ついに私も花粉症デビュー!?連続するくしゃみで洗濯干しも一苦労!
少し窓を開けて換気しただけでくしゃみが出て止まらなくなる。何回も連続して出るくしゃみで作業に集中できない…。
2月〜5月にかけての花粉シーズン、こうした「花粉症によるくしゃみ」に悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
こうした自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか?
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。
今回は「花粉症によるくしゃみ」をテーマに、薬剤師の竹田由子先生にお話を伺ってみました。
目次
襲い来るムズムズとくしゃみの発作! どうにかこの症状を止めて…
優希さん(40歳女性)、主婦の方からご質問をいただきました。
これまでずっと花粉症で苦しむ人たちを尻目に、申し訳ないほど快適な日々を送ってきたのですが、私も去年あたりから様子がおかしくなってきたんです。
「アレレ、なんとなく鼻がムズムズするような…。」という花粉症ビギナーのような雰囲気が漂い始めたのをきっかけに、風邪もひいていないのに謎のくしゃみが出るように。
それでも、去年までは気のせいだと自分に言い聞かせてきましたが、今年の春、お天気の良い日に洗濯物を干していたら、ついに鼻のムズムズとくしゃみが止まらないほどの事態になってしまったんです。1枚干すたびに「ハーーックション!」、もう1枚広げて「ハックショーーイ!」と爆音でくしゃみし続けていたので、隣近所の奥様方に笑われるのではないかとつい気になってしまうほど…。
部屋に戻ってテレビを観始めても、しばらくは鼻水とくしゃみでワイドショーのコメンテーターが何を言っているのかもわからないほどでした。
これから先の長い人生、花粉症と一生付き合っていくなんて真っ平御免なのですが、何か良い改善方法はないでしょうか?
ご質問ありがとうございます。
若い頃は花粉症の症状がまったくなかったのに、大人になってから突然発症される方も多くいらっしゃいます。
症状の出始めに対処することで重症化を防ぐこともできるため、なるべく早めに対策を行うようにすることが大切です。
今回は、花粉症によるくしゃみの原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。
花粉症によるくしゃみは「水」と「気」の乱れが原因
花粉症は、鼻腔内に入ってきたスギ等の花粉に対する免疫反応により、さまざまな症状が引き起こされるアレルギー症状です。
スギ以外にもイネやブタクサなどさまざまなアレルゲンがあり、それぞれの花粉が飛散する季節に症状が起こります。
特にくしゃみの症状は花粉症の代表的な症状のひとつで、鼻の粘膜についた花粉を取り除こうとする働きにより生じ、短時間のうちに頻発するのが特徴です。
東洋医学では、「気・血・水(生命エネルギー・血液・水分)」のバランスが崩れて体に余分なものが溜まることで花粉症の不快症状が現れると考えられており、くしゃみは、体内に余分な「水」が溜まることに加え、「気」の巡りに変調をきたすことで、体の上部に「水」を押し上げてしまうことによって生じるとされています。
次の章では「花粉症によるくしゃみ」を改善するための具体的な方法をお伝えしていきましょう。
花粉症によるくしゃみを抑える3つのセルフケア
1.外出後は早めのケアで花粉を排除する
花粉は良く晴れて乾燥している日や風の強い日、また雨の降った翌日などに多く飛散します。
このような日はなるべく外出を控えるのがオススメですが、どうしても外出しなければならない場合はマスクやメガネなどを着用し、少しでも花粉が粘膜に付着するのを防ぐことが大切です。
また、帰宅したら玄関に入る前に、できるだけ髪の毛や衣服に付いた花粉を落としてから家に入るようにすること。そして帰宅後はすぐに手洗いとうがいをし、できるだけ早くお風呂に入り洗髪するようにしましょう。
2.疲労・ストレス・睡眠不足を改善する
疲労が蓄積して副交感神経が優位になると、花粉症の原因物質であるヒスタミンが放出されやすくなったり、自律神経のバランスが崩れることで免疫系が過剰な反応をして花粉症の症状を悪化させたりすることがあります。
花粉症対策では、花粉を避けるための対策がクローズアップされがちですが、疲労やストレス、睡眠不足を避けることで免疫力や抵抗力を高め、症状を抑えるのも有効です。
春先の花粉症シーズンは何かと忙しい時期でもありますが、できるだけストレスを溜めないように心がけ、自分のための時間を確保してリラックスし、ゆっくり体を休められる時間を取るように心がけましょう。リラックスにアロマなどを用いるのもおすすめです。
3.体の冷えをとって症状の悪化を防ごう
体を冷やすことにより「気・血・水」のバランスが崩れ、「寒証(かんしょう)」の状態になることで、連続したくしゃみの症状などが起きたり、悪化させてしまったりすることがあります。
花粉症対策には、日頃から体を冷やさない工夫をし、体を温めることが大切です。
体の冷えは足元から来ると言われているため、春先でも靴下を履いて足を冷やさないようにしたり、半身浴で下半身を温めたりすることもオススメです。
また、適度なウォーキングやジョギングをすることで全身の血行を良くし、体を内側からぽかぽかと温めるのも良いでしょう。
根本的な体質改善には漢方薬が効果的!
花粉症によるくしゃみを改善するために、抗アレルギー薬の服用や注射などの選択肢に加えて、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。
特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、小青竜湯(ショウセイリュウトウ)です。冷えた体を温め、水分代謝を整え鼻汁やくしゃみというくしゃみが1日に何度も出る方、花粉症の初期の方の体の冷えにより起こる「寒症(かんしょう)」の症状を和らげ、症状を改善する効果があります。
胃腸が弱いなど小青竜湯に含まれる麻黄を避けたい方は、同じような効き目が期待できる苓甘姜味辛夏仁湯(リョウカンキョウミシンゲニトウ)がオススメです。
また、粘り気のある濃い鼻水などをともなうくしゃみの症状のある方は、慢性化した鼻炎症状を緩和してくれる荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ)も良いでしょう。
一方、花粉などのアレルゲンに負けないからだを作りたい場合は、胃腸の働きを高め免疫力を高めるという荊芥連翹湯(ホチュウエッキトウ)もオススメです。
花粉症によるくしゃみを改善するために、抗アレルギー薬の服用や注射などの選択肢に加えて、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。
花粉対策に加えて免疫力アップを心がけましょう
今回は、花粉症によるくしゃみに悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
くしゃみの症状を改善するには、外出の際の花粉症対策を怠らないだけでなく、疲労やストレス、睡眠不足や冷えを避けることが大切です。
また、こうした気になる花粉症の症状改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。