目元の乾燥が諸悪の根源!?残業続きでゾンビのような顔に…
花粉症の時期になると目の周りが痛いほど乾燥してしまう、スキンケアをしても目の周りだけ乾燥がひどい…。
30代〜50代のミドルエイジ女性のなかには、こうした「目の周りの乾燥」に悩んでいる方も少なくありません。
こうした自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか?
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師がお答えしていきます。
今回は「目の周りの乾燥」をテーマに、医師の青木先生にお話を伺ってみました。
目次
目の周りの乾燥で“お疲れ顔”が加速中…もう鏡も見たくない!
亜紗美さん(44歳女性)、会社員の方からご質問をいただきました。
40才をすぎてからというもの、目元の老化が激しくて、ここ数年でどっと老け込んでしまったような気がしています。
もともと乾燥肌気味ではあり、いつも秋口くらいからは顔や体の乾燥が気になってはいたのですが、この頃は特に目元の乾燥がひどいんです。出勤前にどんなに保湿してきても、午後にはピリピリと乾燥が目立ってきて、ひび割れのように小じわが出現してしまい、もう鏡を見るのも嫌なほど。
20代や30代の頃は徹夜をしても、翌日しっかり休めばスッキリしていたのに、今では次の日どれだけ寝ても顔はげっそり、目元のクマやくすみ、ちりめんのように刻まれたシワもなかなか消えてくれなくて…。
忙しい仕事も体力が追いつかず、こんなゾンビのような顔で仕事をするくらいなら、いっそ早期退職でもしてしまおうかしら…とさえ考えてしまう日々です。
若い頃と同じとまではいかなくても、潤って生き生きとした目元をもう一度取り戻すにはどうしたらいいのでしょうか?
ご質問ありがとうございます。
目の周りの皮膚は頰に比べてかなり薄く、体調や加齢による変化、血の巡りなどの影響を受けやすい部分でもあるため、外側からと内側からの両方の対策をしていくことが大事です。
今回は、目の周りの乾燥の原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。
目の周りの乾燥はバリア機能の低下と「血虚」が原因
肌にはターンオーバーという肌が新しく生まれ変わるシステムがあります。
ところが、加齢やストレスなどによりこの周期が乱れ、角層の水分量や保湿成分が減少することで、肌のバリア機能が低下して乾燥を招いてしまうのです。
特に目の周りの皮膚は薄く、表情の変化などによる動きも多いため、乾燥や小じわなどの症状も起こりやすいと言えるでしょう。
東洋医学では、人の体は「気・血・水(生命エネルギー・血液・水分)」の3つの要素からなるとされていますが、目の周りの乾燥は、そのうちの「血」の不足による「血虚(けっきょ)」によって生じます。
血液が体の隅々まで行き渡らないことで、皮膚が乾燥するのはもちろん、クマやくすみ、小じわの原因になることもあるのです。
次の章では、こうした目の周りの乾燥の改善に対する具体的な方法をお伝えしていきましょう。
目の周りの乾燥を改善するセルフケア3選
1.メイク落とし時の擦りすぎに要注意
顔のなかでも特に目元が乾燥する、という方がやりがちなNGスキンケアは、メイク落としの際にこすりすぎること。過度なこすり洗いによって、肌の角層で潤いを保つ働きをしてくれているセラミドを減少させてしまい、目の周りの乾燥をさらに悪化させてしまうことになります。
また、ウォータープルーフタイプのアイメイクなどを簡単に落とすには、オイルクレンジングが便利ではあるのですが、洗浄力の高いもので洗いすぎることで自然な皮脂が根こそぎ奪われてしまうこともあるため要注意です。
目の周りの乾燥が気になるときには、なるべく肌に負担の少ないメイクを心がけ、クレンジングや洗顔も、洗浄力より保湿力の高いものを選ぶようにしましょう。
2.どうしてもかゆいときは目の周りを冷やす
花粉やハウスダストなどのアレルギーによって目元を掻いてしまうと、その刺激によって乾燥やかゆみを更に悪化させてしまうことがあります。
掻きこわしによる乾燥を防ぐためには、目元を保冷剤で冷やして血管を収縮させることでかゆみを沈静化させて、うっかり搔いてしまうのを防ぐことが大切です。
かゆみの症状の強いときには、スキンケアやメイクもなるべく敏感肌用などの肌に優しい使うようにし、じゅうぶんに保湿するようにしましょう。
3.鉄分たっぷりの食生活で「血虚」を改善!
血液の不足や巡りの悪さからくる「血虚」が原因の乾燥には、スキンケアで外側から肌を保湿することも大事ですが、身体の潤いが増す食べものを積極的に摂って、内側から保湿することも非常に重要です。
その代表が血液の素となる成分である鉄分。鉄分を豊富に含む食材を積極的に取り入れて、体の中により多くの血を巡らせ、潤い肌を取り戻しましょう。
◎鉄分が豊富な食べ物
レバー、赤身の肉、マグロ、牡蠣、イカ、タコ、豚肉、卵、ホウレン草、プルーン、黒ゴマ、ニンジン
根本的な体質改善には漢方薬が効果的!
目の周りの乾燥を改善するために、市販薬や保湿用コスメ、ステロイド剤の塗布という選択肢に加えて、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。
特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、十全大補湯(ジュウゼンタイホトウ)です。
疲労や貧血、体調不良などによって全身が弱っている方の「気」と「血」を補い、皮膚の乾燥や冷えなどを改善する効果があります。
また目元の乾燥とともにクマやくすみなどの症状もある方には、血行を促進して体を温めてくれる効果のある四物湯(シモツトウ)も良いでしょう。
自分の症状や体質にぴったりマッチした漢方薬を選ぶのは難しいと感じがちですが、「オンラインAI漢方」では、お悩みの症状を元にAIがあなたにぴったりな漢方薬をご案内しています。
自宅にいながら気軽に始められますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
食の改善とスキンケア、内からと外からの対策をしましょう
今回は、目の周りの乾燥に悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
血液を増やし、巡らせる食材を取り入れるとともに、洗顔時のこすりすぎや、かゆみにより起こる乾燥への対策をし、生き生きとした潤いのある目元を取り戻しましょう。
こうした乾燥によるさまざまな症状の改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。
セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。