湿疹が出る場合に効果的な9つの漢方薬とは

症状別の漢方

湿疹にはいろいろな種類があります

以前は、外因性の強い、俗にいうかぶれを皮膚炎、内因性の強いものを湿疹とよんでいました。戦後、アメリカ医学ふうにこれらを総括して、湿疹とよんでいます。急性症状と慢性症状があります。

症状について

急性湿疹は、皮膚に赤いぶつぶつ(丘疹(きゅうしん))や、小さな水ぶくれ(水疱(すいほう))ができ、うす皮がむけたり(落屑(らくせつ))、ただれたり(糜爛(びらん))、かさぶた(痂皮(かひ))を作ったりするが、かゆみが強く、じめじめしている(湿潤(しつじゅん))のが特徴です。

一方の慢性湿疹は、かゆみはやはり強くありますが、赤みや湿潤は少なく、皮膚が厚ぼったく、ザラザラして荒れてくるものをいいます。

原因はいろいろだが、それぞれの対応のしかたがちがうので、湿疹の正確な病名は原因によります。

接触性皮膚炎が、俗にいうかぶれです。昔ならウルシなどが多かったですが、現在では、化粧品や薬品、あるいは合成繊維の下着などによることもあります。アトピー性皮膚炎は、アレルギーなどの遺伝体質によることが多く、ほとんどが慢性化します。

脂漏性(しろうせい)皮膚炎も、皮脂分泌異常という体質がからんでおり、いわゆるフケ性の人がかかりやすいです。あるいは貨幣状(かへいじょう)皮膚炎・自家感作性(じかかんさせい)皮膚炎・日光皮膚炎・ビダール苔癬(たいせん)などがありますが、くわしいことは省略します。

主婦湿疹の症状

成年女子のみに発生し、しかも水仕事などで悪化する傾向があるので、この名がありますが、正式には進行性指掌角皮症(しんこうせいししょうかくひしょう)といい、最近ひじょうに増えている病気です。

まず、利き手の親指から人差し指、中指の手のひら側の先がやや赤くなり、かたくザラザラして、小さいヒビができます。さらに進行すると、指の根元や手のひらの皮膚もかたく厚くなり、指紋がなくなり、しかも指が自由に動かせなくなってきます。このころになると、反対側の手にも同じような病変が起きてきます。原因は不明で、現代医学でも治療法は確立していません。

漢方なら適応症

漢方では、湿疹を原因からわけることはしません。皮膚の状態や全身症状を考えながら、証をきめ、薬方を決定します。アトピー性のもの、脂漏性のものでは、体質改善をはかり、現代医学ではお手上げの主婦湿疹に著効をみた例も少なくないです。

湿疹が出る場合に効果的な漢方薬

葛根湯

急性初期の、発赤・かゆみ・熱感に。

越婢加朮湯

水ぞれがあって、湿疹しているもので、むくみをともない、のどが渇く人に。

十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)

もっとも一般的に用いられます。

桃核承気湯合大黄牡丹皮湯

局所のうっ血がはげしく、濃い分泌物が出て、かさぶたができやすく、かゆみもひどく、便秘する女性によい。

加味逍遙散合四物湯

虚証の女性で、貧血ぎみで、湿疹は乾いていて、かゆみのあるものに。

真武湯

虚証で、冷え症、患部はあまり赤くなく、分泌物はうすく、かゆみのある人に。

八味丸

幼児、あるいは老人の虚弱者で、冷え症があり、尿の出方に異常があるのを目標にし、患部は乾いているか、やや湿潤しているものに。

温経湯(うんけいとう)

生理が不順がちで、足が冷えるのに手がほてる、ときには腰も痛む人の主婦湿疹に。

越婢加朮附湯

やや体力があり、のどが渇き、小便の出が少ない人の主婦湿疹に。

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