何故か最近動悸がする…そんな時に試して欲しい漢方薬4選
「激しい運動をしていないのに、急に胸がドキドキする…」
「夜寝ている時に急に胸がドキドキしだす…」
など、急に動悸がすることはありませんか?
いきなり動悸がするといつ止まるのか不安になったり、不整脈などの心臓の病気なのではないかと心配になりますよね。
実は、動悸の原因は様々で、生活習慣を見直すだけで改善したり、漢方薬ですぐ落ち着く方もいらっしゃいます。自分の動悸の原因を知るだけでも安心しますよね。
今回は簡単に実践できる、動悸に効果的な漢方薬の選択法についてご紹介しますので、是非参考にしてください!
目次
動悸の原因として考えられるもの
カフェインやアルコールの過剰摂取
お茶やコーヒーに含まれるカフェインやアルコールは自律神経を刺激し、血圧を変化させて脈拍を早める作用があります。
過量に摂取すると胸の苦しさを感じたり、動悸を引き起こすことがありますので、適度に摂取するように心がけましょう。
バセドウ病
若い女性の罹患割合が多い病気でバセドウ病(甲状腺機能亢進症)と呼ばれる病気があります。芸能人でもこの病気の方がいらっしゃるので、一度は聞いたことがあるのではないのでしょうか?
この病気は、甲状腺の機能が亢進することで発汗や動悸を起こす病気です。薬物療法や放射線(アイソトープ)治療、手術での治療が必要となるので、専門医の受診が必要です。
うつ病
うつ病といえば気分が沈む、眠れなくなるなどの症状を思い浮かべがちですが、症状は人によって実に様々です。
うつ病の人に現れる動悸、息苦しさ、口が渇くといった症状の原因が、次の項目で説明する自律神経の乱れによるものである可能性もあります。
自律神経失調症
自律神経は体の中を巡っている神経で、さまざまな臓器や器官の活動を促したり抑制したりすることによって、健康な体でいられるように体内環境を調節しています。
臓器や器官に問題がなくても、自律神経に問題があれば、脈拍や血圧に影響を与え、動悸などの不調が現れる可能性があります。
更年期障害
男性も無縁ではありませんが、特に生理、妊娠、出産など、ライフステージにより体が繊細に変化する女性に多く見られます。
ホルモンバランスが影響していると言われ、女性ホルモンが減少し始める40代以降に徐々に増える傾向があります。更年期障害になると、のぼせやめまい、動悸、イライラなど、さまざまな症状が現れるようになります。
女性ホルモンの分泌を調整している脳にある視床下部は、心臓や血管、呼吸の働きをコントロールしている自律神経も支配しているため、ホルモンバランスが崩れると自律神経も乱れて動悸や息切れを起こしてしまいます。
漢方独自の目線から動悸を診る
漢方では、体の不調を漢方独自の考えである「気」(き)・「血」(けつ)・「水」(すい)から不調を探っていきます。
動悸は、漢方では気の流れに異常が生じる「気逆」(きぎゃく)であると捉え、これらを改善する漢方薬が処方されます。また、血液が滞り血行不良の状態である「血瘀」(けつお)になると、頭痛や肩こり、めまい、動悸などの辛い症状が現れることがあります。そのため動悸の治療では「気」と「血」のめぐりを良くする漢方薬が繁用されます。
それでは動悸に使われる漢方薬を4つご紹介させていただきます!
動悸におすすめの漢方薬4選
炙甘草湯(しゃかんぞうとう)
【漢方独自の目線から】
「気」や「血」が不足することで生じる動悸に効果のある漢方薬です。
体力を消耗すると、「気」や「血」を消耗します。心に供給されるはずの「気」や「血」が少なくなると、心が正常に拍動せず動悸が起こります。
この漢方薬に含まれる炙甘草(しゃかんぞう)という生薬は、生の甘草を火であぶることにより心の「気」を補う働きを高めています。
また、地黄(じおう)は「血」を補う作用があるため、心の不調が改善され、動悸の解消にもつながります。
【どんな人に向いているか】
疲れやすく、時に手足のほてりなどがある方の動悸、息切れ、脈の乱れに効果があります。
苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
【漢方独自の目線から】
「水」の代謝が悪くなり、体の上の方に溜まって「気」のめぐりが悪くなることによって起こるめまいに用いられる漢方薬です。
この漢方薬は「気」を補ってその上昇を助けるとともに、溜まった「水」を取り除き、めまいを改善します。また心に働くことで動悸や息切れなども改善します。
【どんな人に向いているか】
めまい、ふらつきがあり、ときにのぼせや動悸がある方の神経症、めまい、動悸、息切れ、頭痛などに効果があります。自律神経失調症の動悸に使われることが多いです。
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
【漢方独自の目線から】
大人になるにつれて疲労や精神的なストレスが増えていきます。
疲労やストレスは「気」のめぐりを邪魔してしまいます。「気」がめぐらないと体に熱がこもり、こもった熱は頭に昇って脳を疲れさせてしまいます。
この漢方薬は「気」の巡りを良くし、ストレスに関係する肝にこもった熱を冷まして心を落ち着かせることで、脳の興奮からくる様々な不調(不眠、動悸など)を取り除きます。
【どんな人に向いているか】
精神不安があって、動悸、不眠などを伴う人の高血圧症状、神経症などに効果があります。
自律神経失調症や更年期障害の動悸に使われることが多いです。
桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
【漢方独自の目線から】
風邪の初期に使われる「桂枝湯」に、精神を安定させる竜骨(りゅうこつ)、牡蛎(ぼれい)を加えた方剤です。
過労や長期の病気などにより体力が消耗して気(陽)や血(陰)が作られなくなると、心の陰が不足して心に熱を持ち、動悸が現れるようになります。
「桂枝湯」に含まれる桂枝は気(陽)を補い、芍薬は血(陰)を補います。さらに竜骨、牡蛎は心の熱を冷ますことで、動悸を鎮めてくれます。
【どんな人に向いているか】
疲れやすく、ささいなことが気になる神経質傾向で興奮しやすい人の動悸、神経症、不眠などに効果があります。
まとめ
動悸の症状に使われる漢方薬をご紹介させていただきました。自分の症状や体質に当てはまる漢方薬はありましたか?
動悸の治療は西洋医学、東洋医学ともに原因を探ることが一番ですので、原因を知り、自身の生活スタイルを改善したり、ストレスの少ないリラックスした生活を送るなどの方法を取り入れて、上手に対処するように心がけましょう。
またその方法の一つとして、漢方薬を利用してみるのもよいでしょう。
あまり思い込まず、専門家に話を聞いてもらうだけでもだいぶ気持ちが楽になることもありますよ!