お腹の激痛で死にそう…トイレへと這う私の姿に夫が悲鳴!
生理のたびに痛みがひどくなってきて我慢の限界を感じている、生理の時以外でも下腹部に鈍い痛みを感じることがある……。
それは、もしかしたら「子宮内膜症」かも!?
子宮内膜症は、20代〜40代の月経期の女性がかかりやすい病気です。あまりに生理痛がひどいので調べてみたら実は子宮内膜症だった、ということは多々あります。
そんな子宮内膜症のつらい症状の緩和や改善に、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか?
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師がお答えしていきます。
今回は「子宮内膜症」をテーマに、神戸海星病院麻酔科の桐田泰江先生へお話を伺ってみました。
目次
生理のたびに歩けないほどの異常な痛みに襲われ、悩んでいます
佳菜さん(34歳女性)、主婦の方からご質問をいただきました。
私、生理の時の状態がちょっと普通じゃないんです。
過去に病院で子宮内膜症と診断されたことがあるのですが、その時はここまでひどい症状ではなかったのもあって、途中で通院をやめてしまっています。
ですが、数年前から毎回生理のたびに異常な激痛に襲わるようになってしまって……。意識がなくなりそうになったのも一度や二度じゃありません。
現在は、生理のたびに夜中も痛みと出血でおちおち寝てもいられず、トイレでのシート交換と鎮痛剤を飲むために何度も起きてしまうような状態です。
先日などは、あまりの痛みで歩くこともできず、トイレまで這って向かっているときに、ちょうど深夜帰宅した主人と玄関前の廊下で鉢合わせしてしまって……。
暗かったせいか「ギャー!」と悲鳴を上げられてしまいました……。なんでも、髪を振り乱して必死の形相をして這っている私が、ゾンビか幽霊にしか見えなかったとのこと。
こっちは必死なのに大ショックです。どうしたらこのひどい状態を少しでも改善できるでしょうか?
ご質問ありがとうございます。
生理時の激しい痛みに耐えられているとのこと、さぞつらいことと思います。
今回は、子宮内膜症の原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。
子宮内膜症はホルモンバランスと血流の滞りが原因!
本来は周期的に月経血となって剥離して体外へ排出されるはずの子宮内膜ですが、体内にとどまり、子宮内腔以外の場所で増殖してしまうことがあります。
これらの増殖によって炎症や癒着が起きている状態が子宮内膜症です。
20~40代女性の分泌量が多い、女性ホルモンの「エストロゲン」や黄体ホルモンの「プロデステロン」が、子宮内膜から分泌される痛みの原因物質であるプロスタグランジンを増加させます。
月経時の痛みや月経時以外にも下腹部痛や腰痛、排便痛、性交痛などの症状があらわれるのは、プロスタグランジンが、子宮内膜症がある場所からも分泌されることが原因です。
東洋医学では、子宮内膜症はしょうか(しこり)と呼ばれ、これらはいずれも女性ホルモンのアンバランスや、「血瘀(けつお)」が原因の一つになっていると考えられています。
次の章では、つらい子宮内膜症の症状に対する具体的な解決方法をお伝えしていきましょう。
子宮内膜症の痛みを緩和するセルフケア3選
1.「血の滞り」を流して激痛を緩和しましょう
耐えられないような痛みでも、まずは下腹部や腰を温めることで、多少なりとも痛みを軽減させることができます。使い捨ての「カイロ」などでおなかや腰を温めると、温熱作用から血液の流れが良くなります。
また、「足湯」や「半身浴」などで下半身の血液循環を改善することも下腹部の痛みに効果的です。
38℃から40℃前後のぬるめのお湯にゆっくりと浸かって、体を芯から温めましょう。
2.シナモン&ジンジャー紅茶で冷えを取りましょう
夏場や暖かい室内で過ごしているときも、冷たい飲み物は避け、体を内側から温めてくれるような効果のあるホットドリンクを選ぶようにしましょう。
特にオススメなのは、温かい紅茶にシナモンとすりおろした生姜を入れた「シナモン&ジンジャー紅茶」です。
体の内側からじんわりと温めることで痛みをやわらげてくれます。
3.肉類と乳製品は控えめに
肉類や乳製品には、筋肉を収縮させ痛みの原因ともなる生理活性物質(プロスタグランジン)のもとになる脂肪酸が含まれています。
月経痛や炎症を悪化させる可能性があるプロスタグランジンの過剰分泌を避けるため、できるだけ脂肪分の高い肉類や乳製品は控えるようにしましょう。
根本的な体質改善には漢方薬が効果的!
子宮内膜症はホルモン療法や手術療法がで改善されることもありますが、従来の治療法でも症状が改善されない場合は漢方薬の併用もおすすめです。
特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)です。血液の流れをよくして「お血」の状態を改善し、痛みをやわらげてくれる効果があります。
また、冷え性でのぼせやほてりがあり、皮膚のかさつきやすい症状もある方には温経湯(ウンケイトウ)もオススメです。
自分の症状や体質にぴったりマッチした漢方薬を選ぶのは難しいと感じがちですが、「オンラインAI漢方」では、お悩みの症状を元にAIがあなたにぴったりな漢方薬をご案内しています。
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体質を改善して子宮内膜症を改善していきましょう
今回は、子宮内膜症の方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
まずは体を内側外側からしっかり温め、血液の流れをよくするように心がけてみてください。
子宮内膜症の症状の改善には、漢方薬が大きな効果を発揮する例も多くあります。
セルフケアを試しても症状が改善しない場合は、漢方医や漢方薬局にお気軽に相談してみてくださいね。