なんで私だけ? つらい子宮筋腫の症状に不安は募るばかり…
生理の際の経血量が多すぎて貧血になった、生理時以外にも不正出血があることがある……それは、もしかしたら「子宮筋腫」の症状かも!?
子宮筋腫は、20代〜40代の月経期の女性がかかりやすい病気です。
あまりに生理痛がひどいので調べてみたら実は子宮筋腫だった、ということは多々あります。
そんな子宮筋腫のつらい症状の緩和や改善に、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか?
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、漢方にまつわるさまざまな疑問に漢方の専門家がお答えしていきます。
今回は「子宮筋腫」をテーマに、薬剤師の手塚智子先生にお話を伺ってみました。
目次
排卵日に限って性交痛…筋腫のせいで不妊治療にも挫折しそう
亜由美さん(35歳女性)、主婦の方からご質問をいただきました。
1年ほど前から不妊治療を始めたのですが、そのタイミングで子宮筋腫ができているのがわかり、不安でいっぱいになっています。
もともと生理のときの下腹痛や、昼でも夜用シートの最大量のものを使って2時間もたないほどの経血量の多さに悩んではいました。
でも、半年ほど前からはそれに加えて、生理時以外でもたびたび不正出血するようになってしまったんです。排卵日に夫といざ行為をしようとしても、挿入されると子宮の奥が痛くて……。
こんな状態ではもう子どもを授かることもできないのでは、と諦めかけてしまいそうです。
先日、姉から「子宮筋腫のひとつやふたつ、30過ぎればよくあることだから、あまりくよくよしちゃダメよ!」なんて言われたのですが、そんなものなのでしょうか?
ネットで調べたところ、あまりにも症状が酷い場合は子宮摘出手術などで症状はなくなる、と書いてあったのですが、やはりどうしても子どもを諦めたくなくて踏み切れずにいます。
どうしたら手術せずにこの症状を改善できるでしょうか?
ご質問ありがとうございます。
生理痛や貧血に加え、不妊治療中に度重なる不正出血や性交痛もあるとのこと、さぞご心配なことと思います。
それでは今回は、子宮筋腫の原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。
子宮筋腫の原因は女性ホルモンの変化と食生活
子宮筋腫とは、子宮の平滑筋に腫瘤(良性のこぶ)ができる病気。癌(悪性腫瘍)に変化することはほとんどありません。
子宮筋腫は、「粘膜下筋腫」(子宮の内側)、「漿膜化筋腫」(子宮の外側)、「筋層内筋腫」(子宮の筋肉)のように、筋腫ができた場所によって分類されます。
女性ホルモンであるエストロゲンによって筋腫が大きくなると考えられており、エストロゲンの分泌が盛んな20代〜40代の世代に多くみられ、閉経後は自然に小さくなる傾向があります。
東洋医学では、子宮筋腫は「しょうか(しこり)」と呼ばれ、これらはいずれも女性ホルモンのアンバランスや、血瘀(けつお)という血流の滞りが原因の一つになっていると考えられています。
次の章では、つらい子宮筋腫の症状に対する具体的な解決方法をお伝えしていきましょう。
子宮筋腫の症状を改善するセルフケア3選
1.体を冷やさないことを習慣づけましょう
女性にとって「冷えは最大の敵」と言われます。血の巡りが悪くなると「気・血・水(生命エネルギー・血液・水分)」のバランスが乱れ、悪化すると子宮筋腫に限らず婦人科系の病気を引き起こします。
夏でもシャワーで済ませず、ぬるめのお湯にゆっくり浸かって入浴したり、冷たい飲み物ではなくホットドリンクや室温のドリンクを選ぶなどして、普段から体を外側からも内側からも温めるように心がけましょう。
保温機能性のあるインナーなども上手に活用し、特に下半身を冷やさないようにすることが大事です。
2.子宮に効くツボを押してみましょう
三陰交(さんいんこう)
内側のくるぶしの骨際から指4本分上の位置にあるツボで、血の滞りを解消し、子宮筋腫の原因となる老廃物が溜まるのを防ぎます。
ホルモンバランスの乱れや冷え、過労などにより血行不良になるタイプの方にオススメのツボです。
内関(ないかん)
手首のシワの中央から肘に向かって指3本分の位置にあり、血液の流れをスムーズに流す役割を持つ「気」の滞りを防いでくれるツボです。気の流れが良くなると、子宮内の血の巡りも良くなります。
ストレスや精神的緊張などで気(エネルギー)の巡りが滞り、血行不良になっている方にオススメのツボです。
3.不安になりすぎないようにしましょう
子宮筋腫は、あくまでも良性の腫瘍ですので、それ自体が命を奪うほど危険なものではありません。
長期的な目で見て治療・改善していくことが可能な病気ですので、あまり気に病まないことが大切です。
強い不安はストレスとなり、血管を収縮させて痛みを強くしてしまうこともあるので、日頃から趣味の時間を楽しむ時間を持ったり、アロマテラピーなども取り入れて、リラックスして過ごすようにしましょう。
根本的な体質改善には漢方薬が効果的!
子宮筋腫の根本的な改善には、ホルモン療法や子宮の手術に加えて、漢方薬の服用がオススメです。
特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は温清飲(ウンセイイン)でが良いでしょう。
「四物湯」(シモツトウ)と「黄連解毒湯」(オウレンゲドクトウ)を合わせた漢方薬で、体を温めて血と気の巡りをよくする効果と、炎症を鎮めて止血する効果を併せ持つため、月経過多や不正出血、イライラなどのある方にも効果的です。
また、虚弱体質で体力がなく、もともと貧血傾向で生理痛の強い方は当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)もオススメです。
自分の症状や体質にぴったりマッチした漢方薬を選ぶのは難しいと感じがちですが、「オンラインAI漢方」では、お悩みの症状を元にAIがあなたにぴったりな漢方薬をご案内しています。
自宅にいながら気軽に始められますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
あんしん漢方のサービス紹介はこちらをご確認ください。
病気とうまく付き合いながら改善していきましょう
今回は、子宮筋腫の方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
日頃から体をあたためるようにしたり、ツボ押しなども試しながら、不安になりすぎず前向きな気持ちを保つようにすることが大事です。
大きな筋腫の場合、ひどい貧血になったり、不妊の原因になることがあります。もし不正出血が続いたり、生理痛がひどい場合は、ためらわず婦人科を受診されてくださいね。