更年期に始まった謎の手足のしびれ…悪化を防ぐにはどうすれば?

体験談

手や足がピリピリとして敏感になった、朝起きると手がこわばっていてなかなか動かない……。
それは、もしかしたらプレ更年期(30〜40代)や更年期(40〜50代)に起こりがちな「しびれ」の症状かも!?

そんな、自分ではどうにもならない更年期の不調やつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか? 
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。

今回は「更年期のしびれ」をテーマに、薬剤師の中田早苗先生にお話を伺ってみました。

検査しても異常なし…寝起きにピリピリ手足がしびれるのはなぜ?

美智代さん(54歳女性)、主婦の方からご質問をいただきました。

ここ半年ほど、ちょっと気になる症状があって戸惑っています。
朝起きたときに、なんだかいつも手足がしびれているような、こわばっているような感じがすることが続いているんです。
日中、孫の面倒を見たりして体を動かしているときはそこまで強く症状を感じることはなかったのですが……。
最初は脳卒中の前兆だったらどうしようとか、リウマチだったらどうしようなんて思っていたのですが、病院で検査をしても特に異常なし。
最近気になるのは、洗い物や洗濯などのときに冷たい水に触れて手が冷えると、ピリピリとしたしびれの症状が強く出るようになってきたこと。
最初は起床時だけだったのに、家事をしているときに気になって手を止めてしまうほどの症状が出たことに驚きと恐怖を感じています。
この症状はいったい何なのでしょうか? 改善する方法があれば教えてください。

ご質問ありがとうございます。
更年期の症状のひとつとしてしびれが出る方もいますが、進行しないうちに対策をとることが大事です。
今回は、更年期に起こるしびれの原因や改善方法についてお伝えしていきましょう。

自律神経の乱れと「血」の巡りの悪化がしびれの原因

更年期になると女性ホルモンのエストロゲンの分泌が減り、ホルモンバランスの急激な変化が起こります。これにより血流を調節している自律神経が影響を受けて血行が悪くなったり、筋肉の緊張によっても手足にしびれが起こることがあります。
また、エストロゲンの減少によって皮膚が薄くなり、手足の皮膚が乾燥し敏感になることで症状が出ることも考えられます。

東洋医学では、自律神経が乱れ「気(生命エネルギー)」が滞ることで「血(血液)」の巡りが悪化し、手足にしびれなどの症状を生じさせると考えられています。

次の章では、こうした更年期のしびれに対する具体的な解決方法をお伝えしていきましょう。

更年期のしびれを解消する3つの対処法

1.体を冷やさないようにする

体の冷えは血流の悪化を招き、筋肉や筋膜を硬直させて神経を圧迫するリスクを高めてしまいます。
夏場でもシャワーで済ませず、ぬるめのお湯にゆったり浸かることで体を芯から温め、血の巡りを改善することを意識してください。
また、冷たいものやカフェイン入り飲料、体を冷やす食べ物の摂取も控えるようにしましょう。

2.筋肉をゆるめるように意識する

足のしびれはお尻の筋肉が緊張することから、手のしびれは鎖骨や肩甲骨のまわりの筋肉の緊張によって起こりやすくなると考えられています。
普段からストレッチやヨガなどを生活に取り入れて、筋肉をゆるめて緊張から解放してあげましょう。

3.初期症状にはエクオールが効果的

なんとなくしびれているような気がする、といった初期の段階には、エクオールの摂取が効果的です。
エクオールは女性ホルモンによく似た働きや作用を持つ成分で、大豆や豆乳、豆腐などに含まれています。
日本人の半分は食品を摂取しても体内でエクオールを作り出すことができないことがわかっています。
エクオール含有のサプリメントが市販されていますので試してみることをオススメします。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

更年期のしびれを改善するために、市販薬の服用やホルモン補充療法を受けるという選択肢に加えて、根本的な改善を目的とした漢方薬の服用もオススメです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方にオススメしたい漢方薬は、牛車腎気丸(ゴシャジンキガン)です。
体が冷えやすく、しびれやむくみなどの症状がある方の筋肉や骨に栄養分を与え、水分代謝をよくして症状を軽減してくれる効果があります。
また、関節痛や神経痛の痛みもある方には、冷えを改善して余分な水分を排泄し、「気」や「血」の巡りを良くしてくれる疎経活血湯(ソケイカッケツトウ)も良いでしょう。

自分の症状や体質にぴったりマッチした漢方薬を選ぶのは難しいと感じがちですが、「オンラインAI漢方」では、お悩みの症状を元にAIがあなたにぴったりな漢方薬をご案内しています。
自宅にいながら気軽に始められますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

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セルフケアを取り入れて症状を改善しましょう

今回は、更年期のしびれに悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
症状を和らげるには、体を内側から温め、筋肉を緩めるように意識して体を動かすようにすることが大事です。
また、しびれなどのさまざまな更年期症状の改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。


中田早苗

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 中田 早苗 薬剤師。認定運動支援薬剤師。就実大学薬学部卒業。病院薬剤師として約7年間勤務後、漢方薬局で2年間勤務。ファスティングマイスターとして100名以上のファスティングをサポート。TiktokやInstagramでファスティング・美腸を普及する活動も行っている。

プロフィール

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