一瞬目の前が真っ暗に! 時折感じる軽いめまいで立ち仕事がつらい…

体験談

睡眠不足が続くと、なんだか体がフワフワとするようなめまいに襲われることがある、暑い屋外で長時間立っていたらフラつくようなめまいを感じた……。
30〜40代のプレ更年期世代の女性の中には、こうした「軽いめまい」に悩んでいる方も少なくないのではないでしょうか。

こうした自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか? 
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師がお答えしていきます。

今回は「軽いめまい」をテーマに、医師の木村先生にお話を伺ってみました。

倒れるほどではないけれど…体がフラつく軽いめまいが悩みのタネに

菜央さん(30歳女性)、アパレル店員の方からご質問をいただきました。

10代の頃から体が弱く、学校の朝礼のたびに立ちくらみを起こして倒れたり、朝の電車の中で具合が悪くなっては学校に行けずにそのまま早退していた私。
大人になった今では体力も少しはついたのか、そこまでのひ弱さはなくなったものの、やはりちょっと睡眠不足が続いたり前日お酒を飲んだりしただけで体がフラフラするようなめまいを感じることがあるんです。
そんな日は決まって立ち仕事がつらく、しゃがんで作業していて立ち上がると目の前が一瞬暗くなるような感じがしてよろけてしまうことも……。
倒れてしまうほどの症状ではないし、ごくたまに起こるだけではあるのですが、やはり接客のお仕事をしているわけですし、明るさや元気さって大事だと思うんです。めまいがしてふらつくような時は、せっかくお客様がいらしてもボーッとしてしまったりして、これじゃいけないな、って思うことも多くて……。
健康診断では低血圧と貧血気味なことを指摘されるくらいで特に大きな問題はなさそうなのですが、どうしたらこのフラつくようなめまいと微妙な具合の悪さを改善できるでしょうか? 何か良い方法があれば教えてください。

ご質問ありがとうございます。
倒れるほどではないにしろ、フラつくようなめまいがあるとお仕事に支障を感じることも多いでしょうし、つらいですよね。
今回は、こうした軽いめまいの原因や改善方法について詳しくお伝えしていきましょう。

軽いめまいは低血圧や睡眠不足などが原因に

軽いめまい症状にはさまざまな原因があり、多くの場合は低血圧や起立性調整障害により急に立ち上がったり長時間の起立により起こるものや、良性発作性頭位めまい症によるもの、睡眠不足や生活リズムの乱れ、精神的ストレスや脱水などが原因となっていることが多いと考えられます。
こうしためまいに関しては、安静にして休養をとること、生活の改善などで対処や予防をしていくと良いでしょう。
また、めまいの程度に限らず、脳腫瘍、脳梗塞などの重篤な疾患の症状としてめまいが起こる可能性もあります。
激しい頭痛や手足のしびれがあり、こうした疾患が疑われる場合は、早急に医療機関へ受診するようにしてください。

東洋医学では、自律神経をつかさどる「肝」の働きが衰えることで脳や内耳への血の巡りが悪化し、めまいの症状が起こると考えられています。

次の章ではこのような「軽いめまい」を改善するための具体的な方法をお伝えしていきましょう。

軽いめまいを改善する3つのセルフケア

1.脳に血液を送りやすい姿勢で安静に

立ち上がった瞬間にクラクラするようなめまいで目の前が暗くなりそうになった場合は、まずはしゃがんで頭の位置を低くしましょう。
横になれる場所があるときは、仰向けにまっすぐ横になり、血液を脳に送りやすい姿勢で安静にします。
低血圧によるめまいが起きやすい場合は、日頃から睡眠不足にならないように心がけ、疲労やストレスを溜め込まないようにすることも大切です。

2.頭や体の向きを変えて耳石のズレを戻す

朝起きた時や急に体の向きを変えたときにグルグルと目の回るような回転性のめまいが起こりやすい方は、めまいが起きたときに、頭の向きや姿勢を変える動作をしてみましょう。
耳の中の「耳石」がずれることでめまいが起きる「良性発作性頭位めまい症」による症状の場合は、こうした動作を繰り返し行うことで症状が改善されるケースがあります。
また起き上がる時や体の向きを変える際に、ゆっくりとした動作で体を動かすようにすることも予防策として有効です。

3.自律神経を整える生活習慣を心がける

睡眠不足や昼夜逆転などの不摂生な生活などによる自律神経の乱れからフラフラとするようなめまいを感じる場合は、飲酒や喫煙を避け、疲労やストレスを溜めないことが重要です。
脳や目への刺激を避け、良質な睡眠をとるためにも、寝る前にパソコン、スマホ、テレビ等の画面を長時間見ないようにしましょう。
日頃からストレッチやヨガ、ランニングなどの適度な運動を習慣づけ、水分を摂って全身の血の巡りを良くすることもめまいの予防につながります。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

軽いめまいを改善するためには、セルフケアに加えて、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)です。冷え性で体力がなく、めまいが起こりやすい方の体内の水分循環を良くし、疲労感やめまいを和らげる効果があります。
また、寝起きのめまいや耳鳴り、肩こりなどの症状もある方には「血(血液)」や「水(水分)」の巡りをよくして、めまいにともなう様々な不調を改善する効果のある釣藤散(チョウトウサン)も良いでしょう。

自分の症状や体質にぴったりマッチした漢方薬を選ぶのは難しいと感じがちですが、「オンラインAI漢方」では、お悩みの症状を元にAIがあなたにぴったりな漢方薬をご案内しています。
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規則正しい生活を送り、自律神経を整えましょう

今回は、軽いめまいを感じる方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
日常的にさまざまなシーンで立ちくらみやめまいを感じやすい方は、疲労や睡眠不足を避け、規則正しい生活を送ることで自律神経を整えたり、適度な運動をして血流を良くするように心がけると良いでしょう。
また、こうしためまいの症状の改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。
セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。

木村眞樹子

東京女子医科大学医学部を卒業後、循環器内科、内科、睡眠科として臨床に従事している。 妊娠、出産を経て、また産業医としても働くなかで予防医学への関心が高まった。医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる様々な人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、webメディアで発信も行っている。

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