貧血がつらい…妊娠&出産で血も体力も尽き果てました…

体験談

なんだかいつも顔色が悪い、階段を上ったり走ったりするとすぐ息があがってしまう……。
それは、もしかしたら鉄不足による貧血の症状かも!?

自分ではどうにもならない体の不調やつらい症状の緩和、体質改善には漢方薬がよく効くことをご存知でしたか? 
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。

今回は「鉄欠乏性貧血」をテーマに薬剤師の二瀬偉志先生にお話を伺ってみました。

子どもと遊べる元気なママでいるために、ひどい貧血を治したい!

亜由美さん(36歳女性)、主婦の方からご質問をいただきました。

一昨年に初めての子どもを出産してから、ひどい貧血に悩まされて困っています。
30代半ばになってからの出産ということもあり、妊娠中の体力の消耗もひどくて、妊婦検診ではいつも『貧血気味だから気をつけてね』と先生に言われていました。
妊娠期間を通してつわりもひどく、そんなにたくさん食べれませんでしたし、何より出産時に結構な量の出血をしてしまい、意識が朦朧とするほどだったんです。
あれでもう、全部の私の中の血を使い果たしてしまったような感覚がありましたね。
実際生理が再開するのもすごく時間がかかりましたし、今だに疲労感と倦怠感が抜けきれません。
以前は体力にも自信があり、まめに動き回るのが好きなほうだったのですが、今はもう
育児をするだけで手いっぱい、といった感じです。
でも、子どもが走り回れるくらいに成長したら一緒に公園で遊んであげたくて……。
どうにかこの貧血を改善する方法はないでしょうか?

ご質問ありがとうございます。
妊娠や出産をきっかけに貧血症状が重くなる方は多くみられます。お子さんと元気に遊ぶためにも、早めに改善しておきたいですね。
今回は、鉄欠乏性貧血の原因や改善方法について詳しくお伝えしていきましょう。

「鉄の不足」と「血虚」が鉄欠乏性貧血の原因

鉄欠乏性貧血は、血液中の赤血球の成分であるヘモグロビンを作るために必要な「鉄分」が不足することによって起こるものです。
原因としては、栄養の偏りや不足、鉄を吸収するためのビタミンCの不足などにより血液中の鉄が不足したり、体に貯蔵してあるはずの鉄が失われたりすることが挙げられます。
また、月経での出血が多すぎる場合や、妊娠・出産や授乳期において、鉄分の必要量に摂取量が追いつかないことも原因となります。

東洋医学では、貧血は「血」が不足した「血虚」の状態とされ、血を補うことで改善をはかります。
また、「血」だけではなく「気」の不足である「気虚」を伴うこともあると考えられています。

次の章では、こうした鉄欠乏性貧血に対する具体的な解決方法をお伝えしていきましょう。

鉄欠乏性貧血を改善する3つのケア&対処法

1.鉄分+鉄を吸収しやすい食生活にする

女性の場合、1日に15g〜20gの鉄分の摂取が必要とされています。貧血気味の方は、まずは足りない鉄分を補うような食生活に改善することを心がけましょう。
赤血球をつくるヘモグロビンは、鉄とたんぱく質でできているため、鉄分だけを摂取するのではなく、あわせて肉や魚、卵や豆腐などの良質のたんぱく質をとることが重要です。
また、鉄の吸収を促進させる作用を持つビタミンCも積極的に摂取してみてくださいね。

鉄分の多い食材
赤身牛肉・レバー・大豆・牛モモ肉・まぐろ・いわし・切り干し大根・ひじき・あさり・もずく・牡蠣・小松菜・ホウレン草など

2.適度な運動を心がけましょう

運動することで内臓の機能が回復して、鉄分の吸収力がアップし、赤血球の生産が活発になることが期待できます。
貧血症状のあるときに激しい運動をすると心臓に負担がかかり体調が悪化することもあるため、少し汗ばむくらいの適度な運動やストレッチなどから始めるとよいでしょう。

3.「鉄」の摂れるサプリを活用しましょう

鉄欠乏性貧血の症状が進んでいたり、フェリチン(貯蔵鉄)も減ってしまっている場合は、日々の食事だけでは必要量を補えません。
市販のサプリや、病院で処方される鉄剤の経口投与によって短期間で血中のフェリチン値を改善することができますので、かかりつけの医師に相談することをおすすめします。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

鉄欠乏性貧血を改善するために、鉄剤の服用などに頼るという選択肢に加えて、根本的な改善を目的とした漢方薬の服用もオススメです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)です。
月経や妊娠・出産、更年期などのホルモン変動による「血の道症」を改善し、倦怠感や冷え、腹部の痛みを和らげる効果があります。
また、体力がなく、動悸や息切れなどの症状がつらい方には、「血」や「気」を補い、疲労を回復させてくれる人参湯(ニンジントウ)もオススメです。

自分の症状や体質にぴったりマッチした漢方薬を選ぶのは難しいと感じがちですが、「オンラインAI漢方」では、お悩みの症状を元にAIがあなたにぴったりな漢方薬をご案内しています。
自宅にいながら気軽に始められますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

あんしん漢方のサービス紹介はこちらをご確認ください。

日頃から「鉄分」の摂取を意識してみましょう

今回は、鉄欠乏性貧血に悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
まずは日々の生活の中で「鉄分」をうまく摂取できるように食生活を改善し、ヘモグロビン値を上げていく努力をしてみましょう。
また、鉄欠乏性貧血には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。

「貧血」は重大な病気のサインの可能性も

貧血症状だと思っていた方の中には、自律神経失調による一過性の脳虚血だった方が多くいらっしゃいます。
また、潰瘍や癌から出血している場合や、脳梗塞等別の重篤な疾患の可能性もあります。
少しでも治療が遅れると取り返しのつかないことになりますので、定期的な検査や受診も忘れずに行いましょう。

二瀬偉志

薬剤師、鍼灸あん摩マッサージ指圧師、化粧品検定1級、居宅介護支援専門員(ケアマネ)。 薬剤師の仕事に従事する傍ら、0才の息子の子育てに奮闘中。

プロフィール

関連記事