喉に何かがひっかかっている感じがするときの漢方薬4選

呼吸器症状

現実には何もつかえていないのに・・・

子どもや老人が、口の中に何かものを入れているとき、何かの拍子に反射的に吸う息が強くなって、ものを喉につまらせてしまうことがあります。大きいものなら喉頭にひっかかり、小さいものなら気道、場合によっては気管内に入りこみます。

子どもではピーナッツ・おもちゃ・鉛筆のキャップ・ボタンなどが多いです。老人では入れ歯・もち、あるいは粉ぐすりに気をつけたいです。

それとは別に、喉の異物感ということもあり、これには三つのケースが考えられます。

喉に何かがひっかかっている感じがするとき考えられる病気

まず、痛みをともなう場合。かぜをひいて、喉の奥が赤くなり、乾くような感じがして痛むものは、急性咽頭炎(きゅうせいいんとうえん)か急性喉頭炎(きゅうせいこうとうえん)です。さらに高熱が出て、喉の奥が赤く大きくはれあがり、ものを飲みこむと痛いというときは、急性へんとう炎の疑いがあります。

次に、食物を飲みこむときにひっかかるという場合へんとう炎のこともありますが、多くは食道がせまくなったもので、食道狭窄症(しょくどうきょうさくしょう)・食道けいれん・食道憩室(しょくどうけいしつ)・食道ガンなどの可能性もあります。子どものへんとう肥大でも異物感はありますが、訴えることができないので、ふつう食事の量が少なくなります。

三番めは、神経症によるものです。痛みはないが、いつも何かがひっかかる感じで、ツバを飲みこむときにとくに感じるというものです。この症状は、ヒステリーの女性に多く、現代医学ではこの異物感を「ヒステリー球」とよんでいます。

漢方は梅核気(ばいかくき)には卓効を示す

ヒステリー球に相当するものが、漢方の梅核気です。「気」(前述参照)がのぼってきて、梅干しの核が喉にひっかかったような感じのものをいいます、こういう神経症状には、漢方の気剤(きざい)が効果を発揮することが多いです。

喉に何かがひっかかっている感じがするときの漢方薬

半夏厚朴湯

気分が落ちつかず、胃腸症状をともない、軽度の腹満感、ガスの停滞があるような体質の人の、喉の異物感に一般的に用いられます。

桂枝茯苓丸

血の道症の女性で、腹満感があり、足は冷えるが、のぼせて困るという人に用います。

加味逍遙散

血の道症の女性で、疲労しやすく、体質が弱い人の、喉のつかえに処方します。

苓桂朮甘湯

へそのところに動悸があり、それが上のほうにつきあげてくるようで、喉がつまって苦しい(奔豚気(ほんとんき)という)ときに用います。

喉をつまらせたときの応急手当

子どもの場合、やたらにさかさに吊ってはいけません。子どもが驚いて、かえって飲みこんでしまうことがあるからです。ゆっくりと頭を下にさせ、口を開けさせて、舌を指先でおさえて、背をかるくたたきます。このとき、異物が見えたら、ピンセットや箸などでつまみ出すとよいです。

老人の場合は、ふつうはげしいセキが出るなど嘔吐反射が起きて、吐き出されてしまうことが多いから、あまり心配する必要はありません。ただし、呼吸困難のおそれがあれば、ただちに咽喉科医へ。

魚の小骨がひっかかったときは、ごはん・パン・いもなどのかたまりを、かまずに飲みこんで、胃内に送りこんでしまうのがいちばんよいです。魚の小骨ていどなら、胃内で消化されてしまいます。それでもとれない場合は、しばらく様子をみて、痛みがひどかったら医師にとってもらいます。

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