膠飴(こうい)の説明はこちら

別名:飴糖・水飴・赤飴・あめ(飴)麦芽糖化飴

粳米または糯米を蒸したのち、麦芽のアミラーゼを用いてデンプンを分解し、糖化させて製した飴です。膠飴には軟らかいものと固形のものとがあり、軟らかいものは黄褐色、半透明の濃厚な水飴状であり、固形のものはこの水飴を攪拌し、空気と混和して凝固させたものである味は甘く、特異な麦芽臭があり、一般に水飴状のものが良品とされています。

成分にはマルトース(麦芽糖)やデキストリンなどが含まれる麦芽糖はマルツエキスとして乳児の便秘薬に利用されています。漢方では健脾・止痛・止咳の効能があり、過労による胃腸障害、腹痛、咳嗽、吐血、口渇、咽痛、便秘などに用います。とくに胃腸虚弱者によくみられる腹痛を緩和します。たとえば小建中湯、大建中湯、黄耆建中湯、当帰建中湯などの建中湯の処方に配合され、いずれも虚弱な体質を改善し、冷えなどによる腹痛を緩和する効果があります。また止咳薬として乾咳の症状に単独あるいは杏仁、百部などと併用します。ただし膠飴は非常に甘いため腹部膨満感をきたしやすく、多量に服用すると嘔吐することがあるので注意を要します。なお膠飴は他の生薬を煎じて滓を漉した後に溶かして服用します。(麦芽)

処方用名

膠飴・飴糖

基原

糯米粉・粳米粉・小麦粉などに麦芽を加えて加工製精した飴糖(アメ)。

性味

甘・微温

帰経

脾・胃・肺

効能と応用

補虛建中・緩急止痛

方剤例

①小建中湯

中気不足の虚寒腹痛で温めたり抑えると軽減するときに、桂枝・白芍・生姜大棗などと用います。

②黄耆建中湯・当帰建中湯・帰耆建中湯

気虚が顕著なら黄耆・人参などを、血虛が明らかなら当帰などを加えます。

③大建中湯・当帰湯

寒痛がはなはだしく腹鳴や腸蠕動が明らかなときは、蜀椒・乾姜などと用います。

潤肺止咳

肺虚の慢性乾咳・呼吸困難・無痰などの症候に、単味であるいは百部・杏仁・蜂蜜などと用います。

臨床使用の要点

膠飴は甘温で潤であり、補虚建中・緩急止痛・潤肺止咳の効能をもつので、労倦傷脾の中気不足・虚寒腹痛および肺虚燥咳に使用します。このほか、緩和薬性の効能もあり、草烏頭・川烏頭、附子の解毒に働きます。

参考

膠飴には軟・硬の2種があり、軟らかいものは黄褐色の粘稠な液体であり、硬いものは空気を混入して凝固させたものです。薬用には軟膠飴がよいです。

用量

30~60g、溶解して服用します。膏や丸にしてもよいです。

使用上の注意

助湿生熱して中満をひきおこしやすいので、湿熱内鬱の中満吐逆・痰熱咳嗽などには用いません。

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