ブラック企業勤めが原因で口周りのニキビが治らない! 親友の指摘にショック……

体験談

赤みの強いニキビが口の周りに散乱するようにできて痛い。口の周りが粉を吹いたように乾燥し、肌荒れとニキビでゴワつく……。
30代の大人女性の中には、こうした「口の周りのニキビ」に悩んでいる方も少なくないのではないでしょうか。

こうした自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか? 
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。

今回は「口の周りのニキビ」をテーマに、薬剤師の手塚智子先生にお話を伺ってみました。

仕事のストレスと疲労のせいで……口の周りのニキビが酷い状態に!

綾子さん(36歳女性)、会社員の方からご質問をいただきました。

とある都内の広告代理店に勤めている36歳の会社員です。自分の会社をブラックというのも何ですが、とにかく常軌を逸した残業時間と人間関係の険悪さで、疲労とストレスは溜まる一方です。
そんな私のたまの休日の唯一の楽しみは、地元の幼馴染と飲み、喋りまくること。とはいえ、口を開けば同僚や先輩、上司の悪口ばかりなのですが……。
ところがある日、マシンガンのように悪口をまくしたてる私の口もとを不思議そうに見ていた友人が、とんでもない一言を言い放ったんです。
「それはそうと、口の周りのニキビ、ヤバくない? 忙し過ぎて不摂生なのもあるかもしれないけど、いつも悪口ばっかり言ってるからかもよ〜」と。
その時、ショックだったのですが、ハッとしたんです。確かに、悪口を言っているからニキビができるなんてことは、医学的にはありえないでしょうが、私の今の精神状態やストレス、不摂生ぶりにこそ、この凄まじい口の周りのニキビの原因があるのかもしれません。
その時以来、気のおけない友人の前でも口汚く人を罵ることは控えていますが、ニキビの方は一向に改善する気配はありません。
勇気を出して転職活動をしようとも考えているため、その前にこのネガティブな性格と酷いニキビを治したいと思っています。何か良い方法はないでしょうか?

ご質問ありがとうございます。
お忙しく、身体的にも精神的にも疲労が溜まっている状態なのですね。
なかなかご自身のケアをするお時間が取れない状況かと思いますが、過度な疲労や精神的ストレスはホルモンバランスを乱す原因となり、口の周りに炎症の強いニキビができる原因にもなってしまいます。
今回は、口の周りにニキビができる原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。

口の周りのニキビは乾燥と「気」「血」の滞りが原因

口の周りは皮脂の分泌が少なく、乾燥しやすいために皮膚が硬くなりがちです。
これにより肌は乾燥や外的刺激から肌を守ろうとして皮脂を多く分泌し、毛穴が詰まりやすい状態になります。
また、ストレスの影響を受けてホルモンバランスが乱れ、皮脂が過剰に分泌すると考えられています。
毛穴に存在するアクネ菌は、皮脂を栄養として増殖するので炎症したニキビができやすくなるのです。

東洋医学では「肌は内臓の鏡」と言われ、身体の状態が皮膚に反映されると考えられています。
特に口の周りのニキビは、「血(血液)」の不足や巡りの悪さから起こることが多く、ストレスや疲労により「気(生命エネルギー)」が乱れることでも生じやすいとされています。

次の章では、こうした口の周りのニキビを改善するための具体的な方法をお伝えしていきましょう。

口の周りのニキビ改善!自分でできる簡単ケア3選

1.保湿ケアで肌をやわらかく保つこと

口の周りは乾燥して皮膚が硬くなりがちです。皮膚が乾燥していると、毛穴につまった皮脂が排出されにくく、炎症が悪化したり長引いたりすることもあります。
肌をこすらずに優しく洗顔し、洗顔後はしっかりと保湿のできる化粧水や乳液、クリームでケアして皮膚を柔らかく保つようにしましょう。
また、炎症の強いニキビがあるときに不用意に紫外線を浴びてしまうと、肌の酸化を招いてさらにニキビが悪化してしまうことがあるため、紫外線対策もお忘れなく!

2.炎症ニキビがあるときはメイクは控えめに

顔に目立つニキビがあると、どうしてもコンシーラーなどを厚塗りして隠したくなりますが、カバー力の高いコンシーラーやファンデーションには、油分が多く含まれていることが多く、毛穴を塞いでしまうことがあります。
ニキビができているときは、UV下地の後に油分の少ないパウダーファンデーションを軽く乗せる程度にすると良いでしょう。

3.ストレスを溜め込まないように気をつける

ストレスを強く感じると、自律神経の乱れから体の免疫力が低下し、皮膚の再生力も抑制されてしまいます。そのままにしておくと、ニキビの炎症が悪化していくことになります。
気分転換や休養などによってストレスを発散することも大事ですが、物事をネガティブにとらえてしまいがちな方は、考え方そのものを改善することも大事です。
ニキビの悪化を防ぐためにも、色々なことを思い悩んだり、何でもマイナスの方向に捉えてしまうなどの自分の思考の癖に気づいて変えていくように心がけてみましょう。深呼吸をするだけでも考え方をリセットするきっかけになりますので、取り入れてみてください。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

口の周りのニキビを改善するために、抗菌剤やビタミン剤の服用、外用薬の塗布などの選択肢に加えて、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)です。
ストレスなどにより口の周りのニキビが赤く炎症し、のぼせやほてりなどもある方の熱を冷まして炎症を沈静化させる効果があります。
また、顔全体に赤みがありニキビができる方には、首から上に溜まった熱を取り、炎症を鎮める効果のある清上防風湯(セイジョウボウフウトウ)も良いでしょう。

自分の症状や体質にぴったりマッチした漢方薬を選ぶのは難しいと感じがちですが、「オンラインAI漢方」では、お悩みの症状を元にAIがあなたにぴったりな漢方薬をご案内しています。
自宅にいながら気軽に始められますので、せひチェックしてみてくださいね。

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毎日の保湿スキンケアで口の周りの乾燥を防ぎましょう

今回は、口の周りのニキビに悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
毎日のUVケアと保湿スキンケアで乾燥による口の周りの皮膚のごわつきを改善し、ニキビのできにくい柔らかい肌を目指しましょう。
また、こうした気になるニキビの改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。
セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。

手塚智子

大学院修了後、研究職に従事し漢方を学ぶ。その後、薬剤師として臨床で働く傍ら様々な接客業を兼業し、渡米。帰国後、体の内外にアプローチ出来ることを目指して薬剤師兼ビューティーディレクターとして就業中。

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