キーボードを叩く指に異変が!? 更年期の関節の痛みを止めて!
手指のこわばりや痛みで力が入らない。お菓子のパッケージやペットボトルを開けるのも一苦労…。
それは、もしかしたらプレ更年期(30〜40代)や更年期(40〜50代)に起こりがちな「手指の痛み」の症状かも!?
そんな、自分ではどうにもならない更年期の不調やつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか?
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師がお答えしていきます。
今回は「更年期の手指の痛み」をテーマに、医師の青木先生にお話を伺ってみました。
目次
だんだんひどくなる手指の痛みに、仕事への自信も失いそう…
春江さん(57歳女性)、経理事務の方からご質問をいただきました。
このところ、手や指の関節の痛みが強くて、ものすごく戸惑っています。
一番最初に変調を感じたのは、仕事で急ぎの書類を作るためにキーボードを打っていたときのこと。いつものようにPCの画面を見ながら手早くキーボードを叩いているつもりが、なんとなく手がこわばる感じがして違和感を感じたんです。
いつもと違い入力される文字もミスだらけで、打ち直そうとしてもまた手がこわばる…。
経理事務という仕事柄、打ち込みの作業には慣れていますし、打つスピードや正確性では若い人に負けないという自信があったのですが…。
残業時間で暖房を消してしまっていたせいか、寒いやら痛いやらでイライラしつつも、がむしゃらに作業を続けていたら、関節のあたりもピリピリと痛み始めてきました。
その日はなんとか書類を完成させて帰宅しましたが、それ以来、家で洗い物をしていても、掃除機をかけていても、痛みを感じることが多くなり、痛みも増している気がします。
このままでは、仕事だってこれまで通りに続けていく自信がなくなりそうで…。
なんとかこの嫌な痛みを改善する方法はないでしょうか?
ご質問ありがとうございます。
手指のこわばりや関節の痛みは、冷えることでも悪化することがあるため、寒い中での作業を続けたことで症状が強く出てしまったのかもしれませんね。
今回は、更年期に起こる手指の痛みの原因や改善方法についてお伝えしていきましょう。
手指の痛みはエストロゲン減少による関節の炎症が原因
更年期になると女性ホルモンのエストロゲンの分泌が減り、ホルモンバランスの急激な変化が起こります。
エストロゲンには、免疫系に作用して炎症を抑えたり鎮めたりする効果があるため、この分泌が減ることによって関節などに炎症が起きやすくなるのです。
また、更年期の女性には関節リウマチ等の膠原病が好発しますので、症状が続く場合は医師への相談をオススメします。
関節の炎症が悪化すると、指の関節を構成する軟骨細胞が減少し、腫れや痛みなどの症状が起こることもあります。
東洋医学では、自律神経が乱れ「気(生命エネルギー)」が滞ることで「血(血液)」の巡りが悪化し、「血瘀(けつお)」の状態が起こり、手指のこわばりや痛みなどの症状を生じさせると考えられています。
次の章では、こうした更年期に起こる手指の痛みに対する具体的な解決方法をお伝えしていきましょう。
更年期の手指の痛みを緩和する3つのケア
1.テーピングで固定しよう
痛みの症状が強いときには無理に動かさず手指を休めるのが一番ですが、仕事や家事などでどうしても動かさなければならないときは、テーピングで関節を固定してみてください。
薬局等で購入できる市販の専用テープを、痛む箇所にしっかり固定するように巻くことで関節の支えとなります。
テーピングによって多少なりとも痛みが軽減するはずですが、無理して手指を酷使することは避けましょう。
2.体をしっかり温める
手指に痛みやこわばりを感じるときは、冷えが強かったり血流が悪化していることが多いため、体を末端までしっかり温めることが重要です。
入浴などでからだ全体を温めることはもちろん、患部を暖かいお湯につけたりカイロで温めたりすることでも血流が良くなり、症状が緩和されるでしょう。
3.エクササイズで血流UP!
患部を温めることに加え、全身の血流をアップすることで「水(水分)」や「気」の巡りを良くすることが症状緩和の鍵になります。
ウォーキングやランニングなどの有酸素運動や、呼吸法を使ったヨガなどの全身運動も血流の改善や、「水」「気」を巡らせるのに効果的です。
ご自身のライフスタイルのなかで、気軽に取り入れられそうなエクササイズから実践して見ましょう。
根本的な体質改善には漢方薬が効果的!
更年期の手指の痛みを改善するために、市販薬の使用やホルモン療法、ステロイド注射を受けるなどの選択肢に加えて、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。
特に、今回の相談者様のような症状に悩む方にオススメしたい漢方薬は、麻杏薏甘湯(マキョウヨクカントウ)です。冷えやむくみの症状がある方の「血(血液)」の巡りをよくし、発汗により余分な「水(水分)」を排出して手指の関節の痛みを和らげる効果があります。
また、体力がなく、皮膚の乾燥や関節の腫れや痛みのある方には、体を温めて痛みを発散させてくれる効果のある桂芍知母湯(ケイシャクチモトウ)も良いでしょう。
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血流をアップし、手指を酷使せず休ませましょう
今回は、更年期の手指の痛みに悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
痛みを和らげるには、血の巡りよくし、手指を酷使せず休ませることが第一です。
どうしても難しい場合はテーピングなども利用してみましょう。また、症状が続く場合は医師への相談もオススメします。
また、手指の痛みなどのさまざまな更年期症状の改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。
セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。