熱を帯びるほど背中がかゆい! かゆみの発作にイライラも募る一方…
背中がカサカサと乾燥し、かゆくて爪を立ててかいてしまう。ポツポツとした背中のできもののせいでかゆみが止まらない……。
こうした自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか?
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。
今回は「背中のかゆみ」をテーマに、薬剤師の中田早苗先生にお話を伺ってみました。
目次
背中が熱を帯びるほどのかゆみ…どうやってこの発作を抑えるべき?
亜由美さん(49歳女性)、主婦の方からご質問をいただきました。
ここ半年ほど、更年期なのか妙にイライラすることがあり、そうした状態で体がほてりを感じるたびに、なぜか異様に肌がかゆくなるんです。
特に一番ひどいのが背中で、かいたら余計にかゆくなるとわかっているのですが、どうしても我慢できずにかいてしまい、一晩中布団の中で悶絶してしまうこともあるほどです。
先日も、お風呂上がりに異常に背中がかゆくなり、パジャマの上からかいていたのですが、かいてもかいても一向にかゆみの発作はおさまらず……。かゆみが解消しないことに更にイライラして、我慢できずに直接かきむしっていると、背中だけがものすごく熱を帯びてきて、赤いプツプツしたものがたくさんできてしまいました。
落ち着いているときは特に気にならないのですが、ひとたび発作のようにかゆみが起きると延々とかゆみが続きます。
どうしたらこのつらいかゆみの発作を止めることができるのでしょうか?
ご質問ありがとうございます。
更年期の症状もあるとのことで、ホルモンバランスの変化によるかゆみの症状が起きている可能性もあります。
特に背中は皮脂のバランスも崩れやすいため、かゆみの症状も強くなりがちです。
今回は、背中のかゆみの原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。
背中のかゆみはホルモンバランスの変化などが原因
背中のかゆみを引き起こす原因として、皮膚の乾燥や、ホルモンバランスの変化などによる毛穴づまり、皮脂の過剰分泌による細菌の繁殖などが挙げられます。
背中はもともと他の部位に比べて皮脂腺が少ないことに加え、加齢により皮脂の分泌量が少なくなり、さらなる乾燥を招いて湿疹などもできやすくなるので注意が必要です。
東洋医学では、「皮膚は内臓の鏡」と考えられており、かゆみの強い発作を「風(ふう)」によるものと考え、乾燥によるかゆみは血液の不足による「血虚」、熱をおびたかゆみは「熱邪(ねつじゃ)」によるもの、ジュクジュクしたかゆみは「湿邪」によるものと考えます。
次の章ではこのような「背中のかゆみ」を改善するための具体的な方法をお伝えしていきましょう。
背中のかゆみを解消する3つのセルフケア
1.肌に優しい素材の肌着で蒸れを防ぐ
汗の分泌が多く、皮脂も溜まりやすい背中は、肌着や洋服で蒸れることも多く、体のなかでも特にニキビが出やすい場所です。清潔なハンドタオルでこまめに汗をぬぐったり、着替えたりすることで背中を清潔に保つようにしましょう。
また、背中は洋服に触れている面積が広いために、直接肌に触れる肌着の繊維が刺激になり、かゆみの症状が悪化することもあります。
背中のかゆみの症状があるときは、蒸れやすいナイロン製の肌着を避け、保湿力と通気性の高い木綿素材の肌着を身につけるようにすると良いでしょう。
2.皮脂の落とし過ぎを避け、保湿ケアをする
肌がカサカサと乾燥している場合、毎日の入浴で皮脂を流しすぎないようにし、保湿ケアを怠らないようにすることで症状が落ち着くことがあります。
体を洗うときはゴシゴシと背中をこすりすぎないようにし、肌に優しい弱酸性の石けんをしっかりあわ立てて優しく洗うようにしましょう。
また、熱すぎるお湯は皮脂を洗い流してしまうため、お湯の温度はぬるめに設定するのもポイントです。
入浴後は、ボディ用の保湿クリームやローションなどを塗り、肌に栄養を補いつつ乾燥させないようにケアを忘れないようにしましょう。
3.新陳代謝を促進する生活を
不規則な生活により睡眠不足が続いたり、ストレスや月経の周期などの影響からホルモンバランスが乱れると、ニキビや湿疹などの背中の肌トラブルが起こりやすくなります。
また、偏食による栄養不足や疲労は、肌のターンオーバーを乱れさせる原因となってしまいます。
新陳代謝を上げ、肌の生まれ変わりを促進するためにも、バリア機能を維持する必須脂肪酸やたんぱく質、ビタミンB群などを摂り、バランスのよい食事を摂りましょう。
背中のかゆみを強く感じるときは特に、ストレスを溜め込まず、たっぷりと睡眠を摂るようにしてみてください。
根本的な体質改善には漢方薬が効果的!
背中のかゆみを改善するために、市販の外用薬や処方薬の服用などの選択肢に加えて、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。
特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)です。
背中のかゆみや吹き出物に加えてイライラやのぼせなどの精神症状の強い方の体にこもった「熱」や炎症を鎮め、症状を改善する効果があります。
また、背中にジュクジュクとしたニキビや赤みの強いかゆみのある方には、「血」の巡りをよくして膿みを排出し、炎症を和らげる効果のある消風散(ショウフウサン)も良いでしょう。
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規則正しい生活と食事でターンオーバーを促しましょう
今回は、背中のかゆみに悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
症状の改善のためには、背中を清潔に保ち、こまめに保湿ケアを行うことが大切です。体をしっかり休め、栄養バランスのとれた食事を摂ることで、新陳代謝を促進して、肌トラブルを早期に改善することを心がけましょう。
また、こうした気になるかゆみの症状の改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。