頭皮がカサカサに乾燥してかゆい…清潔第一の私がフケまみれに!
毎晩髪を洗っているのになぜかフケがパラパラと落ちてくる、なんだか頭皮がかゆくて仕方がない…。
エイジングに悩む40代〜50代の中高年世代の女性のなかには、こうした「頭皮の乾燥」に悩んでいる方も少なくありません。
こうした自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか?
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。
今回は「頭皮の乾燥」をテーマに、薬剤師の中田早苗先生にお話を伺ってみました。
目次
頭をかくたびに大量のフケが…ストレスで頭皮の乾燥が悪化!?
千晶さん(46歳女性)、会社員の方からご質問をいただきました。
最近、なぜだか仕事で煮詰まったりイライラしたりすると、後頭部のあたりが熱を帯びたようになって異様にかゆくなるんです。
先日も勢いに任せてボリボリ頭をかいてしまったら、ジャケットの肩や背中の部分にパラパラと白いフケが落ちてきてギョッとしてしまいました。
どんなに忙しくても、身だしなみだけはきちんとしたいと思っているので、睡眠時間を削ってでも毎晩欠かさずシャンプーしているのに…。
いくら乾燥しているとはいえ、こんなにフケが大量に出てくるなんてショックです。
もともと肌は強い方ではなく、40歳を過ぎてからは肌の乾燥も年々ひどくなる一方なので、顔の方は気を使って保湿ケアはしているつもりです。ですが、頭皮にまで顔用の保湿クリームを塗りたくるわけにも行かず、どうしたものかと悩んでいます。
どうしたらこの不快な頭皮の乾燥を改善できるのでしょうか?
ご質問ありがとうございます。
肌と同じく、年齢を重ねるにつれて髪や頭皮の角層からも潤いを保つ成分が減り、乾燥を感じる方が増えてくるようです。
今回は、頭皮の乾燥の原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。
頭皮の乾燥はターンオーバーの乱れと「血虚」が原因
肌と同様、頭皮にもターンオーバーという肌が新しく生まれ変わるシステムがあります。
ところが、ストレスや睡眠不足、生活習慣の乱れなどにより血管が収縮して血行不良が起きると、新陳代謝が低下し、ターンオーバーに乱れが生じます。
これにより頭皮のバリア機能が衰え、水分量が減ることで頭皮が乾燥してしまうのです。
また、肌に合わない洗浄力の強すぎるシャンプーなどで髪を洗いすぎることも頭皮の乾燥につながります。
東洋医学では、人の体は「気・血・水(生命エネルギー・血液・水分)」の3つの要素からなるとされていますが、頭皮の乾燥は、そのうちの「血」が不足した状態「血虚(けっきょ)」によって生じると考えられています。
次の章では、こうした頭皮の乾燥の改善に対する具体的な方法をお伝えしていきましょう。
頭皮の乾燥を解消する3つのセルフケア
1.シャンプーの際に頭皮をこすりすぎない
フケやかゆみが気になるからといって、シャンプーの回数を増やしたり、洗髪の際に必要な皮脂まで取ってしまうほど頭皮をこすり洗いするのは絶対にやめましょう。
洗いすぎによる皮脂の欠乏によりバリア機能が弱まると、角質細胞がはがれてさらに乾燥が進んでしまいます。
また、摩擦により頭皮が傷んで肌内部が乾燥し、インナードライの状態になることで炎症をともなうかゆみが起こることもあります。
髪を洗うときは、ぬるめのお湯でしっかり汚れを落とした後、低刺激性のシャンプーやリンスを使い、よくすすぐことが大切です。
洗髪は1日〜2日に1回でじゅうぶんですので、それ以上洗うのは避けましょう。
2.良質な睡眠でホルモンバランスを整える
頭皮の乾燥には、睡眠不足やストレスなどによる自律神経の乱れが大きく関わっている場合があります。
日頃からストレスを溜めないように意識し、毎日の睡眠時間は、最低5~6時間は確保するようにしましょう。
また、睡眠のリズムを整えることで髪や皮膚の細胞の成長を促すホルモンのバランスが整いやすくなるため、できるだけ毎日同じ時間に起床・就寝するように心がけることが大事です。
3.頭皮マッサージをして血行アップ!
頭皮の乾燥を防ぐには、頭皮の血の巡りを良くすることが大切です。
朝晩2回、頭皮のマッサージをすることで頭皮をで柔らかくし、髪のアンチエイジングにも繋げましょう。
①頭皮全体を引き上げる
両方の手の指5本の指の腹を髪の生え際に置き、頭のてっぺんに向かって円を描くように頭皮を引き上げていきます。
心地よい痛みを感じる程度の強さで前頭部・側頭部・後頭部の順番に引き上げましょう。
②頭頂部のコリをほぐす
両手をクロスするように組んで頭頂部に置き、手根(手のひらの付け根)部分で頭のてっぺんを挟むようにして、引き上げるように揉みほぐします。強めの圧をかけてリズムよく行います。
③後頭部を揉みほぐす
側頭部を支えるようにして襟足のくぼみに両手の親指を置き、後頭部全体に円を描き引き上げるように揉みほぐす。
心地よい痛みを感じるくらいの圧をかけましょう。
根本的な体質改善には漢方薬が効果的!
頭皮の乾燥を改善するために、市販薬や頭皮用のステロイド剤の塗布という選択肢に加えて、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。
特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、温清飲(ウンセイイン)です。
頭皮が乾燥して熱を持ち、かゆみの症状が強い方に対して「血虚」や「血熱(けつねつ)」を改善してこもった熱を冷まし、かゆみやイライラ感などの精神症状も緩和する効果があります。
また、皮脂の分泌が減って角質が剥がれる症状のある方には、「血」と「気」を補って肌に栄養と潤いを与える当帰飲子(トウキインシ)も良いでしょう。
頭皮の血流を促して乾燥を改善していきましょう
今回は、頭皮の乾燥に悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
洗髪のし過ぎや睡眠不足などに注意しながら頭皮のマッサージを習慣づけ、頭皮の状態を改善していきましょう。
また、こうした乾燥によるさまざまな症状の改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。
セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。