頭痛や吐き気など低気圧による体調不良の対処法と効果的な漢方
天候が悪化したときに生じる、頭痛や吐き気、関節痛の症状にお悩みの方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
目次
低気圧の頭痛の原因と効果的な漢方
気圧の急激な変化によって頭痛などの身体の不調が起こる、いわゆる「天気痛」「気象痛」。
ここでは、低気圧が原因の頭痛でお悩みの方に、原因と対処法、効果的な漢方薬をご紹介します。
低気圧の頭痛の原因
低気圧のときの頭痛やだるさは、気圧の低下で自律神経のバランスが崩れることや、平衡感覚を司る「内耳」が過剰に反応することなどが原因と考えられています。
東洋医学では、気圧の変化で体内の「気・血・水(生命エネルギー・血液・水分)」のバランスに乱れが生じて「水毒(すいどく)」の状態になることが原因と考えます。
低気圧の頭痛の対処法と効果的な漢方
低気圧による頭痛が起こりやすい方は、血管や神経の働きを司る自律神経のバランスを整えることが大切です。
メリハリのある生活は自律神経を安定させます。日中は適度な運動を取り入れて活動的に過ごし、夜はリラックスする時間をもうけて決まった時間に睡眠をとるように心がけましょう。
食事は抜かず偏食を避けるようにして、三食バランスの良い食事を意識しましょう。特に朝食は副交感神経と交感神経をうまく切り替えるスイッチになり、生活のリズムを整えることにつながります。
毎日の生活リズムと食習慣を意識して、気圧の変化に耐えうる体作りをしましょう。
低気圧が原因の頭痛には、根本的な体質改善を行う漢方薬がオススメです。
体内に溜まった余分な水分を排出し、拍動性の強い頭痛を改善する作用のある「五苓散(ゴレイサン)」、頭痛に加えて吐き気もある方には、身体を温めて「気・血」を巡らせる作用のある「呉茱萸湯(ゴシュユトウ)」などが効果的です。
低気圧の吐き気の原因と効果的な漢方
気圧の低下とともに乗り物酔いのような気分の悪さを感じて吐き気を催し、梅雨や台風のシーズンはずっと体調が優れない、などの症状にお悩みの方も多いはず。
ここでは低気圧による吐き気の原因と対処法、効果的な漢方薬について解説していきます。
低気圧の吐き気の原因
低気圧時の吐き気は、気圧の低下で平衡感覚を司る「内耳」が過剰に反応し、血流やリンパの流れを悪化させることなどが原因とされています。また自律神経の乱れで消化管の働きが弱くなることも影響します。
東洋医学では、低気圧による冷えとむくみから体内の「血・水」のバランスが乱れて「気」が滞ることで自律神経が乱れることが原因と考えます。
低気圧の吐き気の対処法と効果的な漢方
低気圧による吐き気は、内耳の血の巡りが悪くなることで症状が悪化しがち。症状が辛いときは、耳周りのマッサージで内耳の血行を促進しましょう。
内耳の血行改善マッサージの方法を紹介します。
①左右の耳を親指と人差し指で軽くつまみ、上・下・横方向にそれぞれ5秒ずつ引っ張る。
②耳を軽く引っ張りながら、後ろ方向にゆっくり5回した後、両耳を包むように折り曲げて5秒間キープ。
③手のひらで耳全体を覆い、後ろ方向に5回、円を描くように回す。
これを朝昼晩と3セット行いましょう。
ストレス症状による自律神経の乱れを整えるためには、アロマテラピーも効果的です。レモンやジンジャーなどの吐き気を緩和する作用のあるアロマオイルを、耳のマッサージに使用するのも良いでしょう。
低気圧による吐き気には、漢方薬による根本的な体質改善もオススメです。
「水」の巡りを改善して余分な水分を排出する「苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)」、身体を温めて「気・血」を巡らせる「呉茱萸湯(ゴシュユトウ)」が効果的です。
低気圧の息苦しさの原因と効果的な漢方
雨や台風が近づいたときに、呼吸がスムーズにできずに息苦しくなるのは気圧の低下が原因かもしれません。
ここでは低気圧による息苦しさの原因と対処法、効果的な漢方薬について解説していきます。
低気圧の息苦しさの原因
低気圧のときの息苦しさは、気圧の低下で空気中の酸素濃度が薄くなり自律神経のバランスが乱れることが原因とされています。
東洋医学では体内の「気・血・水」のバランスの乱れで身体のむくみが生じる「水毒(すいどく)」の状態になることで、息苦しさを感じやすくなると考えます。
低気圧の息苦しさの対処法と効果的な漢方
気圧の変化で息苦しさや呼吸のし辛さを感じるときは、腹式呼吸で体内に新鮮な空気を送り込むことで自律神経を整えましょう。
まずは4秒ほど、ゆっくりお腹を膨らませて鼻から息を吸います。吐くときは8秒ほど吸ったときの倍の時間をかけて息を吐き切ります。
腹式呼吸を繰り返すことで、血圧や気持ちも安定してリラックスした状態を作ることができます。
気圧の低下による気道の粘膜のむくみも、息苦しさの原因の一つです。毎日の食事に、水分代謝を促すカリウムを多く含む小松菜、ほうれん草、アボカドなどを意識的に取り入れましょう。
低気圧による息苦しさには、体質改善を行う漢方薬も効果的です。
体内に溜まった余分な水分を排出する作用のある「五苓散(ゴレイサン)」、息苦しさに加えてストレスの多い方は、水分の排出に加えて「気」を補う作用のある「苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)」などがオススメです。
梅雨の関節痛の原因と効果的な漢方
湿気が多い日に限って関節の痛みが出る、梅雨時の関節痛にお悩みの方も多いのではないでしょうか。
ここでは「梅雨の関節痛」の原因と対処法、効果的な漢方薬について解説していきます。
梅雨の関節痛の原因
梅雨時期など湿気が多く低気圧のときに関節痛が生じるのは、関節内の圧力と外気圧のバランスが崩れることが原因とされています。
東洋医学では、過剰な湿気「湿邪(しつじゃ)」により「気・血・水」のバランスが崩れて体内に余分な水分が溜まる「水毒」の状態になることで、関節痛などさまざまな不調が起こると考えます。
梅雨の関節痛の対処法と効果的な漢方
梅雨時期はジメジメした気候のせいで冷房を使い始めたくなります。
しかし、冷房で室内を冷やし過ぎると、外気の湿気と冷房の冷えで血流が滞り、むくみや関節痛が悪化することがあります。そのようなときは体を温めるようにしましょう。
関節の痛みが辛いときはシャワーで済まさずに、ぬるめのお湯で芯から身体を温めて血行を改善することで、むくみやだるさの改善につながります。
梅雨時期の大きな気圧の変化は身体にとって大きなストレスです。気候の変化で交感神経が優位になると、関節や身体の痛みを強く感じやすくなります。
ストレス解消のために梅雨の晴れ間には出かけて活動的に過ごすことで、上手に気分転換することも大切です。
気圧の変化による関節痛には体質改善を行う漢方薬もオススメです。
余分な「水」を排出して関節の痛みを緩和する作用のある「防已黄耆湯(ボウイオウギトウ)」、体内の水分バランスを整えて「水毒(すいどく)」を改善する「五苓散(ゴレイサン)」などが効果的です。
まとめ
低気圧で起こる体調不良について、その原因と対処法、効果的な漢方薬について解説してきました。
低気圧が原因の体調不良でお悩みの方は、ここで紹介した対処法を辛い症状の改善に役立ててください。
低気圧のときの気になる症状に漢方薬が効果を発揮した例があります。セルフケアを試してもなかなか症状が改善しない場合は、お近くの漢方医や漢方薬局にご相談くださいね。