下半身の「血(血液)」の巡りが悪化し、代謝が悪くなることも下半身の冷えの原因になります。

東洋医学では、下半身の冷えは主に血行不良による「血瘀(けつお)」や「水(水分)」の滞りによる「水毒(すいどく)」によって起こると考えられています。
また更年期などでホルモンバランスが乱れることによっても「気(生命エネルギー)」の巡りが悪化し、のぼせをともなう下半身の冷えなどが起こります。

次の章では、こうした下半身の冷えの改善に対する具体的な方法をお伝えしていきましょう。

下半身の冷えを解消する3つのセルフケア

1.足腰の筋肉を鍛えて筋肉量UPを!

ヨガ教室

下半身の筋肉が少なかったり、加齢によって衰えたりすると、温かい血液を全身に巡らせることができず、ますます冷えを悪化させてしまいます。
下半身の冷えを解消するには、定期的なエクササイズでふくらはぎや太もも、お尻の筋肉を鍛え、筋肉によって熱を生み出すことが大切です。
日頃から階段を使うようにしたり、スクワットで足腰の筋肉を鍛えることを心がけましょう。

2.セルライトを予防して冷えの悪化を防ぐ

太ももが気になる女性

脂肪の蓄積や加齢とともにお尻や太ももなどに増えていくセルライトも、下半身が冷える原因のひとつです。
姿勢の悪さや肥満によって下半身の脂肪や老廃物がセルライトに変化すると、スムーズな血流の妨げとなり、温かい血が全身を巡らなくなってしまいます。
日頃から入浴時にマッサージしてもみほぐしたり、半身浴で代謝を良くして、全身の冷えにつながるセルライトができるのを予防しましょう。

3.「臀中」のツボで血行の改善をしよう

お尻にあるツボ「臀中(でんちゅう)」は、下半身の冷えや長時間同じ体勢を取り続けることによって凝り固まってしまった筋肉をほぐし、血の巡りを良くしてくれるツボです。
心地よい痛みを感じる程度の強さでゆっくりを押すことでむくみと冷えを改善しましょう。
指で押しづらい場合は、ベッドとお尻の間にソフトボールやゴルフボールなどを挟んで押すのもオススメです。

◎「臀中」の場所
左右両方のお尻の中心部、えくぼのある場所にあるツボです。
30秒ほどを3回程度ゆっくり押しましょう。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

下半身の冷えを改善するには、ホルモン補充療法やビタミン投与などに加えて、根本改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、苓姜朮甘湯(リョウキョウジュッカントウ)です。
下半身の冷えが強く、腰痛による痛みのある方の「水」の滞りを改善し、「気」を補って冷えやむくみを改善する効果があります。
また、腰や下肢に冷えによる神経痛のような痛みや「冷えのぼせ」の症状もある方には、「血瘀」を改善し、生殖器など生命の源である「腎(じん)」を補いながら血の巡りを良くしてくれる八味地黄丸(ハチミジオウガン)も良いでしょう。

筋肉のコリをほぐして全身に血を巡らせましょう

海辺でストレッチをする女性

今回は、下半身の冷えに悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
足腰を鍛えて熱を生み出し、凝り固まった筋肉のコリをほぐすことで全身の血流を良くし、下半身の冷えを改善していきましょう。
また、こうしたさまざまな冷えの症状の改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。
セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。

中田早苗

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 中田 早苗 薬剤師。認定運動支援薬剤師。就実大学薬学部卒業。病院薬剤師として約7年間勤務後、漢方薬局で2年間勤務。ファスティングマイスターとして100名以上のファスティングをサポート。TiktokやInstagramでファスティング・美腸を普及する活動も行っている。

プロフィール

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