元ガングロギャルが涙の後悔…メイクでも隠せないシミを消して!

体験談

年齢を重ねるとともに肌に茶色いシミがパラパラと広がってきた。両頬に大きく黒ずんだシミが出現してしまった…。プレ更年期(30〜40代)や更年期(40〜50代)を迎えた女性なら、誰でもこうした悩みをかかえています。

そんな自分ではどうにもならない更年期の肌不調やつらい症状の緩和には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか? 
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。

今回は「更年期のシミ」をテーマに、薬剤師の竹田由子先生にお話を伺ってみました。 

顔中シミだらけに…小麦肌に憧れた青春のツケが更年期に襲う!

美香さん(44歳女性)、主婦の方からご質問をいただきました。

数年前から、ファンデーションでは到底隠しきれないようなシミに悩んでいます。
30代半ばに頬にチラチラと薄茶色のものが目立ち始めたとき、嫌な予感はしていたんですが、まさかこんなことになるとは…。
今となっては後の祭りですが、何を隠そうこの私、10代〜20代と夏は海、冬は日焼けサロンに通いつめるほどのギャルだったんです。
社会人になってからは日焼けサロンに行くことこそ止めましたが、当時の私はまだ「健康的な小麦肌派が一番!」と思って、日焼け止めとは無縁の人生でした。
そんな私が焦り始めたのは、まばらな茶色いシミに加えて、両頬に大きく黒ずんだ巨大なシミができてからです。「肝斑」というシミらしいのですが、これがもうコンシーラーでもファンデーションでも全く消えてくれません。
今はもう、毎朝鏡の前で泣きそうになりながら必死でメイクしている自分が虚しくて悲しくて、夫にも娘にも当たり散らしてしまう日々…。
どうにかして、このシミを少しでも薄くすることはできないでしょうか?

ご質問ありがとうございます。
メイクで隠せないほどの肝斑は、日頃のスキンケアやビタミン摂取などではどうにもならないことが多く、大きなストレスにつながりがちですよね。
それでは今回は、更年期のシミの原因や改善方法についてお伝えしていきましょう。

女性ホルモン減少と紫外線ダメージがシミの原因

更年期にできやすいシミには、「肝斑」と「老人性色素斑」があります。
肝斑は女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンのバランスが崩れることが原因で、更年期には急激に女性ホルモンの分泌が減るために現れやすくなります。また、長年紫外線を浴び続けたことによって出来る老人性色素斑も、肌の老化とともに目立つようになります。

東洋医学では、シミの原因を「肝(かん)」の衰えと捉えます。
「肝」には「気(生命エネルギー)」や「血(血液)」の巡りを調節し補う働きはありますが、この「肝」の不足により「血」が滞ると「血瘀(けつお)」の状態を招き、肌への栄養が不足して様々な肌トラブルが起こると考えられています。

次の章では、こうした更年期のシミに対する具体的な解決方法をお伝えしていきましょう。

更年期のシミを改善するセルフケア3選

1.良質な睡眠でターンオーバーを促そう

シミを改善するためには、ターンオーバー(肌の生まれ変わり)によってシミのもとになっているメラニン色素の排泄が円滑に進むことが大切です。
睡眠不足や疲労、ストレスなどによりこのシステムがうまく働かなくなると、黒色メラニンを抱え込んだままの肌細胞が、排泄されることなく肌に残ってしまいます。
疲労やストレスを溜めない生活を心がけ、たっぷりと質の良い睡眠を得ることで成長ホルモンの分泌を促進し、肌の回復力を高められるようにしましょう。

2.紫外線対策はオールシーズン万全に

紫外線は、肌の老化にとって最大の敵! 若い頃に浴びた紫外線は若気の至りとしても、これから浴びる紫外線に対しては万全の対策をしましょう。
特に3月から5月にかけては、真夏ほど日差しは強くないものの、紫外線量はかなり多くなります。日傘や日焼け止め、UV効果のある羽織りなどを活用してUVケアを怠らないようにしてくださいね。

3.シミに効くサプリや食材を活用しよう

女性ホルモンの乱れやストレスなどにより現れやすい「肝斑」には、メラニンを生み出す因子の働きを阻害するトラネキサム酸が有効だとされています。
また、メラニンの蓄積によって起こる「老人性色素斑」には、メラニンの生成を抑えて濃くなったシミを薄くするといわれているビタミンCや、抗酸化作用のあるビタミンAやE、メラニン色素の沈着を抑制するL-システイン、新陳代謝を促進するビタミンB2などが効果的です。
こうした成分の含まれるサプリやスキンケア、食材を積極的に取り入れ、内側からも外側からもケアしてシミのない美肌を手に入れましょう。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

更年期に増えがちなシミを改善するために、美容医療やレーザー手術を受けるなどの選択肢に加えて、根本的な改善を目的とした漢方薬の服用もオススメです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方にオススメしたい漢方薬は、桂枝茯苓丸料薏苡仁(ケイシブクリョウガンカヨクイニン)です。血の巡りを改善し、肌のターンオーバーを正常化して肌の新陳代謝を促すことでシミやニキビを改善していきます。
また、イライラなどの精神症状やのぼせ、便秘などのある方には、桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)も血流を改善して気持ちを穏やかに鎮め、ホルモンバランスを整えるため更年期のシミに用いられることがあります。
一方、貧血気味の冷え症のタイプでは、当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)が血流を改善してホルモンバランスを整え、肌のトーンアップが期待できます。

肌の生まれ変わりを促進して美肌を目指しましょう

今回は、更年期のシミに悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
睡眠不足や疲労を避け、良質な睡眠と栄養を摂ることで、スムーズなターンオーバーを促しエイジング肌のトラブルを解消していきましょう。
また、こうしたシミなどの肌トラブルや、様々な更年期症状の改善には漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。

竹田由子

薬剤師 竹田由子(たけだゆうこ) 臨床薬学専門。病院で10年以上医薬品情報室に長年従事し、医薬品に関する情報に精通。 元漢方・生薬認定薬剤師、薬膳漢方マイスター。 漢方の活用で月経痛時の鎮痛剤を減量できた自身の経験から「日常の不調はまず漢方」をモットーに体の不調を我慢する女性へ対し情報発信している。

プロフィール

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