このまま呼吸が止まるかも!?激しい動悸にパニック寸前!
少し動いただけなのに脈が乱れて息苦しい、安静にしてもドキドキが止まらない…。
それは、もしかしたら貧血による動悸の症状かも!?
自分ではどうにもならない体の不調やつらい症状の緩和、体質改善には漢方薬がよく効くことをご存知でしたか?
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師がお答えしていきます。
今回は「貧血による動悸」をテーマに医師の青木先生にお話を伺ってみました。
目次
少しの動きでも起こるドキドキ…不安でどうにかなりそうです!
佳奈美さん(37歳女性)、主婦の方からご質問をいただきました。
数年前に鉄欠乏性貧血と診断され、さまざまなつらい貧血症状に悩んでいます。
なかでもいちばんつらいのは、ドキドキと脈打つような動悸で、いつもこのまま呼吸が止まってしまうんじゃないかと不安でいっぱいになってしまいます。
激しい運動をしたときならまだしも、私の場合は階段の登り降りなどのちょっとした動きでも、ドキドキが襲ってくるんです。
しかも、動悸がするときに限ってぐるぐると天井が回るようなめまいを感じたり、ふらつきを感じることもあって…。
常にこういった症状があるわけではないのですが、いつこの症状が起きるかと思うと、常に不安な気持ちでいっぱいです。
どうしたらこの苦しい動悸の症状が消えてくれるのでしょうか?
ご質問ありがとうございます。
貧血による動悸に自律神経の乱れが加わると、安静時にも動悸が激しくなることもあります。そうした症状への不安から、さらに悪化してしまうこともあるようです。
今回は、貧血による息切れの原因や改善方法について詳しくお伝えしていきましょう。
体内の酸素不足による心臓への負担が動悸の原因
血液中の赤血球の成分であるヘモグロビンには、血液の流れとともに体内に酸素を運ぶ働きがあります。このヘモグロビンが正常値よりも少なくなった貧血の状態が続くと、少し動いただけでも酸素が不足して心臓に負担がかかり、動悸などのさまざまな症状が現れるのです。
貧血になる原因としては、栄養の偏りや不足、鉄を吸収するためのビタミンCの不足、また、月経や妊娠・出産・授乳期において鉄分の必要量に摂取量が追いつかないことなどが挙げられます。
東洋医学では、貧血は「血虚」の状態とされ、血を補うことで改善をはかります。また、「血」だけではなく「気」の不足である「気虚」を伴うこともあると考えられています。
次の章では、貧血による動悸に対する具体的な解決方法をお伝えしていきましょう。
動悸の症状を改善する対処法&セルフケア3選
1.活動したらしっかり休息をとる
動悸などの症状を強く感じるときは、長時間めまぐるしく活動し続けることのないように、しっかり休息する時間をとりましょう。
貧血による疲労などの強いときには、無理に動くことで体内が酸素不足に陥り、余計心臓に負担がかかってしまいます。とはいえ、全く動かず横になっているのも体力の低下を招くため、呼吸法を取り入れたストレッチやヨガなど、無理のない範囲で適度に体を動かすようにすることが大事です。
2.動悸を感じてもパニックにならない
たいして動いてもいないのに急激に心臓がドキドキするような動悸が起こると、それだけで不安になって慌ててしまう人も多いのではないでしょうか?
不安や焦りにより自律神経が乱れると、症状が悪化することもあります。
呼吸が乱れて息苦しい気がしても、貧血による動悸で呼吸が止まってしまうことはありませんので、過呼吸にならないよう落ち着いてゆっくりと腹式呼吸をしましょう。
3.鉄分吸収をUPする食材を摂る
動悸の起こる原因となっている鉄不足を解消するために、鉄分を吸収しやすくする食材を取り入れましょう。鉄分とともに、ビタミンCや葉酸の含まれるほうれん草やブロッコリー、かぼちゃ、イチゴなどを摂るのがオススメです。
また、コーヒーや紅茶、緑茶などタンニンの含まれる飲み物は鉄分の吸収を阻害してしまいます。鉄分は非常に吸収が悪いため、鉄剤や鉄分の入ったサプリなどを飲むときは、前後30分間はタンニンの摂取をしないようにしましょう。
根本的な体質改善には漢方薬が効果的!
貧血による動悸を改善するために、鉄剤の内服や注射などの選択肢に加えて、原因から根本的に改善することを目的とした漢方薬の服用もオススメです。
特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)です。めまいやふらつきをともなう動悸の症状がある方の「気」を補い、体の上部に溜まった水分代謝をよくして「心(心臓)」の症状を改善する効果があります。
また、足腰の冷えが強く、のぼせや肩こりなどの症状もある方には、「血瘀(けつお)」の状態を改善して「気」と「水」滞りをよくしてくれる桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)もオススメです。
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活動と休養のバランスをとって予定をたてましょう
今回は、貧血による動悸に悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
まずは活動と休養のバランスをとって酸素不足に陥らないようにすることを心がけ、動悸がしても不安になりすぎないようにしましょう。
鉄分をよく吸収させるためにも、症状がつらいときには鉄分の摂取を助けるような栄養のとりかたも大事です。
また、動悸などの貧血症状には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。
セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてください。
「貧血」は重大な病気のサインの可能性も
貧血症状だと思っていた方のなかには、自律神経失調による一過性の脳虚血だった方が多くいらっしゃいます。また、潰瘍や癌から出血している場合や、脳梗塞等別の重篤な疾患の可能性もあります。
少しでも治療が遅れると取り返しのつかないことになりますので、定期的な検査や受診も忘れずに行いましょう。