生理前の体重増加や「むくみ」の悩みに…セルフケアと効果的な漢方
生理前になると食欲が増して体重が増える、むくみが酷くなるなどの症状にお悩みの女性も多いのではないでしょうか?
多くの女性を悩ませる月経前の体重増加やむくみは月経前症候群(PMS)が原因かもしれません。
今回は、月経前に多くみられる体重増加やむくみの原因と対処法について解説していきます。
目次
生理前の体重増加の原因とセルフケア
生理の前に体重計に乗って驚いた経験のある女性も多いのではないでしょうか?
生理前になると食欲が増して体重が増えてしまうのは月経前症候群(PMS)のせいかも。
ここでは生理前の体重増加の原因とセルフケアについて解説していきます。
体重増加の原因
月経前に何故か体重が増えるのは、月経前に多く分泌されるプロゲステロン(黄体ホルモン)の影響で、体内に水分が溜まりやすくなることが原因の一つです。
さらにプロゲステロンは妊娠に備えて体内に栄養を蓄える作用があり、このホルモンが分泌されることで、食欲増加につながると考えられます。
東洋医学では、月経前の時期に「気・血・水(生命エネルギー・血液・水分)」が滞りやすくなるとされ、気、血の滞りは過食に、水の滞りはむくみに繋がると考えます。
オススメのセルフケアと漢方
生理前になると、ついつい小腹が空いて間食が多くなってしまいがち。
この時期の間食には、太りにくいものや満足感の高いものを選ぶことが大切です。
噛みごたえのあるナッツ類や食物繊維が豊富なドライフルーツ、りんごや梨などもオススメです。
最近は低カロリーのスイーツやダイエット用のおやつの種類も豊富なので活用してみてください。
また、アロマなど香りの力をかりるのも良いでしょう。
食欲抑制効果のあるグレープフルーツやオレンジ、脂肪燃焼にはペパーミントやローズマリーなど、香りがもつ作用を活用してくださいね。
根本的な体質改善には漢方薬もオススメです。
「血」や「水」の巡りを良くし、水分や老廃物を排出する効果のある防風通聖散(ボウフウツウショウサン)や、ストレスによる過食が気になる方の「気」の巡りを改善してくれる大柴胡湯(ダイサイコトウ)などが効果的です。
生理前のむくみの原因とセルフケア
月経前になると、むくみで足がパンパンに腫れてしまう、身体が何となく重い…。月経前のイライラなどは月経前に現れる症状としてよく知られていますが、月経前のむくみも月経前症候群(PMS)でよくみられる症状の一つです。
ここでは生理前のむくみの原因とセルフケアについて解説していきます。
むくみの原因
むくみの原因は、月経前に多く分泌される黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響と考えられます。
プロゲステロンには、体内に水分を留めるような働きがあります。
このプロゲステロンの分泌増加によって、月経前のむくみが生じます。
そして東洋医学では、月経前は「気・血・水」が滞りやすくなると考えられています。
全体の巡りが滞ることで、身体に老廃物を溜め込みやすくなり、水を排出しにくくなる「水毒」の状態になることが、むくみの原因と考えます。
オススメのセルフケアと漢方
月経前のむくみが気になる時期は、血流改善を意識してみましょう。
軽い運動やストレッチで筋肉を動かしたり、ぬるめのお湯にゆったり浸かることもオススメです。
冷えによる「血」の滞りは、むくみを悪化させる原因になるので、じんわり汗をかく半身浴で血流を改善し体内の余分な水分を排出するのも効果的です。
食事面では利尿作用を意識してみましょう。
カリウムを多く含むバナナ、とうもろこし、長芋、キャベツなどの食材は利尿作用があり、むくみが気になる時に積極的に取り入れると効果的です。
塩分控えめの食事もむくみを防ぐのに役立ちます。
塩分の摂りすぎると体の塩分濃度を調節するために沢山の水分が必要になります。
喉がかわいて、余分な水分摂取に繋がるため、塩分を少し控えめにするとむくみ防止につながります。
根本的な体質改善には漢方薬もオススメです。
「水毒」を改善して全身の機能を高めてくれる防已黄耆湯(ボウイオウギトウ)や、「水」の巡りを良くして溜め込んだ水分を排出させる働きのある五苓散(ゴレイサン)がむくみ対策に効果的です。
生理前の過食の原因とセルフケア
生理前の止まらない食欲、経験のある女性も多いのではないでしょうか?
生理前のイライラがそのまま異常な食欲としてでてしまうのも、月経前症候群(PMS)かもしれません。
ここでは生理前の過食の原因とセルフケアについて解説していきます。
過食の原因
月経前の過食や体重増加の原因は、黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響です。
プロゲステロンには、インスリンの働きを抑える作用があります。
プロゲステロン分泌の増える月経前は、血糖値の変動が大きくなるため、甘いものを欲したり食欲が増加すると言われています。
また東洋医学では、月経前には「気・血・水」が滞りやすくなると考えます。
「血」の不足や滞りが「気」の巡りを悪化させ、それがストレスとなって過食につながるのです。
オススメのセルフケアと漢方
過食行動による体重増加を抑えるには、太りにくいメニューを心がけることが大切です。
どうしても食欲を抑えられない生理前は、食事を低糖質、高タンパクのヘルシーな食事メニューに切り替えましょう。
ご飯を玄米にして、おかずに赤身の肉や魚、豆腐を食べることを意識すると満腹感も得られ、余計な脂質が抑えられるので、食べても太りにくくなります。
さらに、良く噛んで食べることも効果的です。
最初の3口だけはたくさん噛んで食べるなど、自分なりのルールを決めて食欲をコントロールするとよいでしょう。
根本的な体質改善には漢方薬もオススメです。
生理前のイライラが食欲に繋がってしまうような方には「気」の巡りを良くして感情を鎮静させる効果のある抑肝散(ヨクカンサン)、過食嘔吐がみられ、衰弱が強い場合は肝の働きを補ってくれる十全大補湯(ジュウゼンダイホトウ)が効果的です。
生理前の食欲不振の原因とセルフケア
月経前に過食になる場合もあれば、逆に拒食の症状が出ることもあります。
月経前症状で吐き気や頭痛、倦怠感の症状が強く出る方は食事が取れなくなる場合も少なくありません。
体重増加やむくみの反対ともいえる、生理前の食欲不振の原因とセルフケアについても見ておきましょう。
食欲不振の原因
月経前の食欲不振もホルモンバランスの乱れが原因で起こる、月経前症候群(PMS)の症状の一つ。
月経時に食欲が増す場合も多いですが、倦怠感や腹痛、吐き気やむくみを不快に感じ、食欲低下に繋がる方もいます。
東洋医学では月経前には「気・血・水」が滞りやすくなると考えます。
「血」の不足や滞り、そこから「気」の巡りの悪化が起き、ストレス増加につながって食欲不振になると言われています。
オススメのセルフケアと漢方
ストレスと食欲は密接に関係しています。食欲回復には溜まったストレスを発散するのが効果的です。
趣味に没頭する時間をつくる、夜にゆっくり半身浴をするなど自分なりのストレス解消法を見つけましょう。
ストレッチやウォーキングなどの軽い運動も、全身の血流アップにつながるので胃腸の回復にも効果的です。無理のない運動を趣味にすると食欲の回復に役立つでしょう。
食欲のない時に食事をたくさん食べるのは難しいことです。
月経に備える意味でも栄養豊富な食材を意識的に取り入れましょう。
特にタンパク質や鉄分は不足しがちな栄養素なので、肉、魚、豆類を食事メニューに加えてみるのもオススメです。
根本的な体質改善には漢方薬も効果的です。
生命エネルギーといえる「気」を補い、胃腸の働きを促進して食欲増進効果のある補中益気湯(ホチュウエッキトウ)や、冷えからくる胃腸の不調を整える働きのある六君子湯(リックンシトウ)などが良いでしょう。
まとめ
月経前の体重増加やむくみの原因、それらの改善のためのセルフケアについて紹介しました。
月経前はホルモンバランスの乱れによって、さまざまな不調を感じることが多い時期です。今回紹介した症状別のセルフケアを参考にしてみてくださいね。