目の前のグルメには勝てず…食べすぎた日の腹痛と膨満感がつらい!

体験談

お腹いっぱい食べた後に突然お腹が痛み出した。夕食を食べ過ぎた日の翌日はなんだかお腹が張って苦しい……。
こうした「食べ過ぎによる腹痛」に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

こうした自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか? 
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師がお答えしていきます。

今回は「食べ過ぎによる腹痛」をテーマに、内科医の中西先生にお話を伺ってみました。

この体調不良は食べ過ぎのせい!? ドカ食い後の腹痛にギブアップ!

真琴さん(37歳女性)、主婦の方からご質問をいただきました。

若い頃からバスケに水泳にと、スポーツが大好きな体育会系女子として過ごしてきたせいか、30代も半ばを過ぎているというのに今だに大食漢な私。
「元気がなくても食べれば治る」「風邪をひいても食べれば治る」と思い込んできたこともあり、ちょっとくらい体調が悪くても“食べない”という選択肢などあり得ません。
ところが先日、地元の友人と食事をした際、いつものように大量のおかずとご飯を平らげていたら、途中でお腹にズキズキと痛み出したんです。まだお皿に大量の料理が広がっていたので多少無理しつつ、2割ほど残してまさかのギブアップ!
少し便秘気味だったせいか、お腹が張るような気がしていたものの、アレくらいの量なら私だけでも3人前はいけると思っていたのですが……。
その後は会話も早々に、なんとも言えないお腹の痛みと膨満感と格闘しながら帰宅したのですが、翌朝まで腹痛と胃のもたれが治らず、大変な思いをしました。
後学のためにお伺いしたいのですが、こういった症状のときは、どうしたら早くあの不快な症状を改善できるのでしょうか? 良い改善方法があれば教えてください。

ご質問ありがとうございます。
美味しいものを目の前にすると、ついつい食べ過ぎてしまいますが、食べ物の消化吸収機能を担う胃腸には大きな負担がかかっているんです。
今回は、食べ過ぎによる腹痛の原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。

食べ過ぎによる腹痛は胃腸の消化吸収機能の失調が原因

食べ過ぎると胃腸に大きな負担をかけてしまうため、消化吸収機能が低下し、腹痛が起こります。
胃には食べた物を消化しやすい形にして小腸に送り出す働きがありますが、暴飲暴食すると食べ物が胃に留まる時間が長くなり、腸への移動が鈍ることで、腹痛になりやすいのです。

また東洋医学では、油っぽいものや辛いもの、冷たいものの食べ過ぎや飲み過ぎによって、体内で「湿邪(しつじゃ)」「熱邪(ねつじゃ)」「寒邪(かんじゃ)」などの病のもとが生まれ、胃腸の働きが失調する「食滞(しょくたい)」の状態になることで腹痛が起こると考えられています。

次の章では、このような「食べ過ぎによる腹痛」を改善するための具体的な方法をお伝えしていきましょう。

食べ過ぎによる腹痛を解消する3つのセルフケア

1.まずは安静にして胃腸を休めること

食べ過ぎてお腹が痛いときには、まずは安静にして胃腸を休ませてあげましょう。痛みがおさまり、お腹が空くまでは何も食べないようにするのが鉄則です。
消化を促進するためには、体の右側を下にして横になり、ゆっくりと回復を待ちます。
痛みが和らいできたらぬるめのお湯にゆっくり入浴して、お腹を温めると消化が促進されますので効果的です。

2.消化を促進してくれる水分を補給する

安静にしてお腹の状態が落ち着いてきたら、温かい白湯で水分補給をしましょう。
白湯は胃腸への負担が少なく、お腹を温めることもできるため、胃腸の血流をアップして消化機能を促進してくれる効果が期待できます。
一気に飲まずに時間をかけてゆっくり飲むようにしましょう。
また、食後の胃のむかつきなどの症状もある場合は、ミントティーもオススメです。ミントには消化液である胆汁の分泌を促すので、消化機能を促進しつつ、腹部の不快感をリフレッシュすることができます。

3.食べ過ぎに効くツボ「胃腸点」を押す

食べ過ぎによる腹痛の応急処置として、腹痛や胸焼け、胃痛や下痢などの症状を和らげてくれるツボ押しをしてみましょう。

◎胃腸点(いちょうてん)
場所:中指を内側に曲げたとき、指先が接する点から手首に向かった中間地点にあるツボ。
暴飲暴食やストレスなどによるさまざまな消化器系の不調に効果的なツボです。胃腸の乱れを抑え、正常な働きに改善してくれる効果があります。
反対の手の親指ツボに当てて、残りの指で手首を掴むように押し揉みましょう。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

食べ過ぎによる腹痛を改善するために、市販薬や処方薬の服用などの選択肢に加えて、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、加味平胃散(カミヘイイサン)です。
体力があり、暴飲暴食による消化不良の症状がある方の消化を助け、「食滞」の状態を解消して腹部の不快感や痛みを和らげる効果があります。
また、体力がなく体に冷えがある方の消化不良には、胃の中の「水(水分)」の停滞を改善して消化器官の機能を高め、胃痛やみぞおちの痛みなどを改善する効果のある六君子湯(リックンシトウ)も良いでしょう。

自分の症状や体質にぴったりマッチした漢方薬を選ぶのは難しいと感じがちですが、「オンラインAI漢方」では、お悩みの症状を元にAIがあなたにぴったりな漢方薬をご案内しています。
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胃腸を温め、休ませることで機能を回復させましょう

今回は、食べ過ぎによる腹痛に悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
症状の改善のためには、まずは安静にして胃腸をしっかり休めること、そして適切に水分補給をし、入浴や半身浴などでお腹を温めることで、血流を促進することも効果的です。
また、こうした気になる腹痛の症状の改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。

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