ポコっと抜ける快感に思わず身震い…小鼻の”角栓”抜きがクセになってやめられない

体験談

小鼻の毛穴まわりにボツボツとした白っぽい角栓が見えてきた、Tゾーンの毛穴の角栓を手で触れると何だかザラザラとして気持ちが悪い…。
30代の女性のなかには、こうした「鼻の角栓」に悩んでいる方も少なくないのではないでしょうか。

そんな悩みや体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか? 
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。

今回は「鼻の角栓」をテーマに、薬剤師の中田早苗先生にお話を伺ってみました。

危険な自己処理のワナ…気になる小鼻の角栓、本当はどうケアするべき?

菜津美さん(37歳女性)、会社員の方からご質問をいただきました。

「今に始まった事ではないのですが、小鼻の周りの角栓が気になって仕方がないんです。特にオイリー肌ということもなく、むしろ肌は乾燥気味なのですが、小鼻の周りだけギトっとして、角栓がプツプツできているので気持ちが悪くて!
先日あんまり大きい角栓を見つけたもので、こんなことしたらダメかなあと思いつつも、ピンセットでつまんでクイっと抜いてみたんです。そうしたら、思いの外簡単にポコっと大きな角栓が取れて、その爽快感たるや…。くせになりそうです。
ピンセットにくっついた角栓を指に乗せてみると、よくこんなものくっつけて歩いていたと思うほどの脂っぽい塊が!  あんまり気持ちよかったので思わずいくつかポコポコと角栓を抜いてしまったのですが…。ひと通り処理した後にまじまじと鏡で小鼻をよく観察してみると、角栓を取ったところの毛穴がボコッと拡がっているではありませんか。夢中で抜いているときは角栓ばかり眺めていて気がつかなかったとはいえ、すごくショックです。
しかも、目立つところはほとんど抜いたはずなのに、数日後にはまたプツプツと角栓が見え始め、またしても取りたい欲求にかられてしまいそうです。
なんとかこの不毛な戦いをせず、毛穴にダメージを与えずに角栓を始末する方法はないものでしょうか?

ご質問ありがとうございます。
ポコっと目立つ角栓を除去すると気持ちいい感じがしますが、それは一瞬のスッキリ感でしかありません。
こうした処理を続けると毛穴の開きはもちろん、乾燥やバリア機能の低下を招き、かえって角栓ができやすくなってしまいます。
今回は、こうした鼻の角栓の原因や改善方法について詳しくお伝えしていきましょう。

鼻の角栓は毛穴に残った角層への皮脂や汚れの付着が原因

肌内部の乾燥や皮脂の過剰分泌により、毛穴内部の角層のターンオーバーが乱れると、未成熟な角層が剥がれ落ちずに毛穴に残ってしまう状態になります。
角栓とは、毛穴に残った角質に分泌された皮脂やメイクの洗い残しによる汚れなどが付着して、毛穴を塞ぐ栓となってしまったもののことです。
最初は小さな塊であっても、汚れや皮脂の蓄積で大きくなったり、一度取り除いてもターンオーバーが正常化しない限りまたすぐに角栓ができてしまうため、日常的な正しいケアで肌のターンオーバーを整えていく必要があります。

東洋医学では、体内の「気(生命エネルギー)」「血(血液)」「水(水分)」のバランスの崩れから肌のターンーオーバーが乱れると考えられています。

次の章ではこのような「鼻の角栓」を改善するための具体的な方法をお伝えしていきましょう。

鼻の角栓を予防・改善するセルフケア3選

1.しっかり保湿してバリア機能の低下を防ぐ

角栓や脂っぽさが気になってつい何度も顔を洗ってしまう、という方もいるかもしれませんが、洗顔のし過ぎで必要な皮脂まで洗い流してしまうと、バリア機能の低下やターンオーバーの乱れを招き、かえって角栓ができやすい状態になってしまいます。
洗顔は1日2回までにとどめ、洗い過ぎを避けるようにしましょう。酵素系のパウダー洗顔料で余分な皮脂の分解をサポートしたり、オイルタイプのクレンジングで毛穴汚れを浮かしてスッキリ落とすのもオススメです。

2.無理に角栓を取ろうとしないこと

角栓を無理に押し出したり、角栓をはがすシートタイプのパックを頻繁に使用することは絶対に避けましょう。
角栓を無理にはがすことで肌を痛め乾燥を招くだけでなく、毛穴が開いてしまうことでかえって毛穴詰まりを起こしやすい状態にしてしまいます。
ザラつく角栓が気になる場合は、洗い流すタイプのピーリングパックやクレイパックで毛穴汚れを除去するのがオススメです。洗顔後や角栓除去のケアをした後は、引き締めタイプの化粧水でしっかり毛穴を引き締め、その後に保湿ケアをプラスすると良いでしょう。

3.角栓ができにくくなるための肌に効く食事を

角栓ができにくく、キメの整った美肌に改善するには、睡眠不足や不摂生な生活を避け、質の良い睡眠をたっぷりとること、栄養バランスのとれた食事もきちんと摂ることが大切です。
特に角栓予防のためには、皮脂の過剰分泌につながる甘いお菓子や揚げ物など、糖質と脂質を多く含む食品の摂り過ぎを控えることです。
皮脂分泌のバランスを整えるビタミンB2とビタミンB6に加え、肌のターンオーバーを正常化する働きのあるビタミンA(β-カロテン)を摂るためにも、豚肉や魚、大豆などのタンパク質や、フルーツや緑黄色野菜などを積極的に摂るよう心がけると良いでしょう。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

漢方薬

鼻の角栓を改善するためには、セルフケアに加えて、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、桂枝茯苓丸加薏苡仁(ケイシブクリョウガンカヨクイニン)です。皮膚が乾燥しやすく、毛穴の角栓ができやすい方の「気」や「血」の巡りを良くして肌に栄養を与え、新陳代謝を促す効果があります。
また、小鼻周りの毛穴に皮脂が溜まりやすい方には、過剰な皮脂分泌を抑え、顔に溜まった余分な熱を冷まして症状を改善する荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ)も良いでしょう。

内側からと外側からのケアでターンオーバーの正常化を!

今回は、鼻の角栓に悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
症状の改善には、正しいスキンケアで毛穴汚れを落とし、保湿スキンケアで肌の乾燥を防ぐことです。
内部からのケアとしては、不摂生な生活を避け、栄養バランスのとれた食事で肌のターンオーバーを正常化させていくように心がけると良いでしょう。
また、こうした鼻の角栓の症状改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。

中田早苗

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 中田 早苗 薬剤師。認定運動支援薬剤師。就実大学薬学部卒業。病院薬剤師として約7年間勤務後、漢方薬局で2年間勤務。ファスティングマイスターとして100名以上のファスティングをサポート。TiktokやInstagramでファスティング・美腸を普及する活動も行っている。

プロフィール

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