痛風でお悩みの方に効果的な5つの漢方薬

新陳代謝症状

ある夜突然、アタックにおそわれる

血液中に尿酸(にょうさん)の量が異常に増える病気です。
関節をおかされることが多いので、関節炎の一種のように考えられますが、本態は高尿酸血症(こうにょうさんけっしょう)であり、代謝障害ということになります。なお、尿酸はプリンというタンパク質がからだの中で分解されていく過程で作られ、腎臓から排泄されます。

痛風の症状とは

ある夜突然、おもに足の親指のつけねの関節が痛みにおそわれ、真っ赤に腫れ上がります。
そばを人が歩くだけでも、焼け火箸をさしこまれたような激しい痛みで、38~39度の熱も出ます。しかし翌朝になると痛みも治まり、汗が出て熱も下がります。
ところが夜になると再び発作におそわれます。この状態が4、5日続くのが痛風の”急性アタック”なのです。
別名”ポダグラ”とも言われます。

一度症状が治まってから数か月から1~2年ほど後、再び同じようなアタックにおそわれます。これを何度か繰り返すうちに間隔は短く、痛みと熱が数日間ぶり返す”アタック”の期間は長くなり、慢性状態となってしまいます。

ふつう足の親指の関節で発作が始まりますが、慢性になると足の関節、肘・膝・手の関節など、ほかの関節や腱もおかされるようになります。
そして”痛風結節”といって、患部に特有のしこりができてだんだん大きくなり、関節が変形した り、癒着して動かなくなることもあるでしょう。

昔からこの病気を「帝王病」と呼びますが、患者の95パーセントは40歳すぎの男性で、特に美食家や酒が好きな方は罹りやすく要注意なのが病名の由来です。

漢方では芍薬甘草湯

最初のアタックがあったら、必ず医師に相談しましょう。
現代医学では、痛風発作に「コルヒチン」という特効薬を用いますが、激しい下痢を起こすなど副作用も強いので、その使用は医師の指示によらなければなりません。
漢方では腎機能を正常化させ、血液中の尿酸をじゅうぶんに排出させるか、体質改善をはかることが可能です。

痛風に効果的な漢方薬

大柴胡湯合桂枝茯苓丸料(だいさいことうごうけいしぶくりょうがんりょう)

固太りの肥満体で、みぞおちから両わきにかけて抵抗と圧痛がある人の痛風に。便秘している場合に用います。

防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)

いわゆる”水太り”の人に用います。

鹿茸大補湯(ろくじょうだいほとう)

身体は衰弱し、痩せて、皮膚が乾燥しているものに用います。

芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)

アタックのさいの痛み止めに。体力の強い・弱いにはあまり関係なく用いることができます。

芍薬甘草附子湯(しゃくやくかんぞうぶしとう)

虚証(本来の生命力が弱まり体の機能が低下した状態)の人の痛み止めに用います。

大切なのは食生活の管理

発作を起こしていなくても、患者は高尿酸血症の状態にあるので、尿酸量を下げなければなりません。
尿酸を作るプリン体は、動物性の食品に多く、とくにレバーなどに大量に含まれます。

したがって、痛風にはレバーは厳禁だとされています。
動物性のタンパク質はせいぜい卵・牛乳・チーズ程度にし、大豆や大豆製品をはじめとした植物性タンパク質に頼るようにしましょう。
この際、いっそのこと玄米菜食を採用するのもよいかもしれませんね。

アルコール類にも血液を酸性化し、尿酸の結晶を生じさせる作用があるので厳禁です。
帝王病と呼ばれるのも、こうした食品と関係があるからで、最近、日本でも痛風患者が増えているのは、食生活の欧風化が原因だという説もあります。

また起こりやすい合併症としては、糖尿病・萎縮腎(いしゅくじん)・皮膚搔痒症(ひふそうようしょう)などがあるので、こちらも併せて注意が必要です。

なお発作時には、局所温湿布や、温浴すると、痛みはある程度和らぎますので、辛いときは無理のない程度に試してみてくださいね。

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