ニンニクを食べて得られる効果、効能

ナ行の食材

▼抗菌、滋養、補温

満員電車の中であの悪臭に襲われたのではかないません。昔からニンニクの強壮効果は信じて疑わないのに、あの臭いは何とかならぬものか。しかしニンニクはあの悪臭の中にこそ効果が秘められていたのであります。うらめしくも捨てがたいニンニク。それはガーリックの名で料理にも使われています。

ニンニクとは

ニンニクは西アジアの原産でユリ科の多年草です。ニンニクの歴史は古く、エジプトではピラミッドをつくる人々の重要な食料だったといいます。日本でも『古事記』や『日本書紀』には不浄、悪疫退散に用いられたとあります。『源氏物語』に極熱の薬草と記されているのもニンニクで、臭気が強すぎるから雲上人には嫌われていたらしいです。中国、朝鮮、欧米では肉料理の香辛料として広く使われました。

ニンニクの効果、効能

あの強烈な臭いは硫化アリル類のアリシンによるものです。アリシンは強い殺菌力をもち、ビタミンB1の吸収を高め、持続性を発揮してスタミナアップの働きを示します。また免疫増強と抗ガン作用があり、毛細血管を広げて胃腸や心臓の働きを高める作用もある動脈硬化や血栓の予防効果にもつながるわけです。

もう一つ、ニンニクには特殊な成分のスコルジンが含まれており、これが精力をつける源と考えられます。この成分には新陳代謝を活発にする酸化還元作用があり、ホルモンの分泌を刺激する働きも示します。さらにニンニクには抗体や赤血球をつくるのに欠かせないビタミンB1や抗酸化力の強い微量ミネラルのセレンも含まれ、幅広い健康効果のあることがわかりました。

摂取方法

ほかにもビタミンB1、C、ミネラルなども豊かで、ニンニクは世界が認める元気の素ともいえるでしょう。網袋に入れて台所に吊しておくと、何かと便利な野菜です。その例として、ニンニクとショウガを各15グラムほど200㏄の水で半量に煎じ、少量の砂糖や蜂蜜を加えて飲むのは風邪の特効薬です。試してみる価値はあります。疲労回復にはニンニクを焼いて食べるか、酢漬けや蜂蜜漬けが効きます。

冷え症に奨めたいのはニンニク酒です。ニンニク6個の皮をむいて小片にし、氷砂糖200グラムと焼酎1リットルに漬けて密封、半年ぐらい熟成させてから盃に1~2杯飲みます。お湯割りにしてもジュースで割ってもよいです。「にんにくを噛みつつ粥の熱き吸ふ」と、大蒜粥も効果があります。

ただし、ニンニクだけの食べすぎは逆効果になるから要注意です。生ニンニクなら1日1片、加熱しても2片までに留めましょう。大量にとるとアリシンの作用で有効な腸内細菌まで殺したり、赤血球を溶かして貧血になることもあり、また生の刺激は胃粘膜の負担になるからです。ニンニクの臭い消しには食べてすぐ牛乳を飲むか、チーズやパセリをかじるとよいです。

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