助けて! 過敏性腸症候群と痔のコラボで便と鮮血で便器が真っ赤に!

体験談

便を拭いたらトイレットペーパーに真っ赤な鮮血がついてビックリした。便をまじまじと見たら鮮やかな赤い血が混ざっていた……。

こうした自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか? 
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師がお答えしていきます。

今回は「痔からの潜血便」をテーマに、医師の青木先生にお話を伺ってみました。 

見ただけでクラクラ…排便でいきんだ瞬間、大量の鮮血と緩い便が!

水樹さん(34歳女性)、会社員の方からご質問をいただきました。

3年前に出産してから、痔の症状が気になってはいたのですが、排便時にいきむと脱肛してしまう程度だったため放置してしまっていたんです。
でも、このところ仕事のストレスでかなり追い詰められてしまっていたせいか、ちょっとしたことでお腹を壊しやすくなり、下痢や便秘のたびに痔の症状も悪化する一方で、脱肛だけではおさまらなくなってきてしまったんです。
先日も、大事な会議中に便意を催してしまいトイレに駆け込んだのですが、いきんだ瞬間、ゆるい便とともに真っ赤な鮮血が出たのが見えて、思わずギャッ!と声を出しそうになってしまいました。何事が起きたのかと会社も早退して病院に駆け込んだのですが、出血の原因は腸などからのものではなく、まさかの痔だと……。
内痔核からの出血だったようで痛みはなかったのですが、あまりに真っ赤な血が大量に出たので、それを見ただけでもう具合が悪くなってしまいそうなほどでした。
医師からは、長らく続いている下痢や便秘の症状は過敏性腸症候群の可能性もあるとのことで、痔と一緒に治療していくことになりました。
とりあえず命に関わる病気ではなく良かったのですが、できればもうあんな大量出血で真っ青になりたくありません。
治療と並行して出来て、この症状を早く改善するような方法はないでしょうか?

ご質問ありがとうございます。
内痔核による出血は排便時のいきみで出血することが多いため、血液が変色せず、鮮やかな赤い色の多量の出血が見られることがあります。
今回は、こうした痔からの潜血便の原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。

鮮血の血便は痔や肛門に近い臓器の炎症が原因

血便とは消化管内で出血が生じ、血液が混入した状態で排出される便のことですが、消化管のどこで起きた出血かにより血液の色や状態が異なります。
真っ赤な鮮血が混ざった便(=潜血便)が出るのは、血液排出までの時間が短く血液中のヘモグロビンが変色していない状態であるため、肛門に近い小腸や大腸、肛門からの出血であると考えられます。
潜血便が出る理由として最も多いのは痔によるものですが、直腸ポリープや直腸ガンなどの病気が原因になっていることもあるため注意が必要です。血便が出たら必ず病院で検査し、原因に合わせた対処をしましょう。

また東洋医学では、飲食の不摂生や疲労、ストレスなどによって「気(生命エネルギー)」と「血(血液)」の滞りが起き、腸が炎症を起こすと考えられています。
次の章では、このような「鮮血をともなう血便」を改善するための具体的な方法をお伝えしていきましょう。

潜血便を解消する3つの対処法

1.ストレスケアをして自律神経を整える

痔があるひとは便秘と下痢で出血や痛みが増悪・再発するので、排便コントロールも重要になります。
ストレスを上手に発散させ、自律神経を整えることで過敏になった腸の状態を改善し、スムーズに健全な便を出せるように生活改善していきましょう。
まずは日常のなかで心身の負担となっていることを出来るだけ避けるように努め、三食バランスの良い食事を摂り、適度な運動を習慣づけて規則正しい生活をしましょう。
こうした生活を送ることで自律神経のバランスが整えば、下痢や便秘などの症状も自然と改善に向かうはずです。

2.排便時は強くいきまないようにする

下痢がなかなか止まらずにトイレに長居してしまったり、便秘で排便に時間がかかっていきむ時間が長くなったりするほどに、肛門がうっ血してしまいます。
特に、渋り腹などで便を出し切れていない気がする時に強くいきむと肛門に強い圧力がかかり、出血を起こすもとになってしまいます。
排便の時間は3分程度を心がけ、無理に出そうと頑張りすぎないようにすることが大切です。
また、お酒を飲み過ぎると痔に血が溜まりやすくなり、排便時にいきんだ瞬間に出血しやすくなります。アルコールの摂り過ぎには注意しましょう。

3.長時間の座りっぱなしを避ける

デスクワークなどで同じ体勢で座り続けたり、接客業などで立ちっぱなしで長時間過ごしたりすることは、どちらも肛門のうっ血を招き、に大きな負担をかけることになってしまいます。
こまめに休憩をとり、体勢を変えたり、歩いたりストレッチをしたりして、血の巡りを良くすることが大切です。
また、仕事上どうしても座る時間が長くなりがちな方は、肛門への刺激を避けるため、円座クッション・ドーナツクッションなどを使うのもオススメです。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

痔からの潜血便を改善するために、病院での処方薬の服用などの選択肢に加えて、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、桂枝加芍薬湯(ケイシカシャクヤクトウ)です。過敏性腸症候群などにより排便が困難になり、痔が悪化した方の「気」と「血」の巡りを良くして穏やかな便通に導き、症状を改善する効果があります。
また、痔が悪化して血便による出血量が多い方には、出血を抑え、貧血を改善する効果のある芎帰膠艾湯(キュウキキョウガイトウ)も良いでしょう。

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食生活の改善と適度な運動でリフレッシュしましょう

今回は、痔からの潜血便に悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
鮮血便の出るような病気の予防や悪化を防ぐためにも、適切なストレスケアと食生活の改善を行い、排便習慣を見直すようにしましょう。
そして、血便の症状があるときは自己判断せずに病院で診察を受け、医師の指示に従うことが大切です。

また、こうした気になる血便の症状の改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。

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