肌の乾燥対策【頭皮、顔、かかと、目・口の周り】と効果的な漢方

お悩み

肌の乾燥は多くの女性を悩ませる肌トラブルの一つです。

この記事では乾燥が起きやすい部分ごとに、乾燥が生じる原因や実践しやすいセルフケア、そして効果的な漢方薬について解説していきます。

頭皮の乾燥対策と効果的な漢方

フケやかゆみを伴う頭皮の乾燥にお悩みの女性も多いのではないでしょうか。
頭皮も肌と同じく、年齢を重ねるにつれて潤いを保つ成分が減り、乾燥しやすくなります。

ここでは頭皮の乾燥の原因と効果的な対策について解説していきます。

頭皮の乾燥の原因

肌と同様、頭皮にも肌が新しく生まれ変わるターンオーバーがあります。
ところがストレスや生活習慣の乱れなどで血行不良が起きると、新陳代謝が低下してターンオーバーに乱れが生じます。
これにより頭皮のバリア機能が衰え、水分量が減少することで頭皮が乾燥します。

東洋医学では、人の身体は「気・血・水(生命エネルギー・血液・水分)」の3つの要素からなるとされていますが、頭皮の乾燥は3つのうち「血」が不足した「血虚」という状態から生じると考えます。

頭皮の乾燥のケア方法と効果的な漢方

洗いすぎによっても頭皮の乾燥はより悪化します。必要以上の洗髪は、皮脂を取りすぎて逆に頭皮のバリア機能を弱めます。

また摩擦によっても頭皮が傷んで内側が乾燥し、炎症を伴う痒みを生じることがあります。
髪を洗うときはぬるめのお湯でしっかり汚れを落とした後、低刺激のシャンプーやリンスを使ってよくすすぐことが大切です。

さらに血流を良くするために、頭皮マッサージをするのも効果的です。
朝晩2回のマッサージで頭皮を柔らかくし、髪のアンチエイジングにつとめましょう。

根本的な体質改善には漢方薬もオススメです。
「血虚」や「血熱」を改善してこもった熱を冷まし、かゆみを改善する「温清飲(ウンセイイン)」や、「血」と「気」を補って肌に栄養と潤いを与える「当帰飲子(トウキインシ)」などが効果的です。

https://www.kamposupport.com/kentame/archives/7704

顔の乾燥対策と効果的な漢方

顔の乾燥は、メイク乗りが悪くなったり粉が吹いたりと辛いもの。
ここでは顔の乾燥の原因と、効果的な対策について解説していきます。

顔の乾燥の原因

肌の潤いは、角層の細胞間にあるセラミドが、水分を繋ぎ止めることで保たれています。
肌のターンオーバーが乱れて、セラミドが減少することによって顔の乾燥が進んでしまいます。

東洋医学では、顔の乾燥を「気・血・水」のうち「血」の不足による「血虚」で生じると考えます。

顔の乾燥のケア方法と効果的な漢方

潤い肌を保つため、まず注意すべきは洗顔です。
洗顔時のお湯の温度が高すぎると、必要な皮脂まで洗い流してしまい乾燥が悪化します。
寒い時期でも体温に近いぬるま湯程度のお湯で優しく洗顔しましょう。

また、洗顔後は時間を置かずにすぐ化粧水で水分を補い、乳液やクリームで潤いを逃さないようにケアしましょう。

冬場はただでさえ湿度が低く空気も乾燥しています。
部屋では加湿器、外出時はミスト化粧水などを使って保湿すると良いでしょう。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的です。
肌がカサカサと皮むけしやすい方の「血」と「気」を補い、肌に栄養と潤いを与える「当帰飲子(トウキインシ)」や、体内にこもった熱を覚ます効果のある「温清飲(ウンセイイン)」などがオススメです。

https://www.kamposupport.com/kentame/archives/7711

目の周りの乾燥対策と効果的な漢方

目の周りの皮膚は、頬などに比べてかなり薄く、体調や加齢による変化、血の巡りなどの影響を受けやすい部分でもあります。

ここでは、目の周りの乾燥の原因と効果的な対策について解説していきます。

目の周りの乾燥の原因 

加齢やストレスなどにより、肌のターンオーバーが乱れて角層の水分量や保湿成分が減少することで、肌のバリア機能が低下して乾燥が起こります。
特に目の周りの皮膚は薄く、表情などの動きも多いため乾燥や小じわも起こりやすい部位といえます。

東洋医学では、目の周りの乾燥を「血」の不足による「血虚」と考えます。
血液が身体の隅々まで行き渡らないと乾燥に加えてクマやくすみ、小じわの原因にもなります。

目の周りの乾燥のケア方法と効果的な漢方

顔の中でも目の周りが特に乾燥する方は、メイク落としの際にこすりすぎているかもしれません。
過度なこすり洗いは、肌の角層で潤いを保つ働きをしてくれるセラミドを減少させてしまい、目の周りの乾燥をさらに悪化させてしまうことにつながります。

目の乾燥が気になるときは、肌に負担の少ないメイクを心がけてクレンジングや洗顔も、洗浄力より保湿力の高いものを選びましょう。

花粉やハウスダストのアレルギーがある方は、どうしても痒みが出て目元をこすってしまうことがあります。
目元を掻くとその刺激によって乾燥やかゆみを更に悪化させてしまいます。
目元を保冷剤で冷やして、血管を収縮させることでかゆみを沈静化させることが大事です。

漢方薬による根本的な体質改善もオススメです。
「気」と「血」を補い、皮膚の乾燥や冷えを改善する効果のある「十全大補湯(ジュウゼンダイホトウ)」や、血行を改善して身体を温めることにより、目元の乾燥やクマ、くすみにも効果的な「四物湯(シモツトウ)」などが良いでしょう。

https://www.kamposupport.com/kentame/archives/7695

口の周りの乾燥対策と効果的な漢方

常にマスクをつけている近頃、口周りの乾燥が余計にひどくなり、辛く感じている女性も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

ここでは口周りの乾燥による肌トラブルの原因と効果的な対策について解説していきます。

口の周りの乾燥の原因

口周りは目元と同じく皮膚が薄く水分量も少ないため、特に乾燥しやすい場所です。
しかし、食事の際に拭ったりこすったり、何かと刺激してしまい、乾燥がひどくなりやすいと場所であるといえます。

東洋医学では口周りの乾燥を「血」の不足である「血虚」や「水」の不足による「陰虚」と考えます。

口の周りの乾燥のケア方法と効果的な漢方

マスクをつけ外しすることで、温度と湿度の変化が急激に起こり、乾燥が悪化しやすいため、普段以上に唇の保湿を心がけましょう。

肌が敏感になっているときは、無香料・無着色のリップやワセリンを使用しましょう。
また、ティッシュで口元を拭う際も摩擦を避けるため、軽く抑える程度に留めて刺激を与えないようにしましょう。

身体に潤を与える食材を積極的に取り入れることもオススメです。
水分不足により起こる「陰虚」を改善するために、身体の潤いを補う「白い食べ物」や「ネバネバした食材」が効果的です。
山芋やオクラ、れんこんや梨などをなるべく加熱せずに生に近い状態で摂取しましょう。

根本的な体質改善には漢方薬も効果的です。
「血」を補い、身体を温めることで肌や口の渇きを改善する「四物湯(シモツトウ)」や、「気」と「血」を補い、倦怠感を解消してくれる「十全大補湯(ジュウゼンダイホトウ)」などがオススメです。

https://www.kamposupport.com/kentame/archives/8042

かかとのカサカサ対策と効果的な漢方

かかとがガサガサに乾燥してしまい、ひび割れを起こした経験のある女性も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

ここでは、かかとのカサカサの原因と効果的な対策について解説していきます。

かかとのカサカサの原因

かかとは皮脂腺がなく、特に乾燥しやすい場所です。
心臓から遠い位置にあるため、血行不良になりやすくターンオーバーも乱れがちです。

東洋医学では、かかとの乾燥は「血」の不足による「血虚」や、ホルモンバランスを整える役割のある「腎」の滞りや栄養不足によって起こると考えます。

かかとのカサカサのケア方法と効果的な漢方

かかとのカサカサを解消するには、こまめなケアが大切です。
古くなった角質は、リムーバーやかかと用のやすりなどで丁寧にこすって取り除きましょう。
このときもこすりすぎず、皮むけした部分を優しく落とす程度で十分です。

毎日刺激してしまうとかえって皮膚が硬くなることもあるため、角質ケアは2週間に1回程度のペースで行うことがオススメです。
毎日の入浴後にはしっかりと保湿することが重要です。

厚くなってしまった角質には、尿素配合のクリームを使うと少しずつ肌が柔らかくなります。
特に角質ケアをした後には乾燥しやすいため、保湿力の高いクリームでしっかりと保湿してくださいね。

根本的な体質改善には漢方薬も良いでしょう。
「血」を補い「血虚」を改善、乾燥やかゆみのある方に効果的な「当帰飲子(トウキインシ)」や、「血」の巡りを改善してのぼせやほてりをとり、ホルモンバランスを整える効果もある「温清飲(ウンセイイン)」などが効果的です。

https://www.kamposupport.com/kentame/archives/8154

まとめ

ここでは肌の乾燥を取り上げ、部位別に効果的なセルフケアを紹介してきました。
症状改善のための参考にしてみてください。

乾燥による様々な症状の改善に、漢方薬が力を発揮した例もあります。セルフケアでなかなか改善しない場合は、お近くの漢方医や漢方薬局にご相談くださいね。

関連記事