風邪のひき始めに鼻水タラーリ…あわやお弁当が鼻水まみれに!

体験談

風邪のひき始めにダラダラと水っぽい鼻水が流れ出てきて息が苦しい、鼻をかんでもかんでも透明な鼻水があふれ出てきて目の前にティッシュの山ができてしまった……。
30〜60代の幅広い世代の女性の中には、こんな「水っぽい鼻水」に悩んでいる方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。

こうした自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか? 
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師がお答えしていきます。

今回は「水っぽい鼻水」をテーマに、内科医の田中先生にお話を伺ってみました。

流れ出る水っぽい鼻水に困惑…家じゅうのティッシュを浪費しそう!

波香さん(35歳女性)、主婦の方からご質問をいただきました。

蒸し蒸しする季節に耐えられず、エアコンのドライ機能をつけっぱなしにして寝るのが大好きな私。主人も暑がりのため、寝室は常にキンキンに冷えた状態です。
ところが、そんな状態を続けていたせいで体が冷えてしまったのか、先日から鼻水が止まらず、タラタラと垂れる鼻水に加えて寒気までしてきたため、風邪をひいてしまったのでは、と内心焦っています。洗濯をしていても料理をしていても、常に水っぽい鼻水が垂れてくるので、垂れないようにティッシュで拭うので精一杯! 
今朝も、子どもと主人のお弁当用のウインナーに切り込みを入れていたらタラーッと透明な鼻水が垂れてきて、あわや鼻水まみれのウインナーを焼くはめになるところでした。
あんまりサラサラして鼻水なので、流れ落ちるのを抑えるのが間に合わずに大慌てで「チーン!」と勢いよく鼻をかみ続けていたら、耳までなんだかツーンとしてきて、もう最悪です。
このままでは家じゅうのティッシュペーパーを使い尽くしてしまいそうな勢いなのですが、どうしたらこの鼻水を止めることができるでしょうか? 何か良い方法があれば教えてください。

ご質問ありがとうございます。
透明な鼻水は風邪のひき始めの典型的な症状ですね。体が冷えて体温が下がってしまうと、免疫力が下がって風邪をひきやすくなるため、暑い時期でも冷えには要注意です。
今回は水っぽい鼻水の出る原因や改善方法について詳しくお伝えしていきましょう。

風邪やアレルギーによる鼻粘膜の炎症が鼻水の原因に

水っぽいサラサラとした鼻水が出る原因の多くは、風邪などのウイルス性の感染症やアレルギーによる鼻粘膜の炎症による反応と考えられます。
風邪の場合は鼻水のほかに発熱や喉の痛み、頭痛や倦怠感などをともなうことことも多く、アレルギー性の炎症の場合は目のかゆみや充血などの症状も多くみられます。また、不規則な生活やストレス、寒暖差を感じることによって自律神経が乱れて血管が収縮し、鼻水をともなう鼻炎症状が起こることもあります。

東洋医学では、「肺は鼻に開竅(かいきょう)する」といい、五臓のうちの呼吸や体液の代謝、体温調節をつかさどる「肺」に寒邪(かんじゃ)が侵入することでサラサラとした透明な鼻水が生じると考えられています。
次の章ではこのような「水っぽい鼻水」を改善するための具体的な方法をお伝えしていきます。

水っぽい鼻水を改善する3つのセルフケア

1.湿度を保ち、鼻粘膜の乾燥を防ぎましょう

部屋が乾燥していると、鼻腔の粘膜が刺激されて鼻水が出やすくなります。加湿器で部屋の湿度を50~60%に保つようにしたり、濡れたタオルや洗濯物を室内に干したりすることで乾燥を防ぐようにしましょう。
また、空気の乾燥する寒い時期はマスクをして冷気を防ぎ、鼻の周りの湿度を保つことも大切です。マスクは風邪やインフルエンザなどの感染症予防はもちろん、花粉やハウスダストなどのアレルギー原因物質の遮断にもなるため、日頃から活用するようにすると良いでしょう。

2.免疫力を高めて風邪を寄せ付けない体質に

冷えから風邪をひきやすい方は、日頃からお風呂にゆっくり浸かることを習慣付け、体を芯まで温めるようにしましょう。
入浴して体を温めることで湯気による鼻腔の保湿効果が期待できるのはもちろん、全身の血行が促進されることで免疫力が高まり、風邪をひきにくい体質に改善することができます。
あわせて不摂生な生活を避けて睡眠をたっぷりとり、栄養バランスのとれた食事をしっかりと摂ることも心がけ、風邪を寄せ付けない体づくりを心がけましょう。

3.正しい鼻のかみ方をマスターしましょう

ダラダラと流れる鼻水は対処に困るものですが、鼻水をすすって鼻腔内に溜め込んでおくと、鼻腔内で菌が繁殖して炎症を起こし、副鼻腔炎や蓄膿症に悪化してしまうことがあります。
鼻水が垂れてきたらすすらずに正しく鼻をかみ、鼻の中に溜まっている鼻水をスッキリ排出させましょう。
まずは、片側の鼻の穴をしっかりと押さえます。口から息を吸い、ゆっくりと鼻から息を少しずつ吐き出して刻むように鼻をかみます。鼻粘膜を刺激しないように優しくゆっくりかみ、強くかみすぎないようにしましょう。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

水っぽい鼻水を改善するためには、セルフケアや耳鼻科での治療に加えて、体質の改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。
特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、葛根湯(カッコントウ)です。風邪のひき始めに寒気やくしゃみをともなう鼻水が出る方の体を温め、発汗を促して体内の余分な水分を流し、症状を改善する効果があります。

自分の症状や体質にぴったりマッチした漢方薬を選ぶのは難しいと感じがちですが、「あんしん漢方」では、お悩みの症状を元にAIがあなたにぴったりな漢方薬をご案内しています。自宅にいながら気軽に始められますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

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こまめに鼻をかむことで鼻腔内の炎症を抑えましょう

今回は、水っぽい鼻水が出る症状の改善方法や漢方薬をご紹介してきました。
症状の改善のためには、日頃から疲労やストレスを溜め込まず、体を冷やさないようにして免疫力を高め、風邪をひきにくい体質に改善することが大切です。また、鼻腔内の炎症を悪化させないためにも、鼻水はすすらず、正しい方法でこまめにかむようにしましょう。

また、こうした鼻水にまつわる悩みには、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。

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