ガサガサのかかとでストッキングが伝線! 靴下も毛玉だらけに…

体験談

かかとがガサガサに乾燥して固くなってしまった、ひび割れたかかとを放置していたら裂けてしまった……。
30代〜50代のミドルエイジ女性の中には、こうした「かかとの乾燥」に悩んでいる方も少なくありません。

こうした自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか? 
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。

今回は「かかとの乾燥」をテーマに、薬剤師の二瀬偉志先生にお話を伺ってみました。 

ひび割れた醜いかかと…サンダルの季節までに改善するにはどうすれば?

亜由美さん(45歳女性)、主婦の方からご質問をいただきました。

少しずつ暖かくなり、顔の乾燥はだいぶ冬場よりも落ち着いてきたのですが、唯一、足のかかとだけはいまだに乾燥がひどくガサガサ! 皮むけして大変なことになっているんです。
先日も、おろしたてのストッキングを履こうとして足を入れ、かかとを滑らせた瞬間にザーッとストッキングに亀裂が入って伝線してしまったんです。それに、薄手の靴下も履き古したわけではないのに、かかとだけが毛玉っぽくなってしまって……。
朝身支度をするたびに「このガサガサのかかとをなんとか綺麗にしなくちゃ」と思うのですが、夜、お風呂上がりにはあまり乾燥を感じないせいか、保湿するのも忘れてしまいがち。寝る頃になってからまた乾燥が気になり始めることもあるのですが、面倒でそのまま寝てしまうことの繰り返しです。
もう少し暖かくなったらサンダルやミュールも履きたいけれど、こんなひび割れたガサガサのかかとをさらしては歩けません。早くなんとかしなければと思っているのですが、一体どうすれば良いのでしょうか?

ご質問ありがとうございます。
かかとは体の中でも特に乾燥しがちな場所です。乾燥によって皮膚が硬くなると、体重の重みでひび割れたりすることもあるため、放置するほどにケアが難しくなってしまうんです。
今回は、かかとの乾燥の原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。

かかとの乾燥は血流の悪化と「腎」の乱れが原因

かかとは、皮脂腺がないため乾燥しやすいうえに、体重がかかることによる刺激を受けやすいので、ひび割れもしやすい部分です。さらに心臓から遠い箇所にあるので血行不良になりやすくターンオーバーが乱れがちに。

東洋医学では、かかとの乾燥は、「血(血液)」の不足による「血虚(けっきょ)」や、生殖器や性機能に関わるホルモンバランスを整える役割のある「腎(じん)」の滞りや栄養不足によって起こると考えられています。
次の章では、こうしたかかとの乾燥の改善に対する具体的な方法をお伝えしていきましょう。

かかとの乾燥に効く!3ステップセルフケア

1.入浴&足浴で温めて血流アップ

かかとのガサつきを解消するためには、こまめなケアが大切です。
日頃からかかとの血流を圧迫するようなサイズが合わない靴を履くのをやめ、温めるように意識しましょう。
毎晩40℃程度のお湯にゆっくり浸かって全身の血の巡りを良くするのはもちろん、入浴できない時も足だけお湯につけるなどして血行改善を心がけましょう。
入浴&足浴中にかかとや足をマッサージするのも効果的です。 

2.古い角質を取り除いてケアをしよう

古くなって剥がれ落ちた角質は、リムーバーや軽石、かかと用のヤスリなどで丁寧にこすって取り除きましょう。
特に、ヤスリを使用する際はこすり過ぎに注意。皮むけした部分を優しく落とす程度で十分です。
毎日刺激をすることで余計に皮膚が分厚く固くなってしまうこともあるため、角質ケアは2週間に1回にすると良いでしょう。

3.しっかり保湿するのを忘れずに

毎日の入浴&足浴後は、かかとの保湿を忘れないようにしましょう。
軽いかさつきには、サラリとした乳液やクリームで早めのケアを。厚くなった角質には尿素配合のクリームを使うと少しずつ柔らかくなります。
特に、角質ケアをした後はさらに皮膚が乾燥しやすくなりますので、入念に保湿するように心がけてください。
さらにケアの後にコットンやシルクの靴下を履いて潤いを保つと、硬くなったかかとをさらに柔らかくすることができるのでオススメです。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

かかとの乾燥を改善するために、保湿剤の塗布という選択肢に加えて、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、当帰飲子(トウキインシ)です。
冷え症かつ貧血気味で皮膚が乾燥しやすい方の「血」を補い、「血虚」を改善して乾燥やかゆみを改善する効果があります。
また、乾燥に加えて赤みや熱感があり、かゆみの強い方には、血の巡りを良くしてのぼせやほてりを取り、ホルモンバランスを整える効果のある温清飲(ウンセイイン)も良いでしょう。

自分の症状や体質にぴったりマッチした漢方薬を選ぶのは難しいと感じがちですが、「オンラインAI漢方」では、お悩みの症状を元にAIがあなたにぴったりな漢方薬をご案内しています。
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血流アップと保湿ケアでガサガサのかかとにサヨナラを!

今回は、かかとの乾燥に悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
血の巡りが悪くなりがちなかかとは、入浴や足浴などで温め、血の巡りを改善することが大切です。
角質ケアと毎日の保湿を習慣づけて、潤いのあるスベスベなかかとを取り戻しましょう。

また、こうした乾燥による様々な症状の改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。
セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。

二瀬偉志

薬剤師、鍼灸あん摩マッサージ指圧師、化粧品検定1級、居宅介護支援専門員(ケアマネ)。 薬剤師の仕事に従事する傍ら、0才の息子の子育てに奮闘中。

プロフィール

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