セロリの食材としての効果、効能について
▼鎮静、浄血、美肌
風呂上がりのビール1杯。夏なら上半身は裸のままでまた1杯。そんなときセロリにちょっと塩を振って出してくれると、女房の株はぐんと上がります。香りが強いから最初は抵抗を感じる人もいますが、慣れるとその香りが病みつきになるらしいです。とくにビールの肴に合い、わたしのような暑がりには清涼感もひとしおです。
セロリとは
セロリはセリ科の一年生または多年生草本で、地中海沿岸や中近東には野生種が分布しています。古代ローマの時代には整腸剤や強精剤としても人気があったようです。日本で栽培が始まったのは明治に入ってからです。しかし、あの匂いのせいか敬遠されがちで、定着したのは昭和も戦後のことです。食事の洋風化につれてサラダ、スープ煮、炒め物、肉の香りづけなどに広く利用されるようになりました。
セロリの効果、効能
セロリ特有の強い香りは精油成分のアビインやセネリンによるものです。これらの成分にはストレスによる不安や不眠、頭痛、耳鳴りなどを緩和する働きがあります。カリウムの含有量も多いので、血圧降下やイライラの解消にも効果を示すはずです。緑黄色野菜ほど多くはないですが、全身の代謝をよくするカロテン、ストレスへの抵抗力をつけるビタミンC、B1、Eなどもバランスよく含まれています。
またセロリの苦味成分には健胃作用があって、肉食をしたときの胃もたれ、むかつき、胃痛などにも効くでしょう。赤血球の栄養となるマグネシウムや鉄も含むので、貧血の改善、美肌づくり、生理不順、更年期障害にも効果があるはずです。肝臓の働きを強化するメチオニンやコレステロールを低下させるのに有効な食物繊維の含有も見逃せません。
そして注目すべきは血液をサラサラにするピラジンを含むことです。セリ科の植物にはセロリだけでなくパセリなどにもこの成分があり、血栓を溶解するのに役立ちます。心筋梗塞や脳梗塞などの血栓症が懸念される人は、セリ科の植物を積極的に食べるようにしたいものです。酒の肴にはニンジン、キュウリ、セロリをスティックにして供するとよいです。
セロリの摂取方法
またセロリは茎より葉に栄養があるので捨てずに利用しましょう。茎はスープ、煮込み、炒め物に、葉は佃煮、天麩羅にするとおいしいです。セロリの匂いが苦手な人は牛乳を加えたスープがおすすめです。葉は肉や魚の臭み消しに効果があり、刻んで浴剤に使うと湯冷めを防ぐから冷え症の人などは試してみるとよいです。
セロリの旬は春。「烈風の灘の日返すセロリ畑」とあるように、鮮やかな緑が印象的です。香りが強くて葉が青々としたもの、茎が太くて根元が割れていないものを選びたいです。葉は茎と切り離して保存袋に入れて冷蔵庫へ。茎は水を入れたコップに根元をさしておくと長持ちするでしょう。