生理時の悪心で体重が激減…このままじゃ鶏ガラ女になっちゃう!
生理の時になんだか胃がムカムカして食欲がない、船酔いのような気持ち悪さが続いてつらい……。
それは、もしかしたら「生理時の悪心」かも!?︎
実は、多くの女性が悩んでいる月経時の不快な症状は「腹痛」だけではありません。
自分ではどうにもならない生理時の不調やつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか?
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。
今回は「生理時の悪心」をテーマに、薬剤師の手塚智子先生にお話を伺ってみました。
目次
生理痛と悪心で食欲ゼロ。みんなどうして食べられるの?
菜津美さん(31歳女性)、接客業の方からご質問をいただきました。
半年ほど前から、生理痛に加えて異常な気持ちの悪さがあるんです。
吐いてしまうほどではないのですが、なんだかずーっと胃のあたりがムカムカして、口の中も苦いような感じで、全く食欲が湧きません。
何かしら食べなくちゃ、と頭ではわかっているものの、お腹の痛みに加えてみぞおちのところから脇腹にかけて押されているような苦しさもあります。一人暮らしということもあって、食事の支度さえだるくて……。
生理がつらい初日と2日目に至っては、終日何も食べずに、飲み物とその辺に置いてあるお菓子を一口くらいしか食べてなかった、なんていう日もたびたびあるほど。
体重は生理のたびにガクンと減ってしまって、貧乳具合も加速しています……。
どうにかこのムカムカの症状を改善する方法はないでしょうか?
ご質問ありがとうございます。
生理のときの悪心でまったく食欲が湧かず、だいぶ痩せられてしまったとのこと。気分の悪い時に無理に食べるのは難しいですよね。
今回は、生理時に起こる悪心の原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。
プロスタグランジンによる胃液の過剰分泌が悪心の原因!
月経時の悪心の原因となっているのは、「プロスタグランジン」という生理活性物質。
この物質が子宮を収縮させ経血の排出を促してくれる一方で、胃腸を収縮させてその働きを亢進させる作用があります。
これによって胃液が過剰に分泌し、悪心が起こってしまうのです。
また、東洋医学では、「気・血・津液(生命エネルギー・血液・水分)」の流れが滞ることによって月経時にさまざまな症状が起こると考えます。
次の章では、こうした月経時期特有の悩ましい症状に対する具体的な解決方法をお伝えしていきましょう。
ムカムカ症状をスッキリさせる3つの対処法
1.食欲がないときはハーブティーでホッと一息いれましょう
何か食べると吐きそう、というような胃のムカムカ感があるときは、吐き気を抑制する効果のあるハーブティーがオススメです。
体を温め消化を助ける効果が期待できるジンジャーティーや、不快な気分を清涼感でスッキリさせてくれるミントティーなどは、悪心による気持ち悪さを抑えるのに有効です。
2.胃に負担のない食事を摂りましょう
空腹時になると余計に吐き気が強くなる場合は、なるべく胃の中を空っぽにしないことが大事です。
おかゆやおじや、柔らかめのうどん、豆乳スープ、フルーツやヨーグルトなど、胃に負担のかからない消化の良い食べ物を選び、無理のない範囲で食べましょう。
また、胃腸に刺激を与える香辛料 (コショウ、唐辛子など) やカフェインの摂取は控えた方が良いかもしれません。
食事の回数は三食にこだわらず、少量に分けて回数を多めにするのも効果的です。
3.つらいときは無理せず安静に
あまりに悪心が強いときは、無理して起きているよりも安静にするのがベスト。
体を横にし、足を少し高くして横になって安静にすることで、自律神経も安定します。
また、月経時の貧血によって気分が悪くなっている場合は、睡眠をしっかり取ることで鉄分を吸収しやすい体に改善できます。
良質な深い睡眠をとることは症状の緩和に繋がりますので、日頃から睡眠不足にならないように心がけましょう。
根本的な体質改善には漢方薬が効果的!
月経時の悪心や吐き気を改善するために、市販薬や処方薬に頼るという選択肢に加えて、根本的な改善を目的とした漢方薬の服用もオススメです。
特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適しているのは、小柴胡湯(ショウサイコトウ)です。
柴胡に人参や甘草、生姜などが配合された漢方薬で、胸の熱を取って炎症を抑え、胃の機能を改善して、胸のつかえを緩やかにする効果があります。
また、がっちりした体格で便秘がちな方、吐き気とともに耳鳴りなどの症状がある方の場合は、大柴胡湯(ダイサイコトウ)もオススメです。
悪心の他にも月経時の不快な症状がある場合は症状や体質に合わせて、水の滞りや血の巡りに効果が期待できる当帰芍薬散 (トウキシャクヤクサン) 、血の滞りの改善が期待できる桂枝茯苓丸 (ケイシブクリョウガン) などを使用することもあります。
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つらい時は焦らずしっかり体を休めましょう
今回は、月経時の悪心に悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
月経時の不快な症状として胃のムカムカや食欲不振、悪心に悩む方は多いものですが、無理に活動しようとすると、かえって症状を悪化させてしまいます。
月経の時はじっくり体を休める期間、と割り切って、ハーブティーやアロマ入浴など、心も体も癒せる方法を試してみてください。
悪心の症状には漢方薬が優れた効果を発揮することも多くありますので、自分ではどうしようもない、と思ったら、漢方薬を取り入れてみるのもオススメです。お気軽に漢方医や漢方薬局に相談してみてください。
また、体重が急激に減ってしまうほどの悪心、嘔吐が長く続く場合は、妊娠や他の病気が考えられますので、ためらわずに医療機関を受診してくださいね。