ノイローゼ(神経症)に効果的な6つの漢方薬とアドバイス
先天的なものにストレスが重なって起こります
ノイローゼとは、必要以上に自分の症状や病気を意識し、「なんとかしなくては・・・」といった焦りがあるのが特徴です。同じ精神科領域の病気でも、精神病と決定的にちがう点はここです。
目次
ノイローゼ(神経症)の症状
最も一般的な(というより、ノイローゼの原型ともいうべき)症状は、ちょっとしたことがきっかけで、あることが気になり、昼も夜もそれが頭をはなれなくなり、実際にも悩まされるようになるものです。「心臓神経症」などは、こうした症状のあらわれ方をします。
また、外出するさいに、つねに鍵をかけたかどうか、火を消したかどうか、気になってしかたのない 「不安神経症」、人前に出ると何かいわれはしないかと気になり、その結果、人にあうのも恐ろしくなる「強迫神経症」(ガン・ノイローゼなどもこれにあたる)などもあります。
いずれの場合も、気に病むだけでなく、身体症状があらわれることがあります。不眠・食欲不振が多いが、頭痛・頭重・めまい・胃部の不快感・倦怠感・あちこちの痛み・冷や汗・とりはだ・動悸・記憶力の減退・注意力の散漫など、人によってさまざまなあらわれ方をします。
原因
現在の定説では、先天的な素質や性格がまずあって、そのうえにストレスや欲求不満が重なるもの、ということになっています。さらに、仕事の失敗・近親者の病気や死亡・試験の失敗・失恋などといったことが誘因になります。
漢方では身体症状をまず治す
ノイローゼは、素質や性格がからんでいるだけに治りにくいとされていますが、漢方では、まず身体症状をやわらげ、そのうえで体質改善をはかるので、著効をみることが少なくありません。
ノイローゼ(神経症)に効果的な6つの漢方薬
半夏厚朴湯
最も一般的に用いられます。発作性の心悸亢進(しんきこうしん)・めまい・のどにものがふさがる感じがあって、みぞおちがつかえて振水音のあるものによいです。ただし、衰弱している人、腹部が冷えるもの、脈が弱いものに使ってはいけません。
半夏白朮天麻湯
胃アトニーなどがあって、足が冷え、食欲不振・頭痛・めまいを訴える人に。
附子人参湯(ぶしにんじんとう)
冷え性で、色わるく、腹や脈に力がなく、不安感・めまいなどがあるものに。
柴胡加竜骨牡蛎湯
体力の充実している人で、上腹部に膨満感や抵抗があり、便秘がちで、頭重・めまい・肩こり・不眠・動悸などを訴える人に。
桂枝加竜骨牡蛎湯
やや虚弱で、のぼせやすく、疲れやすく、気分がすぐれず、頭が重い人に。
加味逍遙散(かみしょうようさん)
のぼせ・頭痛・肩こり・めまい・動悸・生理不順などがある女性に使用します。
ノイローゼの人へのアドバイス
精神的に免疫を作らなければいけません。つまり、ノイローゼの人は自分の症状なり、ものごとにこだわりすぎて、かえって病気を悪化させてしまう傾向にありますが、それはたんに自分の性格なのだと、開き直る気持ちがほしいです。
また、精神的なストレスや欲求不満が蓄積するのもよくないわけで、どのように気分転換をはかるかというのも、重要なポイントになります。
なお、思いあたるこころの原因はなく、身体症状にも内科的原因が発見されない場合は、精神科の専門医に相談することが必要です。