ニラの食材としての効果や効能について

ナ行の食材

ニラ▼抗菌、消炎、便秘

あの特有な臭いが苦手なのか、子どもにはニラを食べられない例が多いです。わたしもそうでした。栄養があるのにと、よく親から小言を食ったものです。裏の畠に青々としたニラが植えてあり、お袋が摘んできてはすぐ茹でたり、卵をからめて汁にしていました。いまはニラレバだって平気だから、人の嗜好は変わるものらしいです。

ニラとは

ニラは古くから野菜として栽培されてきたユリ科の多年草です。中国が原産といわれ、1株から10回も収穫できます。いくら摘んでも伸びてくる生命力の強さから、強精効果の話題も投げるほどです。全草から臭気を放ちます。一般には畠に植えたまま年間を通じて刈り取り、その都度食べますが、種子を採る目的なら春1回だけにします。

ニラの効果、効能

栄養価はネギ類と似ていますが、ビタミンAを多く含むのがニラの特徴でしょう。Aは抗酸化力があり、免疫力を高めてくれます。夏バテしたり風邪を引きやすい人によいです。体を温める作用も強いので、常食すれば冷え症や神経痛にも有効です。さらに疲労回復に役立つB1を体内に持続させる硫化アリルを含んでいるのでスタミナがつきます。ニラの臭気はこのせいで、ニンニクやラッキョウなどと共通です。

漢方ではニラの種子を日干しにしたものを「韮子」といい、頻尿、遺精、疝痛(下腹部の痛み)などに用います。『名医別録』には「五臟を安んじ胃中の熱を除きます。病人に利あり。久しく食すがよし」と、病人食に勧める記述もありました。中華料理にニラが多く使われるのは、油と合う栄養食であることを示しています。

民間薬としては漆かぶれにニラの葉汁をつけたり、日射病にニラの青汁を飲ませる方法があります。ニラの葉には止血と制菌力もあるから、鼻血のとき鼻腔に詰めたり、擦り傷につけたりすることもあります。血行を促すビタミンEも含んでいるので、打撲やしもやけなどにニラの葉汁を塗ると効くとも伝えられます。

摂取方法

ニラは炒め物、味噌汁、和え物、浸し物、スープ、かき揚げと、いろんな料理に使われます。油を用いたニラレバなどは癖の強いレバーもおいしく食べられて貧血気味の人にはおすすめです。風邪には卵入りのニラ雑炊が体を温めてよいです。熱いうちに食べて寝こむと、汗が出て、微熱や軽い頭痛は治ってしまいます。ただし硫化アリルは揮発性だから洗うのは手早く。加熱時間も長くなると色が悪くなり、風味が落ちることに注意したいです。

ニラは寒い地方で大事にされる食材です。「底冷えへ韮雑炊も老ひとり」などという句もあって、雪国では老人が好んで韮粥を食べます。これも中国から伝わったものらしく、古書には「内臓を温め虚を補い、食をよくす」とありました。無理なダイエットを続けているギャルたちにも、この韮粥は試す価値があるでしょう。

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