長引く生理にイライラ!ヒステリックなオバサンに扱いはやめて…
生理の出血が何日も続いてスッキリしない。以前と比べて生理期間が長すぎる…。
それは、もしかしたらプレ更年期(30〜40代)や更年期(40〜50代)に起こりがちな「月経異常」の症状かも!?
そんな、自分ではどうにもならない更年期の不調やつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか?
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師がお答えしていきます。
今回は「更年期の月経異常」をテーマに、医師の青木先生にお話を伺ってみました。
目次
何日も続く生理は更年期のせい!?スッキリしない日々で憂うつです
久美子さん(48歳女性)、公務員の方からご質問をいただきました。
更年期を迎えたせいか、生理周期の乱れがひどくて憂うつです!
数年前から周期が短くなったり長くなったりと、不安定な状態が続いていたのですが、ここ1年ほどは1回の生理がダラダラと長引くことが多く、スッキリしない日々が続きます。
シートにつく経血量が多いわけではないものの、8日間ほどダラダラと生理が続き、その後も茶色いオリモノのような出血があったりするので、出血量自体は多いのかもしれません。
そのせいか、全身がだるくて仕事中もぼーっとのぼせたようになってしまったり、ちょっとしたことでイライラして部下に当たってしまったり…。
先日も、30代前半の部下たちがトイレにいる私に気づかず「あんなヒステリックなオバサンにはなりたくないよね〜」なんて笑って話しているのを聞いてしまい、穴があったら入りたい気分でした。
まだ閉経には少しだけ早い気がしますが、せめてまともな生理期間でストレスのない毎日を送れたら、と考えています。どうしたらこの長引く生理を改善できるでしょうか?
ご質問ありがとうございます。
更年期の月経異常は多くの方が悩む症状のひとつではあるのですが、ただでさえ憂うつな月経期間がダラダラと長引くのはつらいですよね。
今回は、更年期に起こる月経異常の原因や改善方法についてお伝えしていきましょう。
ホルモンの乱れが更年期の月経異常の原因
正常な月経期間はおよそ3~7日間と言われていますが、ストレスや生活習慣の乱れ、ホルモンの乱れなどにより、何らかの月経異常が起こることがあります。
特に更年期の女性や閉経の近い方は、卵巣の機能が低下しホルモンのバランスが著しく乱れるため、月経が長引くなどの月経異常が多く見受けられる傾向にあるようです。
また東洋医学では、「女性は肝(かん)に先天する」と言われ、月経にとって大切な「気(生命エネルギー)」と「血(血液)」のバランスを支える役割を担う「肝」が衰えることでさまざまな月経の異常が現れると考えられています。
次の章では、こうした更年期の月経異常に対する具体的な解決方法をお伝えしていきましょう。
更年期の月経異常を改善する3つの簡単セルフケア
1.ホルモンを安定させるアロマを活用
20世紀にフランスで生まれた「アロマテラピー」で使用する精油には、古くからさまざまな症状に効果的な薬効があると伝えられています。
精油のなかには、ホルモンバランスを整えることで月経不順をはじめとするさまざまな更年期の症状に優れた効果を発揮するものもあります。芳香浴やアロマバスなどでぜひ暮らしの中に取り入れてみてください。
◎ホルモンのバランスや分泌を整える精油
サンダルウッド、ゼラニウム、イランイラン、クラリセージ、ローズオットー
2.「肝」をサポートする食材を摂ろう
東洋医学では、「肝」は気や血の流れなどをコントロールしているとされ、「肝」の働きを補うことで経血の量を正しく調節し、経血をスムーズに排出させる効果があるといわれています。
月経周期や経血量の乱れを整えるためにも、毎日の食卓の中に「肝」の働きを補う食材を取り入れてみましょう。
◎「肝」の働きを補う食材
貝類、木の芽、うど、ふき、菜の花、ニンジン、みかん
3.月経異常に効くツボを押そう
月経異常を改善するためには、ホルモンバランスを安定させることが大事です。
今回は、中でも手軽に押すことができる手首付近のツボを2つご紹介します。
ツボ押しするときは、力任せに押さずに、ゆっくり深く押しましょう。指の腹に力を入れて、5秒押して、5秒離す、という動作を数回繰り返します。
◎内関(ないかん)
手首の内側(手のひら側)の横じわから、肘に向かって指3本分離れたところにあるツボ。
自律神経を整えることでホルモンバランスを安定させ、心身ともにリラックスさせる効果があります。
◎陽池(ようち)
手首を反らせたときに出る、筋と筋の間のくぼみにあるツボ。
ホルモンバランスを整え、血行を促進する効果があります。冷えがつらい人にもおすすめです。
根本的な体質改善には漢方薬が効果的!
更年期の月経異常を改善するために、ホルモン療法を受けるなどの選択肢に加えて、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。
特に、今回の相談者様のような症状に悩む方にオススメしたい漢方薬は、桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)です。下半身の冷えが強く、のぼせや肩こりなどもある方の滞った「血(血液)」の巡りを良くして、月経痛や月経異常を改善してくれる効果があります。
また低血圧で貧血が強く、全身倦怠感のある方には、「血」を補い「水(水分)」の巡りを良くして貧血をともなう症状も含めて改善する効果のある四物血行散(シモツケッコウサン)も良いでしょう。
自分の症状や体質にぴったりマッチした漢方薬を選ぶのは難しいと感じがちですが、「オンラインAI漢方」では、お悩みの症状を元にAIがあなたにぴったりな漢方薬をご案内しています。
自宅にいながら気軽に始められますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
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楽しみながらできることでホルモンバランスを整えよう
今回は、更年期の月経異常に悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
「肝」を補う食生活を取り入れたり、アロマテラピーやツボ押しなどを楽しみながら実践することで、ホルモンバランスを整えていきましょう。
また、月経異常などのさまざまな更年期症状の改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。