顔中が真っ赤!花粉症の肌荒れがひどくて外出も避けるように…

体験談

花粉症に悩まされる時期は肌のザラつきを感じてお化粧のノリが悪い。ひどい肌荒れと吹き出物でいつものスキンケアコスメも肌に合わなくなる…。
2月〜5月にかけての花粉シーズン、こうした「花粉症に肌荒れ」に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

こうした自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか?
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。

今回は「花粉症による肌荒れ」をテーマに、薬剤師の竹田由子先生にお話を伺ってみました。 

花粉による肌の炎症で意気消沈…ひどい顔の状態に耐えられません

美智代さん(52歳女性)、主婦の方からご質問をいただきました。

花粉症には長年悩まされてきたのですが、去年あたりから、くしゃみ、鼻水や鼻づまりに加えて、肌荒れがひどくなってきてしまって困っています。
2月の半ばくらいから肌が敏感になり、カサカサと乾燥したりプツプツと湿疹のような出来物ができたりして、花粉の量が多い日などは顔中が真っ赤になってしまうこともあるんです。鼻のかみ過ぎで鼻の周りも真っ赤、頬や顎のあたりも肌荒れで炎症を起こして、見るも無残な顔に…。
もちろんメイクもできませんし、そもそもこのひどい状態の顔を観られるのが嫌で、外出も避けるようになってしまいました。せめてスキンケアでもしっかりして肌を少しでも改善したいのですが、今年はどうしたことか、普段からずっと愛用している化粧水や乳液すらも肌に合わなくなってしまい、もうどうしたらいいかわかりません。
私の場合、スギ以外のアレルギーもあり、ゴールデンウィーク明けくらいまでこんな症状が続くかと思うと耐えられなくて! 何か良い改善方法はないでしょうか?

ご質問ありがとうございます。
花粉によって肌が敏感な状態になっているときは普段のスキンケアも合わなくなることがあります。
今回は、花粉症による肌荒れの原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。

花粉症による肌荒れはバリア機能の低下が原因

花粉症は、鼻腔内に入ってきたスギ等の花粉に対する免疫反応により、さまざまな症状が引き起こされるアレルギー症状です。
花粉症の症状のひとつとされる「肌荒れ」は「花粉皮膚炎」とも呼ばれ、皮膚を通して侵入しようとする花粉に対するアレルギー反応の一種で、肌が敏感になり、乾燥や赤み、かゆみなどが生じることがあります。
本来、皮膚には外部からの異物の侵入を防ぐバリア機能がありますが、乾燥などでバリア機能が低下すると、アレルゲンである花粉が侵入しやすくなり、肌荒れが生じるのです。

東洋医学では、皮膚の症状は内臓の乱れによるものと考えることから、花粉症による肌荒れは、体が冷えて「寒証(かんしょう)」の状態になることにより起こる「気(生命エネルギー)」の乱れから生じるとされています。

次の章では、このような「花粉症による肌荒れ」を改善するための具体的な方法をお伝えしていきましょう。

花粉症による肌荒れを改善する3つのセルフケア

1.肌に触れるものへの花粉の付着を避ける

花粉症によって肌荒れの症状が起きる方は、特に寝具や肌着などを清潔に保ち、肌と直接接触するものへの花粉の付着を避けることが大切です。
花粉の飛散するシーズンは洗濯物や布団は外に干さず、部屋干しにしたり布団乾燥機を活用したりするようにしましょう。
また、外出時は髪は束ね、帽子やマスク、メガネなどで顔の周りへの花粉の付着を防ぎ、帰宅後はできるだけ早めに入浴して洗髪することもオススメです。

2.肌の潤いとバリア機能を保って清潔に

肌荒れの症状がひどいときには、角層のうるおいバリア機能を保つための保湿スキンケアを欠かさないようにしましょう。
洗顔や入浴の際は、よく泡立てた洗顔料で肌をこすらないように優しく洗い、肌に付着した花粉をぬるま湯でしっかり洗い流すこと。
そして、洗顔後はすぐに保湿力の高い化粧水や乳液をつけて肌を乾燥から守ることが大切です。
普段使っているスキンケアコスメが肌に合わなくなってしまったときは、花粉の飛散するシーズンだけ敏感肌用のコスメに変更してみると良いでしょう。

3.どうしてもかゆいときは肌を冷やすこと

肌荒れによる湿疹などでかゆみが生じると思わずかきむしりたくなりますが、かゆみ止めの塗り薬を塗るなどしてこらえましょう。
肌をかくほどに角質層が傷つき、バリア機能が低下してアレルゲンがさらに侵入しやすい状態を招き、悪循環に陥ってしまいます。
どうしてもかゆみが治らないときは、肌を冷やすのがオススメです。
冷たいタオルや保冷剤をくるんだハンカチを患部に当てると、皮膚の温度が下がり、神経の興奮を鎮めて、かゆみを抑えることができるので、ぜひ試してみてください。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

花粉症による肌荒れを改善するために、塗り薬や抗アレルギー薬の服用などの選択肢に加えて、根本的な体質改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、小青竜湯(ショウセイリュウトウ)です。肌荒れとともに、くしゃみやさらさらとした鼻水の症状もある方の、余分な「水(水分)」を取り、冷えた体を温めることで、症状を改善する効果があります。
また、小青竜湯ですと胃が痛くなるという方には、胃腸が弱く冷え症の方向けの苓甘姜味辛夏仁湯(リョウカンキョウミシンゲニントウ)も良いでしょう。
また、肌荒れの症状がひどく、皮膚が赤みを帯びてかゆみの症状もある方には、体にこもった余分な「熱」や毒素を排泄して肌荒れを改善する効果のある黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)も良いでしょう。

肌に触れるものを清潔に保ち、保湿を心がけましょう

今回は、花粉症による肌荒れに悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
症状の改善のためには、肌や肌に触れるものの清潔を保ち、毎日の保湿スキンケアで肌のバリア機能を正常に保つように心がけることが大切です。
また、こうしたつらい花粉症の症状改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。


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