つらい胸焼けに悩む更年期…追い打ちをかける夫の暴言に撃沈!

体験談

特に食べ過ぎたわけでもないのに食後になると胃がもたれて胸焼けがする、夜中になぜか胃がムカムカとして胸苦しく、目が覚めてしまうことがある……。
40〜50代の更年期世代の女性のなかには、このような「胸焼け」の症状に悩んでいる方も少なくないのではないでしょうか。

こうした自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか? 
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。

今回は「更年期の胸焼け」をテーマに、薬剤師の中田早苗先生にお話を伺ってみました。

横になっても起きてもつらい! 更年期の胸やけ、どう対処するべき?

美智代さん(51歳女性)、主婦の方からご質問をいただきました。

ここ数ヶ月、なんだか胃の調子が思わしくない日々が続き、たいした量を食べているわけでもないのに胸やけがひどくて悩んでいます。
ただでさえ体が重く、のぼせやほてりなどの更年期症状で気が滅入っているのに、追い打ちをかけるかのような胃腸の不調で、本当につらい毎日です。
ただ、どんなにつらくても、痩せ細るどころか依然として丸々とした見た目の私はちっとも具合が悪そうには見えないらしくて……。
夫に窮状を訴えても「胸やけがするったって、トドみたいに食っちゃ寝、食っちゃ寝してるからだよ。動けば治る!」という心無い一言が浴びせられ、ますます気持ちも沈む一方です。
最近では胸やけのせいで、たいしてきつくもないブラジャーをしているのも圧迫されているようで苦しく、起きていても横になっても胃酸が上がってくるようで、どうしたらいいかわかりません。楽しみだった食事も苦行でしかなく、献立を考えるのも料理をつくるのもおっくうになってしまいました。
どうにかしてこの不快な胸やけを改善する方法はないでしょうか?

ご質問ありがとうございます。
更年期はホルモンバランスの崩れから自律神経が乱れ、さまざまな不調に悩まされがちですが、この自律神経の乱れに最も影響を受けやすいのが胃腸だといわれています。
今回は更年期の胸やけの原因や改善方法について詳しくお伝えしていきましょう。

自律神経の乱れからくる胃腸の働きの低下が胸やけの原因に

更年期に入ると、卵巣機能の衰えに加え、女性ホルモンの分泌が急激にアップダウンすることで、自律神経が乱れやすくなります。
自律神経の乱れはさまざまな不調を引き起こしますが、特に胃腸は自律神経の影響を受けやすいため、胸やけや胃もたれなどの胃腸症状が起こる方も多いと考えられています。
ただ、こうした症状は更年期症状としてだけではなく、胃腸の疾患などから生じることもあるため、気になる症状が続く場合は病院で検査を受けるようにすると良いでしょう。

また東洋医学では、更年期には「気(生命エネルギー)」「血(血液)」「水(水分)」の乱れからさまざまな不調が生じるとされており、特に胸焼けや胃のもたれ、吐き気などの症状は「水」の不調から生じると考えられています。

次の章では、更年期の「胸やけ」を改善するための具体的な方法をお伝えしていきます。

更年期の胸やけに効果的な3つの対処法

1.消化の良い食べ物や大豆食品を摂りましょう

胸焼けがしてムカムカする、食欲が出ない、といった場合には、無理に普段通りの食事をしようとしなくても大丈夫です。
うどんやおかゆなどの柔らかい炭水化物や、栄養豊富な白身魚や卵など、消化がよく胃に負担のかからないものを摂るようにしましょう。

特に、豆腐や豆乳など大豆製品には女性ホルモンを補うエクオールという成分を作る大豆イソフラボンが含まれているため、積極的に摂ると良いでしょう。

2.胃に負担をかける刺激物は控えること

辛いものや脂っぽいもの、ニンニクや香辛料、カフェインたっぷりのコーヒーなどは刺激が強いので胃に負担をかけやすく、胃酸の分泌を過剰にしてしまうため、胃もたれがつらいときには控えることが大切です。
またこうした刺激物に加え、熱すぎるものや冷たすぎるものを摂ったり、暴飲暴食をすることも胃粘膜を荒らす原因になるため、避けるようにしましょう。

3.日頃からストレスを溜め込まないことが大切

精神的なストレスを溜め込むことも胸焼けの原因となる自律神経の乱れや胃酸の過剰分泌につながります。
日頃からくよくよ悩んでストレスを溜め込みがちな方は、できるだけ思い悩まないように心がけ、リラックスした状態で食事を楽しむようにしましょう。
気持ちがふさぎがちなときは、自律神経を整えるためにも日光浴をしたり、ストレッチなどの軽いエクササイズをしたりしてリフレッシュするのもオススメです。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

更年期の胸やけを改善するためには、セルフケアや医療機関での治療に加えて、体質の改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。
特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)です。食後に胃酸が上がってくるような胃のむかつきを感じる方の、胃にこもった余分な熱を冷まして胃の炎症を鎮める効果があります。
また、胸焼けに加えて肌の乾燥があり便秘がちな方には、血の不足を補って体内の熱を鎮める効果のある温清飲(ウンセイイン)も良いでしょう。

自分の症状や体質にぴったりマッチした漢方薬を選ぶのは難しいと感じがちですが、「あんしん漢方」では、お悩みの症状を元にAIがあなたにぴったりな漢方薬をご案内しています。自宅にいながら気軽に始められますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

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暴飲暴食を避け、胃に優しい食生活を心がけましょう

今回は、更年期の胸やけの改善方法や漢方薬をご紹介してきました。
症状の改善のためには、胃に負担をかけない消化によい食事を摂ることや、エクササイズや日光浴でリフレッシュする時間をつくり、ストレスを溜め込まないようにすることが大切です。
こうした更年期の症状にまつわる悩みには、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。


中田早苗

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 中田 早苗 薬剤師。認定運動支援薬剤師。就実大学薬学部卒業。病院薬剤師として約7年間勤務後、漢方薬局で2年間勤務。ファスティングマイスターとして100名以上のファスティングをサポート。TiktokやInstagramでファスティング・美腸を普及する活動も行っている。

プロフィール

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