ぽっこりお腹に便秘…生理前のおブス期間が耐えられません!

体験談

なんだかお腹にガスが溜まっている感じがして苦しい、生理前には便秘がちになって下腹部がぽっこり膨らんでしまう…。
それは、もしかしたら月経前緊張症(PMS)によるお腹の張りかも!?  
実は、多くの女性が月経前に起こる様々な症状に悩んでいます。

自分ではどうにもならない生理時の不調やつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか? 
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師がお答えしていきます。

今回は「生理前のお腹の張り」をテーマに、内科医・産業医の木村眞樹子先生にお話を伺ってみました。 

生理の前はお腹がパンパン! いつもの服も入らず困ってます…

綾子さん(33歳女性)、会社員の方からご質問をいただきました。

私、生理の前の数日間は、お腹がパンパンに張ってしまうんです。
普段ちょうどいいサイズのデニムなのに、この期間はウエストも留まらないほどキツくなってしまいますし、鏡で見ても明らかにポコっと下腹が出ているんです。
生理前だからといって特に食欲が増すということもありませんし、食べ過ぎているわけでもないのに、本当に不思議です。
しかも、お腹だけじゃなく、顔や手足もむくんで腫れぼったくなるわ、冷え性が悪化したり便秘で出るものも出なるくなるわなので、ものすごく”おブスな状態”になっちゃうんですよね……。
こうなるともう気持ちまでなんだか投げやりになってしまって、おしゃれする気もメイクする気もなくなってしまいます。
どうにかしてこの生理前にぽっこりお腹になる体質を改善したいいのですが、どうしたらいいでしょうか?

ご質問ありがとうございます。
お腹がスッキリしない状態だと、それだけで体も気持ちも重たく感じてしまいますよね。
では今回は、生理前に起こるお腹の張りや痛みの原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。

腸のむくみと子宮の膨張がお腹の張りの原因!

月経前になるとお腹が張るのは、月経前に多く分泌される黄体ホルモン、プロゲステロンの影響によるものです。
このホルモンにより腸の働きが低下すると、ガスがお腹に溜まったり、腸がむくんだりすることがあると言われています。

また、排卵期から月経前にかけては妊娠の準備期間でもあり、子宮がいつも以上に養分を蓄えて膨張します。これにより、大きくなった子宮に腸が圧迫されてお腹の張りや便秘が起こるのです。
東洋医学では、「お血」といって「血」(血液)の流れが滞ったり詰まることによってお腹の張りや痛みが生じたりすると考えられています。
また、冷えにより「寒邪(かんじゃ)」が腹部に入ることでも、胃腸の状態が悪くなります。

次の章ではこうした月経前に起きやすい、お腹の張りに対する具体的な解決方法をお伝えしていきましょう。

腸内環境を整えて張りを抑えるセルフケア3選

1.温かい白湯で体を温めよう

腸が冷えると、腸の機能が低下し、むくみを招きます。
朝起きたら温かい白湯を1杯、ゆっくりと時間をかけて飲むようにしましょう。
白湯は体に吸収されやすく、むくみの解消や体を温める効果も高いので、毎朝飲むように習慣づけると良いでしょう。 

2.食生活で善玉菌を増やそう

腸内環境を整え、腸の働きを高めるには、善玉菌を増やすのが一番です。
下記を参考に、善玉菌を増やす食材を毎日の食事に取り入れてみてください。
和食を中心に、バランスよくよく噛んで規則正しい食生活を心がけることが大事です。

◉発酵食品
味噌・しょうゆ・お酢・納豆・チーズ・ぬか漬け・キムチなど

◉オリゴ糖を多く含む食材
大豆・ゴボウ・アスパラガス・タマネギ・トウモロコシ・ニンニク・バナナなど

◉食物繊維
穀類・切り干し大根・タケノコ・サツマイモ・わかめ・ひじき・寒天など

3.自律神経を整えよう

腸内環境の悪化には、疲れや睡眠不足、ストレスなどによる自律神経の乱れが大きく関わっています。
寝る前のスマートフォンの見過ぎによる眼精疲労や働きすぎ、対人ストレスによっても自律神経は大きく乱れますが、中でも、睡眠不足は腸の動きの乱れに直結します。

ゆったりと入浴して体を温めたり、寝る前のリラックスタイムを楽しい気持ちで過ごしたりすることで質の良い睡眠を意識するようにしましょう。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

月経前のお腹の張りの改善には、市販薬や処方薬に加えて、根本的な改善を目的とした漢方薬の服用もオススメです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)です。
冷え性で体力のない方の体を温めて胃腸の調子を整え、お腹の張りや腹痛をやわらげてくれる効果があります。
また、肥満気味でのぼせや便秘の症状が強い方は、血液の流れを良くして「お血」を改善してくれる桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)もオススメです。

日頃から腸内環境を整えておきましょう

今回は、月経前のお腹の張りに悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。

症状の緩和のためには、日頃から腸内環境を整える食生活や自律神経を整える生活習慣を心がけることが大切です。

また、こうした月経前の様々なつらい症状に、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。
セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。

木村眞樹子

東京女子医科大学医学部を卒業後、循環器内科、内科、睡眠科として臨床に従事している。 妊娠、出産を経て、また産業医としても働くなかで予防医学への関心が高まった。医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる様々な人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、webメディアで発信も行っている。

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