鼻血が出る?チョコレートを食べ過ぎるデメリットとは
チョコレートを食べ過ぎると体に良くないのでしょうか?食べ過ぎると鼻血が出るよと言われたことがある方もいると思います。実際はどうなのでしょうか?ここではチョコレートを食べ過ぎることのデメリットについて見ていきましょう。
目次
チョコレートを食べると鼻血が出る?
チョコレートを食べると鼻血が出ると言われるのはなぜでしょうか? また、それは本当なのでしょうか?
チョコレートは血行を良くする
鼻の穴の入り口から1cmほど入ったところに、キーゼルバッハ部位と呼ばれる毛細血管が多く集まった場所があります。ここは粘膜も薄く、小さな刺激でも血管が切れやすい部位で、鼻血の多くはこの部位の出血と言われています。
チョコレートには、テオブロミンやポリフェノールなど血行をよくする物質が含まれています。この血行が良くなることで、一時的に毛細血管が刺激されて出血すると言われていますが、医学的な根拠はありません。
また、カフェインによる興奮作用との関連性を指摘されることもありますが、チョコレートに含まれるカフェインの量はコーヒーなどに比べると微量であり、鼻血との関連はありません。
鼻血との関連を示す医学的な根拠はない
チョコレートを食べ過ぎることで鼻血がでると言われていますが、実際のところ医学的な根拠はありません。このように言われるようになった説としてはいくつかあります。
ひとつは、チョコレートのように糖分や脂質が多いものを食べすぎると、体の中に溜まったエネルギーが行き場を失い、鼻血として出るのではないかという説です。また、昔はチョコレートが高価な食べ物であったため、子どもたちが食べすぎてしまわないように、たくさん食べると鼻血が出ると母親が注意したという説もあります。
チョコレートを食べ過ぎるデメリット
鼻血との関連がなかったとしても、チョコレートを食べ過ぎることにはデメリットがあります。
脂質や糖質の過剰摂取
チョコレートの食べ過ぎで起こるデメリットの最も多いものとしては、脂質や糖質の過剰摂取による体重増加や、動脈硬化、そして糖尿病のリスクです。カカオには脂肪分が含まれている他、カカオの苦味を抑える成分として使用されているミルクや砂糖には、脂肪分と糖分が含まれています。
そのため、チョコレートを食べすぎれば、脂質や糖質も多量に摂取してしまうことになります。脂質は、体を動かすために必要なエネルギーを生み出す役目を持っています。しかし、過剰に摂取してしまうと、体内に脂肪として蓄えられてしまいます。
結果として、体重の増加の他にも、血液中の中性脂肪及びコレステロールを増加させてしまい、その影響で血管にコレステロールが溜まりやすくなり、動脈硬化につながります。
また、糖分の過剰摂取は、エネルギーを中性脂肪に変えるインスリンの過剰分泌を引き起こし、太りやすくなってしまいます。さらに糖分の過剰摂取によって糖尿病を発症してしまうと、動脈硬化以外にもさまざまな合併症を招く恐れがあります。
片頭痛との関連も?
チョコレートのカカオの中にはチラミンという成分が含まれています。このチラミンは、血管を収縮させた後に拡張させる作用があります。このときに急激に血流が増えることで、片頭痛を悪化させる可能性が言われています。
チョコレートのメリット
食べ過ぎなければ、チョコレートには良い面もあります。
リラックス効果
チョコレートのカカオには、交感神経と副交感神経のバランスを調整するセロトニンを増加させるテオブロミンという成分が含まれています。また、ポリフェノールは、ストレスの軽減に役立つとされており、ストレス増加で分泌されるホルモンの排泄量を抑えます。
特にGABA入りチョコレートを摂取することで、忙しくイライラしているときでもリラックス効果や疲労回復といった効果を得ることが期待されます。
女性は脳卒中リスクが低下する?
チョコレートに含まれるポリフェノールには抗酸化作用があり、コレステロール値の改善、血圧低下などの研究が数多く報告されています。
日本でも研究がなされており、女性ではチョコレートの摂取量が最も多いグループで、最も少ないグループに比べて、脳卒中の発症リスクが16%低く、チョコレートの消費量が週50g増えるごとに、脳卒中のリスクが約14%減少するという報告があります。
生活習慣病に関係する血圧やコレステロールの値が改善するという報告もあり、食べ過ぎずに適量であれば、メリットも多いということがわかります。1日に間食から摂取するカロリーの目安は200kcalとされています。ミルクチョコレートであれば、1日にひと口サイズで7枚(35g)程度が目安となります。
いかがでしたでしょうか。チョコレートは食べ過ぎると脂質や糖質を過剰に摂取してしまうというデメリットがあります。一方、少量ずつ摂取することにはメリットも多いことがわかっています。チョコレートは節度をもって食べるようにしましょう。