生理前の腹痛で月の半分が憂うつ…生理なんてなければいいのに!

体験談

まだ生理になる前なのに下腹部のあたりに鈍痛を感じる、お腹が張って胃のあたりまで差し込むように痛い……。
それは、もしかしたら月経前症候群(PMS)による腹痛かも!?

実は、多くの女性が月経前に起こるさまざまな症状に悩んでいます。
そんな自分ではどうにもならない生理前の不調やつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか? 
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとにお悩みに関する原因や対処法を医師がお答えしていきます。

今回は「生理前の腹痛」をテーマに神戸海星病院麻酔科の桐田泰江先生にお話を伺ってみました。 

生理後2週間しか元気な日がなく、人生損している気分です!

亜由美さん(36歳女性)、パート勤務の方からご質問をいただきました。

生理のときはもちろんなのですが、このところ生理の前1〜2週間の体調がすごく悪くて困っています。
まず、排卵日近くになると下腹部が痛み、その痛みがやっと消えた頃には胸やお腹が張って、痛いような重苦しいような鈍痛が数日続きます。
それが終われば生理本番なので、また数日は生理痛に悩まされる、といった状態で、体も心も休まる暇がありません。
特に排卵日近くに起こる痛みは症状がきつく、下腹部が一日中ズキズキと疼いて、あまりの痛さにその場にうずくまってしまうほど……。
さらに、生鮮食品を扱うスーパーでパートしていることもあり、季節関係なくひんやりとした中で立ち仕事をしているせいか、冷えのぼせや肩こりなども悪化している気がします。
結局、一ヶ月を通して体調の悪い日があまりに多すぎて、カレンダーを見てはうつうつとしてしまう日々。どうしたらこの無駄に長い体調不良を改善することができるでしょうか?

ご質問ありがとうございます。
排卵痛に加えて生理前の腹痛もひどいとのこと、お仕事をされているなかで痛みの症状が連続してしまうのはつらいですよね。
今回は、生理前に起こる腹痛の原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。

月経前の腹痛は排卵とホルモンの乱れが原因!

月経中だけでなく、「排卵時」や「月経前」にも腹痛が起こることがあります。
排卵時の腹痛の原因は、卵子が卵巣の壁を破って外に排出される際に、破れた卵巣から卵胞液と血液が流れ出し、腹膜を刺激することによるものです。
また月経前になると、ホルモンバランスが変化して、子宮を収縮させるプロスタグランジンの分泌量が急激に増えることにより、月経痛のような痛みが起こりやすくなります。

東洋医学では、血の巡りの悪化による「気(生命エネルギー)」の乱れ、「水(水分)」の乱れがお互いに影響しあうことによって、痛みや不快症状など、さまざまな問題が起こると考えます。

次の章では、こうした月経前の腹痛の症状に対する具体的な解決方法をお伝えしていきましょう。

月経前の腹痛に効く!「骨盤ゆるめストレッチ」2選

月経1週間ほど前から、女性の体は、頭蓋骨、首、肩甲骨、骨盤と上から順に体が徐々にゆるんで行く仕組みになっています。
最後に骨盤が広がり経血が排出されますが、この流れの中で、骨盤がうまくゆるまないと月経前から腹痛が起きたり、月経の遅れや月経痛を招くことがあります。
この期間は、意識して骨盤をゆるめるストレッチを取り入れましょう。
骨盤が広がる働きをサポートすることで痛みが軽減するはずです。

●股関節ストレッチ

1.床に体操座りをし、大きくひざを大きく開いて直角に立て、手を体の後ろ側につきます。
2.大きく息を吐きながら右ひざの重みを利用しながらひざを内側に倒しましょう。このとき、お尻の右側は床につけたまま行うのがポイントです。
3.同様に、息を吐きながら左ひざを内側に倒します。ゆっくりした動作で左右5回ずつ繰り返します。

股関節を柔らかくし、骨盤をゆるめ、血の巡りをよくするのにも効果的なストレッチです。

●あぐらストレッチ

1.上半身を真っすぐにしてあぐらをかき、かかとを股間近くに引き寄せます。
2.体の後ろに手をつき、胸を開き上体を引き上げるように息を吸い、背筋を伸ばします。
3.次に、股関節から体を折るようにして、深く息を吸いながら上体を前に傾けましょう。

腹痛対策はもちろん、姿勢の悪さによる腰痛やバストアップにも効果的なストレッチです。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

月経時の腹痛を改善するために、市販薬や処方薬に頼るという選択肢に加えて、根本的な改善を目的とした漢方薬の服用もオススメです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)です。
血の滞りを解消して「血瘀(けつお)」の状態を改善し、のぼせや肩こり、月経時の腹痛を鎮めてくれる効果があります。
また、体力がなく冷え性で、お腹を下しやすい人は、体を温めて腹痛やお腹の張りを和らげてくれる大建中湯(ダイケンチュウトウ)もオススメです。

自分の症状や体質にぴったりマッチした漢方薬を選ぶのは難しいと感じがちですが、「オンラインAI漢方」では、お悩みの症状を元にAIがあなたにぴったりな漢方薬をご案内しています。
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痛みの原因や体の仕組みを知り、正しくケアしましょう

今回は、月経前の腹痛に悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
正しいケアをするためにも、まずは自分の腹痛が排卵による痛みなのか、月経開始にともなう痛みなのかをきちんと把握することが大事です。
また、基礎体温をつけ、自分の体のことを知ることも良いでしょう。

今回ご紹介したような骨盤ケアのストレッチや、症状や体質に合わせた漢方薬なども、ぜひ取り入れてみてくださいね。

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