これも加齢のせい? 更年期の貧弱まつ毛で「美魔女」願望も撃沈!

体験談

まつ毛がまばらでなかなか生えてこない。目の印象がぼやけて目力がなくなった気がする……。
50〜60代の更年期世代の女性の中には、こうした「更年期にまつ毛が抜ける症状」に悩んでいる方も少なくないのではないでしょうか。

そんな自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか? 
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を漢方の専門家がお答えしていきます。

今回は「更年期にまつ毛が抜ける症状」をテーマに、薬剤師の中田早苗先生にお話を伺ってみました。 

頑張っても目力が出ない…更年期のスカスカまつ毛はどう蘇らせる?

美智代さん(58歳女性)、主婦の方からご質問をいただきました。

このところ、雑誌やテレビを見ていると、年齢に比べて信じられないくらいに若くみえる方が増えましたよね。そのせいか、私もどうにか見た目の若さを保ちたいという願望が日に日に強くなっているのですが、どうにも気持ちに現実がついて行きません。
特に気になるのは、まつ毛がパラパラとまばらになり、長さも以前と比べてだいぶ短くなってしまったこと。
若い頃から“目力が命!”という感じでアイメイクには人一倍こだわりがあったのですが、まつ毛が貧弱だとどうにも目力が出ず、目元も寂しい感じになってしまって……。仕方がないので、娘が通っている「まつ毛エクステ」のサロンで上まつげ100本、下まつげに30本付けてもらい、大満足の仕上がりになりました。
ところが、2週間ほど経った頃でしょうか、自分のまつ毛に接着する形で付けたまつ毛エクステがゴソッと数本ずつ抜けてしまい、あれよあれよという間にスカスカになってしまったんです。毛の生え変わりもあるので仕方がないことではありますが、まだ残っているまつげエクステが長いために余計自まつ毛の貧相さが際立つ結果に。やはり自まつ毛の育毛を頑張るしかないと思ったのですが、一体どうして良いやらわかりません。
どうにかして若い頃のような豊かなまつ毛を蘇らせる方法はないでしょうか?

ご質問ありがとうございます。
髪と同じように、まつ毛も加齢により薄くなったり短くなったりしてしまうことがあります。まつ毛が貧弱になると目元の印象が弱くなり、実年齢よりも老けた印象に見えてしまいがちですよね。
今回は、更年期にまつ毛が抜ける原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。

更年期にまつ毛が抜けるのは毛周期の乱れが原因

更年期にまつ毛の量が減ったり、短く細くなったりするのは、加齢による代謝の低下やホルモンの変化、栄養状態やまぶたの血管の血流悪化により、毛周期のサイクルが乱れることによって生じると考えられています。
まつ毛を含むあらゆる体毛には、成長期、退行期、休止期を繰り返す毛周期というサイクルがありますが、まつ毛は成長期が短いため、髪の毛のように長く伸びないことに加え、加齢とともに発毛力が弱まることで、毛の量や質が衰えてしまいがちです。

また東洋医学では、毛が抜けたり薄くなったりするのは、「血(血液)」の不足による「血虚(けっきょ)」や、生命力をつかさどる「腎(じん)」の機能が加齢により衰えることで起こると考えます。

次の章では、このような「更年期でまつ毛が抜ける症状」を改善するための具体的な方法をお伝えしていきましょう。

更年期のまつ毛を育てるためのセルフケア3選

1.ビューラーに頼り過ぎないこと

くるん!と上向きのまつ毛に仕上げるために、メイクのたびに長年まつ毛ビューラーを愛用してきた、という方も多いのではないでしょうか。
ビューラーは手軽で簡単に美しいまつ毛を演出できるアイテムではありますが、根元からぐっと力を入れて上げる動作により、デリケートなまつ毛に負担をかけ、切れやすくしてしまいます。
下向きのまつ毛をあげたい場合は、カール効果の高いマスカラや、マスカラをした後に目元用のブラシでまつ毛をしならせるように持ち上げて形状記憶させるのもオススメです。

2.まつ毛を優しくケアして保湿する

まつげは、皮膚の浅い位置に毛根があるため、髪の毛やまゆげよりも刺激に弱いという特性があります。
アイメイクのクレンジングの際にゴシゴシとこすり過ぎてしまったり、付けまつ毛やまつ毛エクステに依存し過ぎることも、まつ毛や周辺の皮膚にダメージを与える原因になります。
まつ毛の薄さや短さが気になるときは過度なアイメイクは避け、ミルクタイプのクレンジングで優しく汚れを浮かせるようにして洗浄するようにしましょう。
また、洗顔後は化粧水や乳液でまぶたやまつ毛のキワまでしっかり保湿することも大切です。 

3.栄養のバランスを整えて育毛促進を

加齢によるまつ毛へのダメージはある程度は仕方のないことではありますが、物理的刺激や乾燥への対策に加え、栄養バランスを改善しダメージを抑え、まつ毛を育てていく努力をすることが大切です。
過度なダイエットはまつ毛にも悪影響を与えるため、食事は3食きちんとバランスよく摂るようにしましょう。
特に、長く豊かなまつ毛を育成するためには、まつ毛のもととなるケラチンというタンパク質を構成する「アミノ酸」や、その際に必要な「亜鉛」、さまざまな栄養素の吸収をサポートするビタミンB群やビタミンCを積極的に摂ると良いでしょう。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

更年期にまつ毛が抜ける症状を改善するために、市販のまつ毛美容液の塗布などの選択肢に加えて、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、八味地黄丸(ハチミジオウガン)です。
加齢によるまつ毛の衰えに加え、まぶたの乾燥やかゆみもある方の「気(生命エネルギー)」「血」「水(水分)」を増やす効果に加え、「腎」の衰えを改善し、体全体に潤いを与えて症状を改善します。
また、まつ毛の症状に加えて更年期による疲労感や不安・不眠などの神経症、眼精疲労などもある方には、「気」や「血」のバランスを整えて症状を改善する桂枝加竜骨牡蛎湯(ケイシカリュウコツボレイトウ)も良いでしょう。

加齢に負けず、美しく豊かなまつ毛を育てましょう

今回は、更年期にまつ毛が抜ける症状に悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
症状の改善のためには、過度なアイメイクに頼らず、栄養のバランスのとれた食事を摂って育毛を促進すること、日頃から目元を乾燥させないようにして保湿ケアをすることが大切です。
また、こうした気になるまつ毛の抜け毛の症状改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。
セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。


中田早苗

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 中田 早苗 薬剤師。認定運動支援薬剤師。就実大学薬学部卒業。病院薬剤師として約7年間勤務後、漢方薬局で2年間勤務。ファスティングマイスターとして100名以上のファスティングをサポート。TiktokやInstagramでファスティング・美腸を普及する活動も行っている。

プロフィール

関連記事