少しの刺激でプツプツと肌荒れ…生理前の肌をなんとかしたい!

体験談

生理の前は肌のお化粧のノリが悪い、いつもより肌が敏感になっている気がする…。
それは、もしかしたら月経前症候群(PMS)による肌荒れの症状かも!? 実は、多くの女性が月経前に起こるさまざまな症状に悩んでいます。

自分ではどうにもならない生理時の不調やつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか? 
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。

今回は「生理前の肌荒れ」をテーマに、薬剤師の竹田由子先生にお話を伺ってみました。

敏感すぎる激弱肌のせいで子どもとのスキンシップも楽しめません!

麻美子さん(35歳女性)、主婦の方からご質問をいただきました。

昔から肌が弱く、化粧品などにも敏感なタイプでしたが、このところ肌状態がものすごく悪くて悩んでいます。特にひどいのは生理前の1週間ほどで、この期間は普段使い慣れている敏感肌用の化粧水を塗っただけでも、すぐに肌が赤くなってピリピリしてしまいます。
小さな子どもがいるので、ファンデーションを塗ったり派手なメイクをする機会はそうはないのですが…。
紫外線トラブルも怖いので、スキンケアと日焼け止めくらいはしっかりしたいと思うものの、何か塗るたびに赤みやかゆみがひどくなるので、ほぼすっぴんで過ごしています。
ただ、何も塗らないとかえって乾燥して皮むけしたり、子どもに顔を触られただけでもプツプツと湿疹のような吹き出物ができてしまって、どうしていいやら…。
このひどい肌荒れをなんとか改善する方法はないでしょうか?

ご質問ありがとうございます。
生理前になると肌が敏感になり、ちょっとした刺激で荒れやすくなることがあります。
今回は、生理前に起こる肌荒れの原因や改善方法について詳しくお伝えしていきましょう。

肌荒れの原因は皮脂分泌の増加と「気」の巡りの停滞

排卵後から月経前にかけて肌トラブルが起こりやすくなるのは、黄体ホルモン「プロゲステロン」の分泌が増えることに関係があります。この黄体ホルモンには男性ホルモンに似た役割があり、バリア機能を低下させたり、過剰な皮脂分泌を促す作用があります。
そのため、この時期の肌は普段より肌荒れしやすい状態になってしまうのです。

また、東洋医学では、月経前は「気・血・水(生命エネルギー・血液・水分)」が滞りやすくなると考えられています。
血の不足や滞りによって「血瘀(けつお)」の状態となり、「血」の流が滞ることや、「気」の巡りが停滞することからくるストレスも肌荒れの原因と言えるでしょう。

次の章では、こうした月経前に起きやすい肌荒れに対する具体的な解決方法をお伝えしていきますね。

月経前の肌荒れを改善するセルフケア3選

1.質の良い睡眠を心がけましょう

肌荒れを改善し、美肌への生まれ変わりを促進するには、質の良い睡眠をとることが大事です。
眠ることで栄養が血液によって毛細血管まで行き渡り、肌の生まれ変わりを促進します。肌の回復を助ける成長ホルモンは、眠ってから約2時間後のノンレム睡眠中に多く分泌されます。
就寝前は飲食や、スマートフォンからのブルーライトを避けて、この時間帯の睡眠の質を高めましょう。
深い眠りを得られるように、自分の活動時間に合わせて生活リズムを整える意識をしてみてください。

2.食生活で美肌をサポートしよう

月経前は皮脂の分泌量が増えるため、脂肪分の高い食品や高カロリーの食事は控えましょう。
肌状態を底上げし代謝を助けるには、ビタミンB群やビタミンC、水分をたっぷりとるようにしましょう。

3.便秘を予防して腸内環境を整える

腸内に悪玉菌が増え、腸内環境が悪化することでも肌荒れやニキビが起こりやすくなります。
普段から、善玉菌を増やす食べ物を積極的に摂ることで腸内環境を整え、ホルモンの変化に左右されて肌状態がゆらぐのを防ぎましょう。

善玉菌を増やす食べ物
野菜などの食物繊維、ヨーグルトなどの乳酸菌、納豆・甘酒・ぬか漬けなどの発酵食品、オリゴ糖、オリゴ糖が多く含まれるてんさい糖などです。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

月経前の肌荒れを予防&改善するために、市販薬の塗布や服用、美容皮膚科での治療に頼るという選択肢に加えて、根本的な改善を目的とした漢方薬の服用もおすすめです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、温清飲(ウンセイイン)です。皮膚の赤みやかゆみに用いられる黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)が含まれ、血流を整え月経に伴う症状に期待ができます。乾燥した敏感肌でニキビや肌荒れを繰り返しがちな方におススメです。また、冷えが強く、シミやニキビができやすい方には、血行をよくして肌に栄養をいきわたらせる作用のある桂枝茯苓丸加薏苡仁(ケイシブクリョウガンカヨクイニン)もオススメです。

一方、炎症はそんなに感じないけれど、常にカサカサ乾燥してかゆみに悩んでる場合は、当帰飲子(トウキインシ)も血行を促進し、肌にうるおいを与えるのでよいでしょう。

ホルモンの変化に負けない肌を手に入れましょう

今回は、月経前の肌荒れに悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
質の高い睡眠をとり、食生活のバランスを整えることで、ホルモンの変化にもゆらがない肌を目指しましょう。
また、セルフケアを試しても改善しない肌荒れの症状には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。


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