関節が痛い、はれる関節症におすすめの漢方薬12選

症状別の漢方

関節症は一種の老化現象です

関節がはれたり、痛んだりする病気には、関節炎・関節症・リウマチ性疾患・痛風などがあります。

関節炎の症状

外傷性のもの、化膿性のもの、結核性のものなどがあります。外傷性関節炎は、関節の傷・捻挫などのために、関節水腫(水がたまる)を起こし、長びく場合ははれあがってきます。

化膿性関節炎は、関節炎の中ではいちばん痛みがはげしく、熱も出ます。

結核性のものは、膝関節、・股(こ)関節がおかされることが多く、痛みはあまりありません。

関節症の症状

一種の老化現象によるもので、老人に多いです。いちばん多いのが膝関節の場合で、これを変形性膝関節症といいます。朝起きたとき、歩けないほど膝が痛みますが、しばらくすると、なんともないようになるのが特徴です。また、長く歩いたり、座っていても、膝がおかしくなり痛みます。階段をおりるときもつらいです。進行すると、関節に水がたまり、かるい関節炎を起こし、さらに膝を伸ばせない、曲げられないという状態になります。ただし、二~三年もすれば、苦痛は感じなくなるはずです。

リウマチ性疾患の症状

幼児から小学生が中心にかかるリウマチ熱では、関節の炎症は一~二か所に限局していますが、女性に多い慢性関節リウマチでは、炎症は一定せず、膝・肘(ひじ)・手・足・指・肩などの関節が次々にはれて痛みます。起床時に手指のこわばりがあるのも特徴のひとつです。

漢方は、はれをひかせ痛みをとる処方

関節炎や関節症には、次のような処方を用います。

関節が痛い、はれる関節症におすすめの漢方薬

桂枝茯苓丸

外傷性関節炎で、血腫を起こし、屈伸させるのも困難なものによいです。

越婢加朮湯

体力があり、のどが渇き、尿の出がわるく、関節がはれているときに用います。

防已黄耆湯

いわゆる水ぶとりタイプで、汗をかき、足が冷えて、疲れやすく、関節がはれて、屈伸させるのも不自由な人によいです。

芍薬甘草附子湯

化膿性のものの痛み止めに。

桂枝加朮附湯

関節のはれ、痛みはかるいですが、体力が弱く、手足は冷え、脈もまた弱い人に。

桂芍知母湯(けいしゃくちもとう)

慢性症で体力が衰え、おかされた関節がはれ、そのまわりの肉が落ち、皮膚が光沢を失ってガサガサしているものに使用します。

防風通聖散

太鼓腹の肥満体で、腹部が充実し、便秘している人の膝の関節疾患に用います。

慢性関節リウマチは、現代医学でも決定的治療法をもたないですが、漢方とて根治できるわけではないです。しかし、急性炎症をおさえたり、あるいは起こしにくくする効果はあります。以上のほかに、次のような処方を使用します。

葛根湯

体力のある人で、首すじから背中・肩などの筋肉がかたくなって、痛むときに。

葛根加朮附湯

上の症状で、体力のない人に。

麻杏薏甘湯(まきょうよくかんとう)

皮膚が乾き、汗はない、四肢の筋リウマチによいです。関節の痛みにも効きます。

大防風湯(だいぼうふうとう)

長いことわずらって体力が衰え、関節だけがはれていて、その周囲がやせた人に。

疎経活血湯(そけいかっけつとう)

瘀血(前述参照)のいちじるしい慢性症に。夜痛むというときにもよいです。

物理療法

リウマチの急性炎症も含めて、関節が痛むときには、部分浴や温湿布などのあたためる療法が効果的です。冷やすのは最もいけないです。

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