アトピー再燃でまぶたのかゆみが悪化!…家事も放棄する私はダメな妻!?
まぶたがカサカサと乾燥してかゆくて仕方がない。まぶたをかき始めたらかゆみが止まらなくなり熱を持ったようになってしまった……。
こうした自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか?
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。
今回は「まぶたのかゆみ」をテーマに、薬剤師の二瀬偉志先生にお話を伺ってみました。
目次
エンドレスに続く“まぶたのかゆみ”…スッキリ解消する方法を教えて!
亜由美さん(38歳女性)、主婦の方からご質問をいただきました。
大人になった今はだいぶ症状が出ることも減ってはきましたが、子どもの頃はひどいアトピーで顔じゅうがガサガサだった私。そのせいか、今でもちょっと疲れやストレスがたまると体がかゆくてたまらなくなってしまうんです。
特に一番悪化しやすいのがまぶた。ちょっとでもかいてしまうと、そこからもうかゆみがエンドレスに襲いかかってくる状態に。まぶたの皮膚が皮むけしてクマができたようにどんよりとした目もとになってしまうために何も手につかず、一日中悶々として過ごしています。気分転換にどこかに出かけようと思っても、水で洗うだけでもまぶたがピリピリする状態のため、とてもではないですがメイクなんてできません。
こうなるともう夕飯の支度もしたくないどころか、家事も一切放棄したくなってしまいます。
先日も、かゆみの症状がひどく、買い物と夕飯作りをパスしてデリバリーの夕飯にしてしまったのですが、夫からは「まぶたがかゆい、ただそれだけで?」と心無い一言が。私にとっては全然“ただそれだけ”のことではないのに、ひど過ぎます。
なんとかこのつらいまぶたのかゆみをスッキリ解消する方法はないでしょうか?
ご質問ありがとうございます。
まぶたのかゆみは、目の近くの炎症ということもあり、むやみにかくと眼病のもとになってしまうため注意が必要です。とはいえ、かゆみの発作が起きてもどうにもできないとなると、悩んでしまいますよね。
今回は、まぶたのかゆみの原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。
まぶたのかゆみの原因は細菌感染やストレス、アトピーなどが可能性がある
まぶたは非常に皮膚が薄くデリケートな部分でもあるため、さまざまな理由でかゆみをともなう皮膚のトラブルが起こることがあります。
例えば、まぶたにある皮脂腺や汗腺に細菌が感染して赤みやかゆみの症状が生じる麦粒腫(ものもらい)や眼瞼皮膚炎、アレルゲンや刺激物質に触れることによる接触性皮膚炎、皮膚のバリア機能の低下を招き増悪と軽快を繰り返すアトピー性皮膚炎などがあります。
かゆいからといってまぶたや目の周りをこすって刺激を与え続けていると角膜や結膜が傷つくことがあるため注意が必要です。
東洋医学では、まぶたのかゆみは、ストレスにより「気(生命エネルギー)」や「血(血液)」の巡りが悪くなることで生じるとされており、ジュクジュクとした炎症や激しいかゆみを伴うものは、体に余分な熱や水分が溜まることによるもの、カサカサと乾燥することによるかゆみを「血」の不足や発作的なかゆみの症状である「風(ふう)」によるものと考えます。
次の章では、このような「まぶたのかゆみ」を改善するための具体的な方法をお伝えしていきましょう。
まぶたのかゆみを緩和するセルフケア3選
1.まぶたのかゆみは絶対にこすらないこと
まぶたがかゆいからといって、何度もこすって刺激を与えていると、まぶたのすぐ裏にある角膜を傷つけてしまったり、まぶたの腫れや結膜の出血をきたすことがあり注意が必要です。
また、アトピー性皮膚炎によるまぶたのかゆみの場合は、まぶたや目の周りをよく洗って、冷やした後に処方薬を塗ると良いでしょう。
眼病予防のためにも、かいたりこすったりせずに乗り切りることを心がけましょう。
2.まぶたの乾燥を防いで丁寧な保湿ケアを!
まぶたの乾燥によるかゆみには、皮膚の潤いを保って乾燥を防ぐことが大切です。
まぶたの角層や皮脂膜から成る皮膚バリアは、わずか0.02mmと非常に薄く、洗顔の際に強くこするだけでも壊れやすいため、注意が必要です。
洗顔料はできるだけふんわりと泡だて、泡で包み込むように優しく洗いましょう。洗顔後は、タオルを顔にやさしく押し当てるようにして水分を拭き取り、まだ皮膚に水分が少し残った状態で保湿をするのがポイントです。
肌に合う敏感肌用の保湿ローションやクリームなどで、水分の蒸発や乾燥を防ぐように保湿剤でフタをするようにしてみてください。
3.自分なりのストレスケア方法を見つける
かゆみが強いときには、眠れなかったりメイクもできなくなったりすることでストレスも溜まりがちです。アトピー性の皮膚炎などでは、こうしたイライラや不安によってさらに症状が悪化してしまうこともありますので、普段以上にストレスケアをしましょう。
自分が心からやりたいこと、趣味などを思いっきり楽しんでリフレッシュできる時間を持つことが大切です。
栄養バランスを考えつつも自分の好きな食材やメニューを楽しめるように毎日の食事を工夫したり、アイメイクができないときは、髪型やネイル、ファッションでおしゃれを楽しみましょう。
あれもこれもできないと制限したり我慢したりするだけではなく、日常を楽しむ工夫を取り入れてつらいかゆみを乗り切っていきましょう。
根本的な体質改善には漢方薬が効果的!
まぶたのかゆみを改善するために、処方薬や市販薬の服用などの選択肢に加えて、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。
特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、当帰飲子(トウキインシ)です。
カサカサと皮が剥けたようにまぶたが乾燥してかゆみが起こる方の「気」や「血」を補い、肌に栄養と潤いを与えて症状を改善する効果があります。
また、まぶたが赤く炎症を起こし、強いかゆみの発作が起きる方には、体内から余分な「熱」を引かせ、毒素を排出してかゆみの症状を鎮める効果のある消風散(ショウフウサン)も良いでしょう。
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まぶたのかゆみは保湿&ストレスケアで乗り切りましょう
今回は、まぶたのかゆみに悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。症状の改善のためには、まずはストレスや疲労を溜めないこと、そして、眼病予防のためにもまぶたをかき壊さず、冷したり丁寧な保湿ケアをすることなどで乗り切ることが大切です。
また、こうした気になるかゆみの症状の改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。