治らないしびれには漢方薬!今試してほしいおすすめ漢方薬3選
ある日急に出てきたビリビリと嫌なしびれ…
普通に生活したいのに、手足にしびれがあったら気になりますよね。中には悪化して出かけたくないと思う方も多いようです。
今回は、そんな治らないしびれに是非試していただきたい漢方薬をいくつかご紹介します!
目次
しびれとは
しびれは、神経症状のひとつです。しびれには、時間とともに消え、あまり心配のいらない一時的なものと、病気の前触れとして起こるものがあり、後者の場合は早めの受診が必要となります。しびれは、手足、首、肩、腰など体のあらゆる個所に生じます。症状としては、大まかに以下の3種類に大別されます。
感覚低下
痛みや冷たい感覚、触った感覚が鈍くなったり、まったく感じなくなったりすることです。
運動麻痺
自分の意思で手足が動かしにくかったり、手足に力が入らないことです。
異常感覚
感覚が鈍くなっていたり、感じなくなったりするのではなく、動いた時や皮膚を触った時に限らず、安静にしていても、手足にジリジリ、チクチクという感覚があらわれることです。
しびれの原因
血行の悪化
正座した時に起こるような一時的なしびれや、慢性的な肩凝りにより腕や背中にしびれをきたしているのであれば、血行不良の可能性が高いです。
神経の圧迫
長年の酷使や老化により、神経が細くなったり、骨や軟骨により神経が圧迫されることで起こることもあります。たとえば、よく聞く脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアなどは、神経の圧迫によるもので、下半身に痺れが続くケースがあります。
ほかの疾患に付随するもの
脳梗塞、動脈硬化、糖尿病など全く別の疾患が原因でしびれが起こるものもあります。このような場合は、まず元の疾患を治療することを第一優先とし、対処療法としてしびれの治療を行なっていきます。
薬以外の対処法
血行を改善する
血行不良が原因でしびれが続いている場合には、血行を良くすることで改善することがあります。患部を優しくさするようにマッサージしたり、手のひらや足の指を閉じたり開いたりするとよいといわれています。また、患部を温めることで血行が改善することも多いので、入浴中にマッサージを行うのも効果的です。
理学療法
牽引療法や電気刺激などによる治療で、神経周囲の筋肉の緊張を緩和することで症状を緩和することが期待できます。生活に支障が出るほどのしびれや痛みを伴うしびれの場合には、神経ブロックなどの注射や手術も視野に入れた治療法を検討しなければならない場合もあります。
東洋医学から見たしびれの捉え方、治療の仕方
東洋医学では、慢性の痛みやしびれは、老化に伴う筋骨の衰えや過労、不規則な生活などにより、「気」(き)や「血」(けつ)が不足して、流れが悪くなると発生すると考えます。若くて健康であれば、滞った「気」や「血」を流そうとする力が働くので、比較的早めにしびれや痛みが治まることが多いですが、年齢を重ねていたり、体力が低下しているとなかなか治りません。
東洋医学でしびれや痛みを治療するには、「気」や「血」を補い、流れを改善することを目的とします。
しびれに効果的な漢方薬3選
牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
【体力】中等度以下
【体質】疲れやすくて、四肢が冷えやすく尿量減少し、むくみがあり、ときに口渇があるもの
【効果】下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、かゆみ、排尿困難、頻尿、むくみ、高血圧に伴う随伴症状の改善(肩こり、頭重、耳鳴り)
身体を滋養して温め、水分代謝を良くする「八味地黄丸」(はちみじおうがん)という処方に、血行を良くする生薬や、余分な水分を排出する生薬を加えた処方です。とくに、尿量減少、腰痛、下肢のむくみの強いものなどに用いられるほか、下半身の痛みにおすすめです。
八味地黄丸(はちみじおうがん)
【体力】中等度以下
【体質】疲れやすくて、四肢が冷えやすく、尿量減少又は多尿で、ときに口渇があるもの
【効果】下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、かゆみ、排尿困難、残尿感、夜間尿、頻尿、むくみ、高血圧に伴う随伴症状の改善(肩こり、頭重、耳鳴り)、軽い尿漏れ
体を温め、体全体の機能低下をもとに戻していく処方です。「気」「血」」「水」(すい)を補い、「水」の流れを改善することで、下肢の痛みや腰痛、しびれを和らげる効果があります。
疎経活血湯(そけいかっけつとう)
【体力】中等度
【体質】痛みがあり、ときにしびれがあるもの
【効果】関節痛、神経痛、腰痛、筋肉痛
不足している「血」を補い、滞っている水分をとり除くことで、関節痛、痛み・しびれを改善します。また「気」のめぐりを良くする生薬や、「血」のめぐりを良くする生薬、「水」が停滞するために生じた熱を冷ます生薬を加え、慢性的な痛みもじっくりと治していきます。
まとめ
今回はしびれに効果的な漢方薬を紹介させていただきました。
しびれは血行不良から、重大な病気が原因になっているものまで、重症度もさまざまです。
しびれは不快な感覚ですが、痛みにくらべると日常生活に支障がないことも多いため、放置されることも少なくありません。しかし、中にはなんらかの病気が隠れていることもあるため、症状が長期間続いたり悪化する場合は、早めに専門の病院を受診しましょう。
また、思い当たる原因がなかったり、西洋医学的な治療を受けてもなかなか改善しない場合は、漢方薬による治療も選択肢の一つとして検討してみるのもよいでしょう。その際には、漢方薬に詳しい医師・薬剤師に相談した上で選ぶことをおすすめします。