離婚騒動で体力も気力も限界! ストレスで生理が止まりました…

体験談

来るはずの生理が全然こない、閉経する年齢ではないのに生理が止まってしまった…。それは、もしかしたら黄体機能不全などによる無月経かも!?

そんな自分ではどうにもならない生理周期の乱れや体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか?
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。

今回は「無月経」をテーマに、薬剤師の竹田由子先生へお話を伺ってみました。 

待てど暮らせど来ぬ生理…女としてこのまま終わりたくありません!

友里さん(33歳女性)、主婦の方からご質問をいただきました。

1年ほど前から大きなストレスが続いたせいか、半年ほど前から生理が全くこない状態が続いており、このまま来なくなってしまうのではと不安に陥っています。
おそらく、原因は主人の浮気とその後の離婚によるストレスが続いたこと、それによってほとんど食事も喉を通らない状態が長く続いたせいだと思います。
体重も8キロほど落ちて洋服はみんなブカブカですし、貧血やめまい、吐き気の症状にも苦しんでいます。
子どもに恵まれなかったのは不幸中の幸いなのかもしれませんが、私もまだこれからの人生を諦めたわけではありません。もう一度幸せな結婚ができるならば子どもは欲しいですし、このまま無月経では女として終わってしまった気がして悔しいです。
どうしたらもう一度生理を復活させることができますか?

ご質問ありがとうございます。
大変つらい思いをされたのですね。まだ30代という若さで生理が半年こないというのは、大きなストレスや急激な体重の減少によって卵巣機能やホルモンの分泌などになんらかの異常が起きてしまった可能性が考えられます。
今回は、こうした無月経の原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。

続発性無月経の最大の原因は、ストレス!

相談者の方のように、妊娠していないにもかかわらず、これまであった月経が3ヵ月以上こない状態を「続発性無月経」といいます。
月経は卵巣から分泌される女性ホルモンで引き起こされますが、それ以外の臓器(脳の視床下部や下垂体、甲状腺など)からのホルモンも複雑に関与しています。このプロセスがどこかでうまく作用していないと、月経が止まってしまうのです。
原因として一番多いのは、ストレスによるもの。過度なダイエット、生活習慣の乱れ、環境の変化などで脳の視床下部がうまく機能せず、無月経となります。
日頃の生活習慣を見直して、月経のサイクルを整える必要があります。

東洋医学的な見方では、月経の停止は、気血の不足による「気血両虚」やストレスにより気血が滞る「気滞瘀血」、卵巣の衰えにより「腎陽虚」の状態に陥ることで起こると考えます。

次の章では、こうした無月経に対する具体的な解決方法をお伝えしていきましょう。

無月経を改善するためのやるべき3つのこと

1.適正体重にする努力をしましょう

急激な体重の減少などが無月経の原因になっている場合は、まずは必要な栄養素をしっかり取り、3食きちんと食べることで、徐々に体重を適正に戻していくことが大事です。
食欲がなく一度にたくさんの量を食べるのが難しい場合は、少ない量を5〜6食に分け、少しずつでも栄養価の高いものを口に入れるようにします。
ビタミンやミネラルが多く含まれる野菜やタンパク質が豊富な和食を中心に、エネルギー源となる炭水化物や糖質もきちんと摂るようにするとよいでしょう。

2.ストレスケアで心の乱れを整えよう

ホルモン分泌や自律神経は、メンタルからの影響を大きく受けています。
強いストレスを感じるときは、思い切ってそのストレス源から離れるようにしたり、うまくストレスを解消できる方法を見つけましょう。ヨガ、アロマテラピー、瞑想や呼吸法を日常に取り入れるのもオススメです。
何事も深刻に受け止め過ぎず、ポジティブな捉え方をして日々を軽やかに過ごしましょう。

3.基礎体温をつけて体調管理しよう

毎朝、基礎体温を記録する習慣を始めてみましょう。
基礎体温は女性の月経リズムを把握するのにとても有効です。
毎日記録をつけることで自分自身の体調管理への意識を高めることにもなりますし、婦人科を受診した際には医師がスムーズに診断をすすめるのに大切な情報にもなります。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

止まってしまった月経を再び起こすには、ホルモン療法という選択肢もありますが、根本的な改善を目的とした漢方薬の服用もオススメです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、人参養栄湯(ニンジンヨウエイトウ)です。ストレスや栄養不良によって体力が低下している方の気や血を補い、全身状態を改善してくれる効果があります。また、ストレスで不眠などもある場合は、胃腸を整え、自律神経も整える帰脾湯(キヒトウ)がよいでしょう。
冷えが強く、長期の体調不良があったり風邪をひきやすいタイプの方には、体を温めて血行を促す効果の高い当帰四逆加呉茱萸生姜湯(トウキシギャクカゴシュユトウ)もオススメです。

栄養を摂って体力をつけ、全身状態を整えましょう

今回は、無月経に悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
月経がこないということは、脳や卵巣などのホルモン分泌機能がうまく働いていないことが考えられます。まずは生活習慣の改善、十分な栄養の摂取を心がけて、女性としての体の機能を取り戻していきましょう。
「神経性食欲不振症」など早期に治療を必要とする疾患が隠れていることもあります。自分の体の状態を把握するためにも、早めに婦人科医を受診することをオススメします。

また、漢方薬が無月経の根本的な改善に大きな効果を発揮した例もありますので、お近くの漢方医や漢方薬局にも相談してみくださいね。


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