パセリを食して得られる効果、効能

ハ行の食材

▼抗菌、降圧、美肌

西洋料理には、たいていパセリが添えられています。だから子どものころは、パセリを料理のアクセサリーとばかり思いこんでいました。健康知識が高まったいま、パセリは栄養良富な薬用野菜であることを誰でも知っているはずですが、レストランなんかで観察していると、パセリを食べずに残す人が意外に多いです。勿体ないと思います。

パセリとは

パセリは南ヨーロッパ原産でセリ科の越年草です。ヨーロッパでは紀元前から栽培され、食中毒の薬草として必ず宴席を飾ったものだといわれます。日本へは明治の初めに渡来し別名を和蘭芹ともいいます。ニンジンの葉に似た若葉をとって生食したりサラダなどに用います。「妻も詩の友パセリぽつりと旅の皿に」とあるように、その彩りと香気が魅力です。

パセリの効果、効能

パセリ特有の香りはピネンやアピオールなどの精油成分によるもので、植物に虫をつきにくくしたり、殺菌作用で食中毒を防ぐのに役立ちます。洋食にパセリが添えられるのも腸内で肉や脂肪の腐敗、消化不良を防ぐ意味があるわけです。鮮緑の葉をみてもわかるように含有する栄養素も並みではありません。

まずビタミンCをレモンの2.5倍も含んでいます。Cが不足すると血管を保護しているコラーゲンに支障をきたして外傷の回復が遅れたり、肌のトラブルが起こりやすくなります。歯を磨いて歯茎から血が出るようではかなりC不足です。さらにCにはガンの発生因子を抑える作用もあるので、日ごろから意識したメニューを心がけたいです。パセリは生で食べるから調理で損なうことなく、効率よくCを摂取できるのです。

摂取方法

βカロテンもニンジンに匹敵するし、不足しがちなカルシウム、鉄、カリウムなどのミネラルも豊富だから、パセリの薬用効果は広いです。感染症に抵抗力をつけ、脳の働きを活性化し、血管をしなやかに保つなど、生活習慣病を予防するのに都合がよいです。とくにパセリ50グラムにニンジンとリンゴを入れた生ジュースを毎日飲む健康法は有名です。味もいいです。

パセリ酒も試してみましょう。パセリ25グラムに砂糖75グラム、焼酎450㏄の割合で加え耐熱ガラス容器に入れて4分ほど、電子レンジで加熱したらそのまま冷暗所で熟成させます。1週問でパセリを取り出し、もう1週間熟成させて出来上がり。疲れや食欲がないとき30㏄ほど飲むと元気が出ます。また肉料理のあとやタバコの口臭止めには、パセリをひとつまみよく噛んで食べるとよいです。

時にはパセリを主役にした料理を工夫してみてはどうでしょう。ビタミンAの吸収率をよくする油を使い、高温でカラッと揚げるのも一例です。なおパセリの保存には茎を水切りにし、水を入れたコップにさしておきます。このとき1~2滴の酒をたらすと雑菌繁殖を防いでくれます。穴あきポリ袋をかぶせて冷蔵庫へ入れましょう。

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