脇が汗で潮かぶれ状態…かゆみと炎症でノースリーブも着られない!

体験談

汗をかく時期になると脇がかゆくてたまらない、脇の下が蒸れて、あせもができてつらい…。
30〜60代の幅広い世代の女性のなかには、「脇のかゆみ」に悩んでいる方も少なくないのではないでしょうか。

こうした自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか?
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。

今回は「脇のかゆみ」をテーマに、薬剤師の中田早苗先生にお話を伺ってみました。

真っ赤に炎症を起こした脇がかゆい…夏に向け早期に解決するには?

優希さん(34歳女性)、主婦の方からご質問をいただきました。

昔から汗っかきで、夏以外でも脇汗をかいてしまうことが多い私。それだけならいいのですが、最近脇がかゆくて仕方ないんです。
このところ気温が高いこともあり、ちょっとそこまで買い物に出ただけでも汗が噴出して、脇の下のくぼみも脇汗のせいか潮かぶれのような状態になってしまって…。
かいてもかいてもかゆみが治らないばかりか、かきむしるほどに熱を持ったように赤くなり、ひどいあせものような状態になってしまいました。ちょっとキツめのTシャツの脇の部分が触れただけでも刺激されて猛烈にかゆくなりますし、あせも用の薬を買ってきて塗ってみても脇がベタベタするので、不快でたまりません。もっと気温が上がり、汗をかくようになったらさらに悪化してしまう気がして今から戦々恐々としています。
それに、そろそろ真夏に向けて脱毛もしたいのですが、この炎症状態ではシェービングも難しそうです。そもそも、ノースリーブから真っ赤な脇が見えるのも絶対に嫌なので、早急になんとかしたいと思っています。
何か良い改善方法はないでしょうか?

ご質問ありがとうございます。
脇には汗線や皮脂腺も多く、汗が脇にたまることであせもや炎症などの皮膚トラブルも起きがちです。
今回は、脇のかゆみの原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。

皮脂や汗が汗腺につまることが脇のかゆみの原因

脇には皮脂腺やエクリン汗腺、アポクリン汗腺など多くの汗腺が存在します。
なかでも脇に多く見られるアポクリン汗腺からは、たんぱく質や脂質が多く含まれた粘り気のある汗が多く分泌されます。
汗をかくことによって皮脂や汚れなどが汗腺に詰まり、細菌が増殖したり炎症を起こすと、あせもや湿疹などのかゆみや赤みをともなう肌トラブルが生じます。
また、汗をかくことでふやけた皮膚と衣類などがこすれることで起こる接触皮膚炎などもかゆみや炎症の原因となります。

東洋医学では、汗などの分泌物によるかゆみや湿疹を「汗疹(かんしん)」といい、余分な「湿(しつ)」と「熱(ねつ)」が体内に溜まることにより、ジュクジュクとした炎症やかゆみが起こると考えられています。

次の章ではこのような「脇のかゆみ」を改善するための具体的な方法をお伝えしていきましょう。

脇のかゆみを和らげるセルフケア3選

1.こまめに汗をふいて脇を清潔に保つ

脇には汗がたまりやすく蒸れやすいため、毛穴づまりや細菌の増殖により、あせもや湿疹ができやすい状態になっています。
脇のかゆみを防ぐためには、普段から皮膚の表面に汗を残したままにせず、こまめに柔らかいハンカチやタオルで拭くことが大切です。市販の汗拭きシートなども便利ですが、いずれも拭くときにゴシゴシとこすると、肌のバリア機能を低下させる原因になるため、こすらず丁寧に拭くようにしましょう。
また、入浴の際にもナイロン製のタオルなどでゴシゴシ洗うことは、皮膚にダメージを与え、乾燥によるかゆみを悪化させることになります。
かゆみや炎症のあるときは、弱酸性の石けんをよく泡だてて、手に泡をのせて優しく洗うようにしましょう。

2.ムダ毛処理の際に皮膚を傷つけないこと

女性の場合、脇毛の処理をするために毛抜きやワックス、カミソリなどで自己処理をすることもあると思いますが、こうした刺激による肌ダメージが、かゆみや炎症の原因を作ってしまうことがあります。
自己処理する際はまずはきれいに脇を洗浄し、清潔な状態で処理をすることで、雑菌や細菌の感染を防ぎましょう。
また、脱毛やシェービングをした後は肌が乾燥しやすいため、低刺激性の保湿ローションなどでしっかり保湿し、乾燥によるかゆみが起こるのを予防することも大切です。

3.汗による蒸れを防ぐ対策をする

脇のかゆみの原因となるあせもや湿疹を防ぐためには、汗で脇が蒸れるのを避け、汗腺がつまらないようにするのがポイントです。
そのためにも、直接肌に触れる肌着などは、蒸れやすいナイロンやレザー素材を避け、季節を問わず通気性や吸湿性のよい綿素材などを選ぶとよいでしょう。吸水性がよく速乾効果のあるスポーツウェアを身につけるようにするのもオススメです。
また、真夏の暑い時期はエアコンなどで室温を快適な温度に保ち、過度な発汗を避けることも大切です。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

脇のかゆみを改善するために、市販の外用薬や処方薬の服用などの選択肢に加えて、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、消風散(ショウフウサン)です。汗をかきやすく、赤みやかゆみをともなった皮膚の炎症のある方の過剰な汗の分泌を抑え、「血(血液)」の巡りを良くして熱感やかゆみを解消する効果があります。
また、熱感をともなう強いかゆみや紫外線かぶれなどの症状がある方には、余分な「熱」を冷ましてイライラなどの精神症状とともに毒素を排泄してかゆみを和らげる効果のある黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)も良いでしょう。

脇汗をこまめに拭いて清潔に保つことが大切です

今回は、脇のかゆみに悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
症状の改善のためには、汗の溜まりやすい脇を常に清潔に保ち、蒸れにくい服装を心がけること、脱毛処理での皮膚ダメージに気をつけることが大切です。
また、こうした気になるかゆみの症状の改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。

中田早苗

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 中田 早苗 薬剤師。認定運動支援薬剤師。就実大学薬学部卒業。病院薬剤師として約7年間勤務後、漢方薬局で2年間勤務。ファスティングマイスターとして100名以上のファスティングをサポート。TiktokやInstagramでファスティング・美腸を普及する活動も行っている。

プロフィール

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