更年期のイライラで性格が変わり夫婦関係が悪化。ついに主人から三行半が…!

体験談

ちょっとしたことですぐ怒りの感情が湧く、つい感情的な態度をとってしまったあとで後悔するなど、感情のコントロールが難しいと感じることはありませんか?
それは、もしかしたらプレ更年期(30〜40代)や更年期(40〜50代)に起こりがちな「イライラ」の症状かも!?

そんな自分ではどうにもならない更年期症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか? 
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。

今回は「更年期のイライラ」をテーマに、薬剤師の手塚智子先生にお話を伺ってみました。

生理前の“怒りの衝動”と“つらい便秘”の二重苦で人生が崩壊しそうです

美香さん(49歳女性)、専業主婦の方からご質問をいただきました。

ここ数年、早く生理がきたと思えば遅れてきたり、その逆もあったりと、生理周期が乱れに乱れているんです。経血量も夜用シートでは間に合わず、常に大量の生理用品を携帯しているほど。のぼせや動悸の症状も度々です。更年期にはよくあることと聞いていたものの、すごくつらくて。そんなストレスの積み重ねの結果なのか、私、すっかり性格が変わってしまったんです……。
生理前になると、些細なことで怒りの衝動にかられてしまい、家族に当たり散らした挙句、そんな自分が嫌で泣いてしまうこともあり、自分でも全く制御できません。
夫からは、先日ついに「まるで般若のような形相で喚かれるとつらいし、耐えられない。以前のような穏やかな暮らしができないなら別れたい」とまで言われてしまいました。これ以上、夫に迷惑はかけられませんし、家族を失いたくありません。
どうにかして、以前までの安定した穏やかな精神状態に戻る方法はないでしょうか?

ご質問ありがとうございます。
更年期のイライラは、コントロールが難しく、夫婦関係にも悪影響を与えてしまうことも多く、大きな悩みになりがちですよね。
それでは今回は、更年期のイライラの原因や改善方法についてお伝えしていきましょう。

イライラはストレスとホルモンバランスの乱れが原因!

女性ホルモンのひとつであるエストロゲンが急激に減少する更年期は、ホルモンバランスの乱れやストレスにより自律神経が不安定となり、イライラの症状を引き起こすと考えられています。

東洋医学では、更年期になると腎で蓄えている精(生命エネルギー)が不足し、「腎虚(じんきょ)」という状態になると考えられています。
腎虚は、気の流れが滞ってしまう「気滞(きたい)」を引き起こしますが、この気の巡りの悪さがイライラの原因。気滞をそのままにしておくと、冷え・のぼせ、突然の発汗、動悸などの症状も招くことがあるのです。

次の章では、こうした更年期特有のつらい症状に対する具体的な解決方法をお伝えしていきましょう。

更年期のイライラを解消する5つのヒント!

1.気の巡りを良くする食品を摂りましょう

毎回の食事が、東洋医学的に考える生命エネルギーである「気」の元。無理なダイエットはせず、1日タンパク質50g、野菜350gをバランスよくとるように心がけましょう。
特に、納豆や豆腐などの大豆食品に多く含まれるイソフラボンは、女性ホルモンと似た成分なので積極的に摂ると良いですよ。
また、ビタミンCとB群を含む緑黄色野菜には代謝を助け、気持ちを落ちつかせてくれる効果が期待できます。
生姜、ねぎ、にんにく、セロリ、春菊などの香味野菜には、気の巡りをよくしてイライラを解消する働きがあります。上手にお料理に加えてみてはいかがでしょうか。

2.良質な睡眠でしっかり疲労回復を

イライラを解消するには、ストレスをためないことが大切。
7時間以上の睡眠を十分にとり、身体的にも精神的にも疲労を回復させることが大切です。

・お風呂は寝る2時間前までに済ませましょう。
・午後以降、特に夜はカフェインを含む飲み物は避けましょう。

3.お気に入りのリラックス法を見つけましょう

ストレスをためないために、自分なりのリラックスできる方法を見つけてみましょう。
朝日を浴びたり、アロマやハーブなど香りを取り入れた癒しなどもオススメ。
お気に入りのリラックス方法を見つけてみてくださいね。

・アロマテラピー
更年期障害に対して、エストロゲン様作用を持つエッセンシャルオイル(クラリセージ、サイプレス、ゼラニウムなど)を用いると効果的だと言われています。
入浴時やマッサージするときに使用するのもオススメです。

・ハーブティー
ミントティーの香りは気持ちをリフレッシュさせてくれますし、ハッカは気の巡りをよくする効果も期待できます。
他にも、ジャスミンティーやカモミールティーも気の巡りをよくするので、更年期のイライラ対策にぴったりです。

4.日常的に適度な運動を取り入れる

ストレスの発散や、血行改善のために運動は大切です。ウォーキング、ジョギング、サイクリングなどの有酸素運動がオススメです。
特に運動の習慣がない人は、ヨガやダンスなどの楽しく続けられる運動を選ぶといいですね。

5.大豆イソフラボン(エクオール)をとる

豆腐や豆乳などの大豆製品に含まれるイソフラボンが、更年期のイライラの症状を和らげると言われています。
これは、腸内細菌が大豆のイソフラボンから、女性ホルモンのエストロゲンとよく似たエクオールをつくりだしているため。
体内でエクオールをつくり出せない人が多いため、サプリメントでの補充もオススメです。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

イライラの症状の改善には、抗不安薬の服用や即効性のあるホルモン補充療法に加えて、根本的な改善を目的とした漢方薬の服用もオススメです。

特に、今回の相談者様のような方にオススメしたい漢方薬は桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)です。
滞った血の巡りを良くし、体にこもった熱を取り除くことで、便秘症状の改善も期待できます。
また、気や血の滞りを改善し、肩こりや頭痛などさまざまな更年期症状がある方には加味逍遙散(カミショウヨウサン)も効果的です。

自分の症状や体質にぴったりマッチした漢方薬を選ぶのは難しいと感じがちですが、「オンラインAI漢方」では、お悩みの症状を元にAIがあなたにぴったりな漢方薬をご案内しています。
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イライラを解消し、更年期ならぬ「幸」年期にしましょう

今回は、更年期のイライラ症状改善のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
つらい症状を和らげるためにも、食事や睡眠、運動、リラックスする工夫などをうまく取り入れてみてください。
症状がなかなか改善しない場合は、他の病気が隠れている可能性があります。
症状に応じて専門の医療機関を受診しましょう。

手塚智子

大学院修了後、研究職に従事し漢方を学ぶ。その後、薬剤師として臨床で働く傍ら様々な接客業を兼業し、渡米。帰国後、体の内外にアプローチ出来ることを目指して薬剤師兼ビューティーディレクターとして就業中。

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